千畳敷カール

その他の自然地形

ロープウェイで気軽に行ける、全国でも屈指の高山植物の宝庫

中央アルプスの中腹にある千畳敷カールは、雄大な峰々に抱かれた山上の別天地。高低差日本一のロープウェイに乗り、日本で最高所にある「千畳敷駅」へ。可憐な高山植物が咲き競う緑の絨毯をしばし散策しよう。

カールとは、氷河で削られた半円形のくぼ地のこと。約2万年前、ここを氷河が埋め尽くしていた頃を想像しながら歩きたい} カールとは、氷河で削られた半円形のくぼ地のこと。約2万年前、ここを氷河が埋め尽くしていた頃を想像しながら歩きたい

東京や名古屋から日帰りもできる

千畳敷カールは中央アルプス宝剣岳の山裾にあり、木曽駒ヶ岳登山の出発点にもなっている。アクセスは駒ヶ岳ロープウェイのみ。しかもロープウェイ乗り場までの山道はマイカー乗り入れ禁止なので、JR 飯田線の駒ケ根駅または菅の台バスセンター大駐車場からバスを利用する。一見すると不便な奥地のようだが、実は東京や名古屋から日帰り圏内。千畳敷カールでの見学時間をたっぷり 2 時間取ったとしても、東京・名古屋から 12 時間前後で往復できる。ただし、バスとロープウェイは木曽駒ヶ岳への登山客も利用するため、高山植物が咲く 7~8 月には始発前から大行列。臨時バスを出してくれることもあるが、それでもかなり待つことを覚悟しておこう。また、千畳敷カールは夏でも最高気温 20℃前後。雨や霧の日には肌寒いので、上着を忘れずに。

4月中旬、駒ヶ根市中心部から遠望した標高2931ⅿの宝剣岳と千畳敷カール。左に駒ヶ岳ロープウェイの駅が見える} 4月中旬、駒ヶ根市中心部から遠望した標高2931ⅿの宝剣岳と千畳敷カール。左に駒ヶ岳ロープウェイの駅が見える

千畳敷カールが最も賑わうのは7月と8月。シナノキンバイをはじめとしてさまざまな高山植物で彩られる} 千畳敷カールが最も賑わうのは7月と8月。シナノキンバイをはじめとしてさまざまな高山植物で彩られる

450秒で高低差950ⅿを上って山上へ

バスは、道幅の狭い急坂急カーブを巧みなハンドルさばきでぐんぐん上って行く。片側は断崖になっていて、渓谷や滝を見下ろせる。運がよければカモシカなどを見かけることも。JR駒ケ根駅から所要45分、大駐車場から30分で「しらび平駅」に到着。ここから駒ヶ岳ロープウェイに乗る。高低差日本一もすごいが、厳冬期でも運行しているのが驚き。わずか7分30秒で千畳敷カールまで運び上げてくれる。富士山の7合目に相当する高さまで一気に上がるため、到着後、しばし駅前からの景色を楽しみながら休憩して、高山病を予防しよう。正面にそびえる岩峰は宝剣岳。振り向けば、遥か足下の伊那谷を挟んで南アルプスの山並みが広がる。端正な姿で存在感のある仙丈ケ岳(標高3033ⅿ)、その右には日本で2番目に高い北岳(3193ⅿ)。さらに稜線を右にたどると富士山も見える。

標高2612ⅿの「千畳敷駅」は、日本最高所にある駅。日本最高所にあるホテルを併設している} 標高2612ⅿの「千畳敷駅」は、日本最高所にある駅。日本最高所にあるホテルを併設している

(左上から時計回りに)クルマユリ、コバイケイソウ、ミヤマリンドウ、地面を這うように生えるハイマツの雄花。7月下旬に撮影} (左上から時計回りに)クルマユリ、コバイケイソウ、ミヤマリンドウ、地面を這うように生えるハイマツの雄花。7月下旬に撮影

日本有数の高山植物の宝庫を散策

千畳敷カールの遊歩道は1周約40分。勾配もゆるく、スニーカーで歩くことができる。高山植物が花開くのは7~8月が中心。大きな黄色い群落を作るシナノキンバイ、人気のミヤマクロユリなど多種多様な花が目を楽しませてくれる。また、秋の紅葉と草モミジも人気だ。遊歩道の途中で、中央アルプス最高峰の木曽駒ヶ岳への登山道が分岐している。標高2956ⅿの山頂まで4時間ほどで往復できる初心者コースとはいえ、ハイキング気分で訪れるのは危険。体調と装備を整え、登山計画書を出してから足を踏み入れよう。散策のあとには、ロープウェイ駅に併設された日本一高所にあるホテル「ホテル千畳敷」のカフェやレストランで食事もできる。ここに宿泊して、観光客の少ない早朝に散策するのは極上の楽しみ方。運がよければ雲海を見下ろせるかもしれない。非常に人気があり、夏は数か月前から予約で埋まってしまう。

登山計画書は、分岐点の看板にあるQRコードからも提出することができる。天候もしっかりと確認しておこう} 登山計画書は、分岐点の看板にあるQRコードからも提出することができる。天候もしっかりと確認しておこう

(左上から時計回りに)イワツメクサ、ヨツバシオガマ、ミヤマカラマツ、綿毛をまとったチングルマ(稚児車)の実。7月下旬に撮影} (左上から時計回りに)イワツメクサ、ヨツバシオガマ、ミヤマカラマツ、綿毛をまとったチングルマ(稚児車)の実。7月下旬に撮影

ライチョウ復活プロジェクト

北アルプスの立山などに生息する国の特別天然記念物のライチョウ。ここ中央アルプスでは半世紀ほど前に姿を消してしまったが、2018年(平成30)に北アルプス乗鞍岳から飛来したと思われるメス1羽の定着が確認され、これをきっかけに環境省による復活プロジェクトが始動。乗鞍岳からの移植やケージでの保護、放鳥などによって、20羽程度が木曽駒ヶ岳周辺に生息している。ライチョウは、春から初夏にかけてはオスの体は黒っぽくて目の上に赤い肉冠があり、メスは茶色のまだら模様。8~10月頃はオスメスともにまだら模様。冬はオスメスともに白い羽毛になる。もしも見かけても近寄ったりせず、離れた場所からそっと観察したい。

4月、深い雪に覆われた千畳敷カールと駒ヶ岳神社。南アルプスの山並みの向こうに富士山も頭をのぞかせていた} 4月、深い雪に覆われた千畳敷カールと駒ヶ岳神社。南アルプスの山並みの向こうに富士山も頭をのぞかせていた

スポット詳細

住所
長野県駒ケ根市赤穂 map map 地図

情報提供: ナビタイムジャパン

アクセス

map map 地図

最寄り

          周辺の駅はありません。 周辺のバス停はありません。 周辺の駐車場はありません。 周辺のインターチェンジはありません。
          行程表クラウド ティザー

          - NEARBY HOTELS -

          周辺のホテル

          NAVITIME マイプレイス インバウンドプランの紹介

          このスポットを共有

          back

          クリップボードにコピーしました