タカセ 池袋本店

「アーモンドチュイル」は1本(9個入り)1300円。クッキーは東郷青児氏の絵が描かれた缶入りも

大正から令和へと続く店のストーリー

池袋駅東口を出てすぐ。池袋の人にはおなじみの老舗洋菓子店、タカセがある。創業は1920年(大正9)と古く、当初はパンの製造販売店として開業。「森永ベルトラインストアー」というフランチャイズチェーン店として営業したあと、1962年(昭和37)には現在の名称「タカセ」に変更。この名前は創業者である森茂吉さんの出身地が香川県三豊市高瀬町だったことに由来している。今の9階建てのビルに改築されたのが、1978年(昭和53)のこと。本店は年中無休でいつ立ち寄っても買える安心感があり、長く池袋の人たちに親しまれ続けている。池袋本店のほか、板橋店、巣鴨店など全5店舗で営業し、パンは板橋店で焼いて各店舗に届けられる。

池袋駅東口の顔ともいえるタカセの店舗。ビルの1階はパンと洋菓子の販売コーナー

パンや洋菓子のラインナップ

タカセのパンといえば、まず「あんぱん」。創業当時からの定番商品で、北海道産あずきを練り上げた自家製の餡を使用している。オリジナルの食パン「スイートブレッド」や「レーズンブレッド」はふんわりとしてやわらかく、値段は2斤分で200円と格安だ。カステラやスポンジケーキをパン生地で巻いた「カステ」や「アポロ」は懐かしい味わいの菓子パン。焼き菓子のロングセラー「アーモンドチュイル」は、上に載ったアーモンドが香ばしく軽い食感で、ちょっとした手土産に喜ばれる。生菓子では、ブリオッシュ生地をたっぷりのラム酒に浸したレトロな「サバラン」が甘さ控えめの大人のスイーツとして根強い人気だ。

「カジノ」(4本入り400円) は フルーツ入りのホイップクリームとカスタードクリームの両方を楽しめる菓子パン

「バームクーヘン」「マドレーヌ」「ロールカステラ」も昔と変わらないスタイル

喫茶、レストランも朝から夜まで充実

タカセ本店の魅力は、同じビルの中に喫茶室やレストランがあること。2階の喫茶室では朝9時からモーニングのセットメニューを楽しめ、手作りあんみつや種類豊富なパフェも人気がある。3階には洋食レストランがあり、手作りハンバーグやオムライス、ビーフシチューなど昔から変わらない洋食メニューがそろう。9階にも落ち着いた雰囲気のコーヒーラウンジがあり、21時まで営業。池袋の夜景を眺めながらビールを飲んだり、帰宅前にちょっと甘いものを食べに立ち寄るのにちょうどいい。

料理のサンプルが並ぶショーウィンドーも昭和レトロな雰囲気

2階の喫茶室で味わう「クリームあんみつ豆」(700円)。自家製の餡がやさしい味わい

池袋待ち合わせの穴場、コーヒーサロン

意外に知られていないのが、タカセ本店裏手にあるコーヒーサロン。こちらは朝8時から営業しており、パンと飲みもの、サラダなどが付いたモーニングセットが380-450円とお得だ。1階、2階とあわせて約150 席あり、特に2階は広々としていて、駅前での待ち合わせやゆっくりできる店を探しているときにはおすすめだ。ここではブレンドコーヒーが300円と手頃な値段なのもうれしい。

コーヒーサロンの入り口はサンシャイン中央通り沿い。店内にはパンも並び、全商品テイクアウト可