採茶庵跡
松尾芭蕉が『おくのほそ道』の旅に出た江戸深川の採荼庵
清澄庭園の南を流れる仙台堀川に架かる海辺橋を渡ると右手に採荼庵(さいとあん)跡がある。採荼庵は杉山杉風(すぎやまさんぷう、1647~1732年)の庵室である。杉風は、松尾芭蕉(1644~1694年)の門人で、特に優れた10人の弟子を指す「蕉門十哲」のひとり、経済的な支援者でもあった。家業は幕府御用の魚問屋で屋号は鯉屋といった。1689年(元禄2)の春、『おくのほそ道』の旅に出るひと月前に芭蕉庵を譲渡した芭蕉が仮寓した場所であり、移動距離約六百里(約2400km)旅程約5か月にもおよぶ長旅の起点になった場所である。この採荼庵で門人たちと別れを惜しんだ芭蕉は、舟で隅田川をさかのぼり千住大橋付近の船着場で下船、江戸に別れを告げて奥州へ向かった。近くには、杉風が描いた芭蕉像を元に立体化した芭蕉翁像のある「芭蕉庵史跡展望庭園」や深川芭蕉庵跡に祀られた「芭蕉稲荷神社」などもあるので、「江東区芭蕉記念館」とあわせて芭蕉ゆかりの地を巡るのもよい。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン
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