まんみ 泉中央店

麺と餡のバランスが絶妙な「麻婆炒麺」(960円)

地元で愛される店を目指し50年

創業が1972年(昭和47)「中国菜館まんみ」は地元客が気軽に食べられる大衆中華店を目指し仙台駅前にオープンした。ラーメンや餃子といった定番メニューをそろえつつも、まんみが力を入れたのは、「五目あんかけ」や「麻婆豆腐」「えびうま煮」などの本格中華。創業当時「本場の中国料理を大衆中華の店で気軽に味わってもらう」というコンセプトを掲げていたと話すのは、2代目の店主・大柳憲太郎さん。店を泉中央に移した今も、創業時の方針は変わっていない。「マーボー焼きそば」は、創業から2、3年した頃には、すでにメニューに載せていたという。まかない飯で従業員が食べていたのを見た客からリクエストがあり出したところ、好評だった。そんなことが何度か続き、ついに正式メニューの一品に加えられることになったのだ。

パチンコ店の隣に構える店。店裏に駐車場がある

カウンターの向こうの厨房では職人たちが腕を振るう

こだわりの焼そば麺を使ってマーボーとからませる

2013年(平成25)3月、テレビのバラエティ番組で「仙台市民なら誰もが食べている『マーボー焼きそば』」と全国放送された。しかしテレビを見た仙台市民のほとんどは「マーボー焼そばって何？」という感想であった。とはいえ影響力のあるテレビ番組での紹介。放送翌日から、中華料理店には多くの客がやってきて「マーボー焼きそば」を注文。その反響の大きさもあり、宮城県の中華料理組合では、放送に乗る形で2013年(平成25)5月に「仙台マーボー焼きそば推進委員会」を発足。委員長には、まんみの大柳さんが就任することになった。こうして誕生した新たな名物は、番組放送のおかげもあり、最初から知名度抜群。ほかのメディアでも取り上げられるようになり、かつてのまかない飯から一気に仙台名物へと昇格したのであった。

湯で戻した麺を軽く油に通しながら焼く

同じ鍋で麻婆豆腐を調理。麺にかけて完成する

まんみの「マーボー焼きそば」は、なんといっても麺に特徴がある。せいろで蒸したあと、カリカリになるまで乾燥させ、一度、湯で戻してから調理する。この過程を経ることにより、外はカリカリとした歯ごたえでありながら、中はもちもちとした食感となる。この麺にマイルドな辛さでコクのある麻婆の餡をあわせてまんみの「マーボー焼きそば」は完成する。

醤油味と塩味のある酸辣湯麺(スーラータンメン)も人気

40種類以上の中華メニューがあるまんみで、「マーボー焼きそば」の次に人気の高いのが「酸辣湯麺」だ。酸味と辛味のバランスがよく、何より特製のラー油の香ばしさ辛さが絶品。コクのある醤油味と、あっさりとした塩味の2種類の「酸辣湯麺」がある。このほかにも、醤油味ベースのスープに、仙台味噌、ニンニク、カレー粉で味つけして揚げたホルモンを載せた「ホルモンラーメン」(960円)や、具のたっぷりと載った「えびうま煮かけご飯」(1180円)など、人気メニューの多いまんみ。昔ながらの町中華的雰囲気ただよう店で、おいしい中華料理をゆっくりと味わってみるのもいいだろう。また、「マーボー焼きそば」や各種ご飯類はテイクアウトも可能なので、自宅で気軽にまんみの中華を楽しむこともできる。

女性客を中心に人気が高い「酸辣湯麺」(970円)