かづのふるさと学舎

鳥のさえずり、虫の鳴き声、渓流のせせらぎ、ときには鹿など野生動物の姿を見ることも。大自然のなかにたたずむ、昔懐かしい小学校の旧校舎

手作り体験や川遊び。大自然のなかで思いっきり楽しむ

2008年(平成20)に閉校した旧中滝小学校が、交流体験の拠点施設として2010年(平成22)に生まれ変わった。50年以上の歴史をもつこの小学校には、地域の歴史や数々の思い出がたくさん詰まっている。昔懐かしい木造校舎をそのまま活用し、各教室を「森のcafeこもれび」「森の談話室」「食の工房(調理室)」「森の工房」として、周辺の森で採れた木の実や枝を使ったクラフト作りや、石窯を使用したピザ作りなどの体験ができるようにした。大湯川の渓流沿いに立っているため、どの部屋にいてもサラサラと心地よいせせらぎが聞こえて気持ちが癒やされる。川のそばまで下りていける場所もあり、夏には水遊びをする親子の笑い声が聞こえてくる。

「森のcafeこもれび」のメニューは、黒板に書かれていて微笑ましい

山田孝之が監督し、全編秋田県で撮影された映画『デイアンドナイト』に登場する児童養護施設のロケ地にもなった

地元食材をふんだんに使ったオリジナルメニュー

森のcafeこもれびでは、周辺で採れる山菜やキノコ、敷地内で育てた野菜などの旬の食材、そして、かづの短角牛(たんかくぎゅう)、八幡平(はちまんたい)ポーク、比内地鶏(ひないじどり)などといった地元の特産品を使ったメニューを味わうことができる。地元の食材をぜいたくに味わい尽くす「中滝御膳」「こもれび弁当」をはじめ、かづの牛肉をたっぷり170g使用したジューシーなハンバーグをおろしポン酢で味わう「かづの牛ハンバーグセット」、比内地鶏のもも肉と卵を使った「比内地鶏親子丼」などが人気だ。ドレッシングやソースは、既製品を使わずすべてシェフが手作りしている。素材の味を引き立てるよう一つひとつていねいに調理されているのが感じられ、味わううちにお腹も心も満たされていく。

山菜や地鶏、煮物などいろいろ楽しめる小鉢、天ぷら、焼き魚、ご飯、汁物、サラダ、デザートが付いた「中滝御膳」(2日前までに要予約)

天気のよい日はテラス席で食べるのも気持ちがいい

ケビン棟に泊まってワーケーションも

敷地内にはケビン棟が3棟あるほか、キャンプをすることもできる。BBQ用品の貸し出しもしているので、家族や友人とアウトドアを楽しむのもおすすめだ。Wi-Fiがあるのでワーケーションができるのも魅力のひとつ。静かな環境で仕事に集中し、疲れたら周辺を散策して体をほぐそう。また、滝巡りの拠点としてここに立ち寄る人も多い。上流に「湯の又の滝」「銚子の滝」「錦見の滝」、下流に「中滝」「止滝」があり、車や徒歩で滝の近くまで行くことができる。ダイナミックな水量のある滝や、高さのある優雅な滝など、どの滝もそれぞれに特徴があって美しい。マイナスイオンを浴びてリフレッシュしたあとは、大湯温泉郷まで足を延ばしてみるのもいいだろう。

ケビン棟には、ミニキッチンが付いていて自炊が可能。渓流に向けてバルコニーがあり、部屋はこぢんまりしているが開放感がある

すぐ近くにある中滝。水しぶきを感じるほど近くまで歩いていくことができる