天寧寺(五百羅漢)
井伊家が代々心の拠りどころとした禅寺で出合う、圧巻の五百羅漢
城下町を一望する佐和山の中腹へ
関ケ原の戦いで徳川方として勝利を得、彦根藩初代藩主となった井伊直政が、敗者・石田光成の居城であった佐和山城に入り、山中にあった庵に生母を供養する位牌を安置したのが天寧寺の起源だ。彦根城下において宗徳寺の名で守り継がれたが、11代藩主で井伊家中興の祖となった名君・井伊直中の世となり、元の佐和山に移転。直中が自身の過失で手打ちにしてしまった腰元(侍女)と初孫の菩提を弔うため、禅宗の名僧を迎えてこの地に創建したと伝わり、のちに井伊家安寧への願いを込めて現在の名に。開かれた寺ではなく、代々井伊家の心の拠りどころとして存在した、極めてプライベートな寺だったようだ。そんな天寧寺へのアクセスはJR琵琶湖線彦根駅から徒歩20分ほど、彦根城からは南東方面へ約2km強の位置にある。駅の東口から国道8号線を越え、彦根ICへ向かう道に立つ案内板を目印に、住宅地を抜けて佐和山の中腹へと向かおう。
仏殿の五百羅漢と対面
天寧寺の境内南側に構える建物が「五百羅漢」で名高い仏殿(羅漢堂)、その北側に本堂が連なる。拝観可能なエリアでいちばんの見どころといえば、やはり仏殿。直中が京都の大仏師・駒井朝運(ちょううん)とその弟子たちに彫らせた五百羅漢が圧巻だ。古くから「亡き人や愛しい人に会いたければ五百羅漢に籠れ」と語られてきたほど、探し求める人の顔に必ず出会えるという。一体一体見てみると、にっこり笑顔、おどけた顔、哀愁漂う顔、困った顔、怒った顔、神妙な顔など表情も姿かたちもさまざま。今にも言葉を発したり、動き出したりしそうなほど躍動感にあふれ、眺めるほどに親しみが湧いてくる。五百羅漢と呼ばれるが、本尊の釈迦如来、十大弟子、十六羅漢、五百羅漢をあわせると527体にも及ぶ。
自然豊かな境内を巡り歩く
鳥のさえずりが響く自然豊かな境内は、秋になると萩の花が楚々と咲くことから、萩の寺とも称されており、桜や紅葉の隠れ名所でもある。直中の子(十四男)であった直弼は、不遇の埋れ木舎時代、父をしのんでかたびたび天寧寺を訪れたといい、直弼とのゆかりも深い。桜田門外の変で襲撃されたときの血染めの土や衣装など直弼の遺品を埋めた供養塔のほか、直弼の参謀格だった長野主膳義言(ながのしゅぜんよしとき)の墓、直弼の恋人だった村山たか女の句碑なども点在。毎年3月28日には、桜田門外の変の当日、直弼が乗った駕籠(かご)に敷いてあった「最後の座布団」や、直中、直弼の肖像画が特別公開される。本堂(最勝殿)前に広がる枯山水庭園「羅漢石庭」は、京都の大徳寺・大仙院書院中庭や妙心寺・退蔵院の池泉庭園「余香苑」などで知られる昭和の名作庭家・中根金作によるもの。また、境内奥には当時のままの書院や直弼好みの石州流庭園も残っており、いつの日か特別公開を期待したい名園だ。
スポット詳細
- 住所
- 滋賀県彦根市里根町232 地図
- エリア
- 湖東・彦根エリア
- 電話番号
- 0749225313
- 時間
- 9:00-16:00
- 休業日
- 不定休
- 料金
- [拝観料]400円
- 駐車場
- あり(20台)
- クレジットカード
- 不可
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- すべてが揃っている五百羅漢は圧巻
- 彦根インター近くにあり、車で行くのが良い。ここの五百羅漢はすべてがそろっており、圧巻。一見の価値あり。
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- 彦根の隠れた穴場(?)宗教美術好きの方にオススメ
- 彦根駅から徒歩で15分くらい、住宅街を抜けた小高い場所にある小さなお寺さんです。供養塔があるなど井伊直弼関連で有名だそうですが、個人的には五百羅漢を見学したくてお邪魔しました。駅の反対側出口は彦根城へ行く方なので、こちら側にはあまり人が降りないらしいのですが、それが奏してか静かにゆっくり見学&参拝させて頂きました。また小高い場所なので、庭から見える彦根城も絶景です。お寺さんに使って良い言葉かど...
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- 五百羅漢見応えあり
- 駐車場完備です。入り口で入場料を支払います。子供料金あります。五百羅漢は圧巻。自分に似た者を探してしまいます。
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