山田松香木店

その他店舗

江戸時代より続くお香の老舗で、心と体にやさしい自分好みの香りと出合う

いにしえより愛されてきた、香りの文化。平安の頃には、着物にお香をたいて香りを移していた貴族たちの姿が、『源氏物語』にも記されている。山田松香木店はそうした古くからのお香の文化を今に伝える老舗だ。

種類ごとに分けられたお香の原料が入った引き出し。その数に圧倒される} 種類ごとに分けられたお香の原料が入った引き出し。その数に圧倒される

歴史深い御所西エリアに位置

地下鉄・丸太町駅から徒歩7分。2番出口を出て、烏丸通を北向きに2筋ほど進めば、下立売(しもだちうり)通が見えてくる。この下立売通を西に曲がり、最初に現れる室町(むろまち)通を北に曲がれば、お香のよい香りが漂ってくる。香りに誘われるように、そのまままっすぐ進めば、現れるのは山田松香木店。落ち着いた色合いの黄色の暖簾が目印だ。お店の東のほうには歴代天皇たちが住まいした京都御所、西のほうには明治期に建設されたルネサンス建築の旧本館を誇る京都府庁がある、「京都の文化の中心」ともいえる立地。その歴史を物語るように、京都御所の御用達を務めた老舗も多く点在するエリアだ。

どっしりとしたたたずまい。暖簾をくぐれば、香りのおもてなしにうっとり} どっしりとしたたたずまい。暖簾をくぐれば、香りのおもてなしにうっとり

始まりが薬種業であるからこそのこだわり

歴史をさかのぼることおよそ250年前。1772年(明和9)に創業した山田松香木店の始まりは、薬種業としてだという。当時は今でいう「漢方」を取り扱う問屋であったが、薬と香木の取扱いが同じであったことから、次第に香木薫香業も手がけるようになった。山田松香木店のこだわりは、天然の香料を使用すること。これはもともと、薬種業としてスタートしたことに由来し、薬種由来の天然素材を使うことで、体にやさしく、また自然にも負担をかけないお香づくりを心がけているのだという。実際に店内に入ると雅な香りが広がるが、そのなかにほんのり森の木々に囲まれているかのような自然の気配を感じる。ちなみに、香りは「嗅ぐ」ではなく、「聞く」というが、これはまるで香木の声を聞くかのように、「香りに心を傾け、じっくりと鑑賞する」ことによるのだとか。山田松香木店のお香は、まさに調香された香原料一つひとつの声に耳を澄ましたくなるような、そんな奥深い香りだ。

香木そのものから線香、匂袋、香炉まで、香りにまつわる商品がそろう} 香木そのものから線香、匂袋、香炉まで、香りにまつわる商品がそろう

色とりどりの巾着型の匂袋。生地は友禅506円と金襴715円の2種あり、香りもそれぞれ異なる} 色とりどりの巾着型の匂袋。生地は友禅506円と金襴715円の2種あり、香りもそれぞれ異なる

季節を映す京都らしさあふれる香り

店構えを大きくし、現在のような店頭販売を始めたのは、20年ほど前のこと。以来、地元をはじめ、観光客も足を運ぶ人気のお店だ。お土産として定番人気なのは、「花京香 12ヶ月印香揃え」。1月は松、2月は梅、3月は桜……という具合に、12か月それぞれのお花をイメージしたお香で、まるでお干菓子のように、12種のお花をかたどっている。火をつけてしまうのがもったいないほどのかわいらしさで、プレゼントにもぴったりだ。

「花京香 12ヶ月印香揃え」990円。たとう紙に包まれている} 「花京香 12ヶ月印香揃え」990円。たとう紙に包まれている

また、京都の四季をイメージした「花紋揃」シリーズも評判。春の御所桜、初秋の露桔梗、錦秋の彩紅葉、初春の初梅花と、京都の繊細な四季の移ろいを見事に表現している。それぞれの季節に沿ってたき分けるのもおすすめだが、春に錦秋を、初秋に初春をと、自分の好きな季節を思い出しながらたくのもまたよい。

「花紋揃シリーズ ミニ40本 紙箱入」各990円。燃焼時間は約20分ほど} 「花紋揃シリーズ ミニ40本 紙箱入」各990円。燃焼時間は約20分ほど

「香り」の新展開にも注目

年中行事や季節のお花をモチーフにしたユニークな匂袋も人気を集める。干支の動物をイメージしたものや端午の節句の鯉のぼりなど、「本当にこれも匂袋?」とひと目見たら心を鷲づかみされるかわいらしさ。玄関や床の間に置いておくと、よい香りが広がるとともに季節のインテリアにもなり、贈り物にもおすすめだ。

季節の変わり目であったこの日は、朝顔と桔梗の匂い袋が共演} 季節の変わり目であったこの日は、朝顔と桔梗の匂い袋が共演

近年では新しい取り組みとして「Yamadamatsu+」シリーズが誕生。こちらは創業が薬種業であったことにちなんで、「薬種そのものにこだわり天然香原料を使用したカラダとココロに優しい『癒やし』」がコンセプト。日常の中に取り入れやすいアロマスプレーやオーガニックソープのほか、ハーブキャンディまでそろう。昔ながらの京飴の手法を大切にしたキャンディで、1粒食べると天然の薬種のやさしい味わいが口いっぱいに広がる。山田松香木店が手がける多彩な「香り」。自分好みを見つけて心と体にやさしい香りに包まれる、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかが。

ハーブキャンディ MIX540円。大茴香、桂皮、艾葉(よもぎ)の3種を楽しめる} ハーブキャンディ MIX540円。大茴香、桂皮、艾葉(よもぎ)の3種を楽しめる

スポット詳細

住所
京都府京都市上京区勘解由小路町164 map map 地図
電話番号
0754411123
時間
10:30-17:00
休業日
年末年始、盆
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、iD、nanaco、WAON、楽天Edy、PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、メルPAY、d払い、auPAY、ALIPAY)

情報提供: ナビタイムジャパン

このスポットを紹介している記事

クチコミ

  • 聞香サロン
    5.0 投稿日 : 2020.01.07
    御所から1本西に入ったところにあるお香専門店。香初体験の友人と香炉の整え方と香の聞き方を体験するコースに参加。自宅でも出来るようにやさしく丁寧に教えてくれる。伽羅のほかに5種を聞く事もできて良かった。香りの微妙な違いに次は三種香や源氏香などの香当ても挑戦したいものだと思った。聞香で癒されたあとに、お菓子とお抹茶まで頂きほっこり。
  • お香体験
    5.0 投稿日 : 2019.05.16
    京都散策に京都らしさを味わうのに、素敵なお店です。聞香体験も出来ますし、お土産品もいろいろあって、楽しめます。店内は綺麗に清掃が行きとどき、店員さんもとても丁寧です。御所の近くにあり、御所散策のあとに立ち寄るのもおすすめです。
  • 京都御苑の後に
    4.0 投稿日 : 2018.10.06
    お手頃な少量袋での香木や、防虫香、抹香、線香などが買えました。Suicaなど交通カードでの支払いも可能。御所の蛤門の近くで、お店は1730まで開いているので、京都御所内の建物の見学を終わってからでも。

TripAdvisorクチコミ評価

もっと見る

アクセス

map map 地図

最寄り

          周辺の駅はありません。 周辺のバス停はありません。 周辺の駐車場はありません。 周辺のインターチェンジはありません。

          このスポットを共有

          back

          クリップボードにコピーしました