MIYASHITA PARK(ミヤシタパーク)

明治通りと線路の間に立つモダンな複合商業施設だ

テーマによって雰囲気が変わる街づくり

MIYASHITA PARKは渋谷駅の北東側、山手線の線路に隣接して造られた公園、ショップ、ホテルが複合するスポットだ。もともとは渋谷区立の宮下公園が造られていた場所を全面的にリニューアル。時代のニーズにフィットしたハイセンスな街が誕生した。施設の中央を通り抜ける明治通りを境にして「北街区」と「南街区」の2つに分けられた施設は、前者はアウトモール、後者はマーケットが集まったインモールをイメージして展開。既存の公園も屋上に移設されて、リニューアルが実施されている。約90ものショップが各フロアで展開し、南街区1階には昔日の渋谷を思わせる横丁が造られている。テーマによって雰囲気が変わる街づくりが楽しい。

渋谷駅側から見るMIYASHITA PARK

東京初の空中公園として喧伝される

今はMIYASHITA PARKとなった場所に初めて公園が造られたのは1958年(昭和33)のことで、1966年(昭和41)には、増え続ける車への対策として、公園をペデストリアンデッキ上に設け、階下を駐車場とするという大規模な改修が行われ、このときには「東京初の空中公園」と喧伝されて注目された。その後は、渋谷駅に隣接するという抜群のロケーションから、多くの人に親しまれてきたが、公園の利用法をめぐって、市民と行政との間で何度も協議が行われ、その都度マスコミを賑わせる公園でもあった。現在の姿への変貌を遂げたのは2020年(令和2)のこと。7月28日に公園がオープンし、これを追ってホテル、 商業施設がオープンした。

MIYASHITA PARKの全長は330m。街路樹を眺める通路が爽やかだ

ファッションだけでなく、さまざまなテーマを扱うショップ街

MIYASHITA PARKの中核となっているのは、やはり2つの街区に分かれて展開する約90のショップだ。魅惑のブランドショップは北街区1階に展開。ショップは北街区と南街区の2階、3階にも展開。ステーショナリー、スニーカー、アウトドアギアなど、専門性の高いアイテムを扱う店がそろっていることもうれしい。また北街区と南街区の3階には飲食店も並び、こちらはランチ、ディナーに好適だ。エスニックなお店も多いので好みの味をじっくりと選ぼう。屋上階には新装なった宮下公園がある。芝生広場、スケート場、ボルダリングウォール、多目的施設などが並ぶ一角には、コーヒーショップも設けられているので、ゆっくりと時間を過ごすことができる。

スイスのアウトドアブランド「マムート」は人気ショップ

渋谷発の雑貨、菓子などが勢ぞろいする「ザ シブヤ スーベニア ストア」

じっくり歩いて渋谷の街を理解しよう

「若者の街」という呼び名がすっかり市民権を得た感のある渋谷だけに、近隣にはともに訪ねてみたいスポットが無数にある。短い時間でまわり切ることは到底不可能だから、じっくりと渋谷を楽しみたいなら、現地に宿泊するのがいちばん。もちろん、「sequence MIYASHITA PARK」に泊まることがベストチョイスとなるが、少し離れた私鉄沿線、地下鉄沿線に宿を取り、違う角度から東京を眺めてみるのもおもしろい。渋谷は、ここを大山街道が通っていたことから駅が造られて発展したが、もともとはその名のとおり、谷の底にあった場所。駅周辺をじっくりと歩き、どの方向にも坂が延びる独特の地形を理解すれば、渋谷の街巡りがさらに楽しくなるはずだ。

渋谷に泊まって渋谷をじっくり散策しよう。写真は渋谷駅前スクランブル交差点