小坂鉱山事務所

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日本一の鉱産額を誇った小坂鉱山事務所の建築美を鑑賞

1905年(明治38)7月に小坂鉱山事務所は誕生した。細部にまで配慮された建築美は当時の繁栄を物語っており、観光地として生まれ変わった今でも人々を魅了し続ける。人気のお土産品コーナーでは地元の小坂七滝ワインも購入可能だ。

洋館の意匠を凝らして建設された小坂鉱山事務所は2001年(平成13)に現在の場所に移築復元された} 洋館の意匠を凝らして建設された小坂鉱山事務所は2001年(平成13)に現在の場所に移築復元された

計算され尽くされた建築美を楽しむ

小坂鉱山事務所は、小坂ICを降りて3分ほど走った場所にある。白を基調とした外観は圧巻。エントランス上部は、藤の花と田の文字を模した透かし彫りで、刺繍かレース網みのような繊細なデザインが施されている。入館すると目の前に現れるのは1階から3階まで続く螺旋階段だ。柱に使われているのは秋田杉で、階段部分にはケヤキが使われている。細部へのこだわりはすばらしく、手すりは木を曲げた状態で削っていき、何本もつなぎ合わせて作られている。客を迎える建物入り口から螺旋階段は3階の所長室へと続く。小坂鉱山は江戸末期に二度の官営を経て、1884年(明治17)に当時の藤田組に払い下げられた。この建物の設計は、藤田組工作課の北湯口勇太郎氏と推定されている。

2階のバルコニーから天井を見上げると模様を見やすい} 2階のバルコニーから天井を見上げると模様を見やすい

小坂鉱山事務所の最も特徴的といわれる螺旋階段。撮影スポットとしても人気} 小坂鉱山事務所の最も特徴的といわれる螺旋階段。撮影スポットとしても人気

館内に230個以上ある開閉式の窓は、金属ベルトと重りの仕掛けで開き具合を調整できる} 館内に230個以上ある開閉式の窓は、金属ベルトと重りの仕掛けで開き具合を調整できる

小坂鉱山事務所が繁栄した理由

小坂鉱山の技術開発は、1873年(明治6)日本政府から招かれたドイツからの鉱山技師クルト・ネットーが赴任したことに始まる(当時鉱山の技術はヨーロッパのほうが進んでいた)。ネットーの在籍期間は4年ほどだったが、勤勉で大変有能な製図者で小坂鉱山の近代化に大きな業績を残したとされている。その後小坂鉱山は「黒鉱」という銅や金、銀を含んだ鉱石から金属を取り出す製錬方法を確立し、1907年(明治40)には日本一の鉱産額を誇った。ネットーは小坂の人たちと積極的に交流し、人々の暮らし、風俗、風景など多くのスケッチを残している。なかでも1873年(明治6)に描かれたクリスマスパーティの様子を描いた水彩画は、貴重な文化資料にもなっている。

ネット-が残したクリスマスの絵にちなみ、小坂鉱山事務所周辺では毎年クリスマスマーケットが行われている} ネット-が残したクリスマスの絵にちなみ、小坂鉱山事務所周辺では毎年クリスマスマーケットが行われている

ドレスを着て館内で撮影会を行おう

ここではモダンな館内を利用した撮影会を行える。ウェディングドレスとイブニングドレスが7〜17号まで用意されており、女性客に人気がある。子ども向けの衣装や紳士用もあるため、ご家族、仲間同士で、螺旋階段やバルコニーで記念の1枚を撮影できる。衣装の貸し出し料金は1500円で、3日前までの予約が必要。カメラの貸し出しは行っていないので、持参のカメラやスマートフォンを使っての撮影となる。ほかにも館内の歴史や建築についてガイドを付けて見学も可能(2週間前までに要予約)。

衣装に合わせたコサージュや帽子、ブーケもそろっているので手ぶらで来て撮影ができる} 衣装に合わせたコサージュや帽子、ブーケもそろっているので手ぶらで来て撮影ができる

お土産にご当地ワインをどうぞ

館内1階にある「明治百年堂」では地元のお土産品や秋田名物比内地鶏を使ったお菓子などのお土産品を豊富にそろえている。なかでも、2017年(平成29)10月にオープンした「小坂七滝ワイナリー」のワインは大人気だ。日本ワインとは、原料に国内産のぶどうを使用し国内で造られたワインをいう。小坂町では、1988年(昭和63)から冷涼な気候や火山灰土壌に適作な山ぶどう系品種を栽培。醸造も行い、今では町の特産品として販売されている。事務所の見学は有料だが、店舗のみの利用は無料となっている。ドライブやツーリングの休憩に立ち寄るスポットとして利用する人も多い。

日本固有の山ぶどう系品種にこだわり醸造した日本ワイン。} 日本固有の山ぶどう系品種にこだわり醸造した日本ワイン。

スポット詳細

住所
秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山字古館48-2 map map 地図
電話番号
0186295522
時間
9:00-17:00
休業日
不定休、年末年始(12/29-1/3)
料金
[入館料]大人380円、小・中学生200円
※15名以上の団体料金あり
※康楽館、レールパークとの共通券あり
駐車場
あり(80台)
※康楽館と共通の駐車場
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、nanaco、WAON、PayPay)
Wi-Fi
あり(FLETS-PORTAL)
コンセント口
なし
喫煙
不可
平均予算
【昼】1-1,000円
備考: お土産売店・レストラン有り(レストラン:4月下旬-11月上旬)
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 国重要文化財に指定されている、華麗な建築
    5.0 投稿日 : 2021.07.17
    文明開化の最先端、小坂の町のシンボル。旧小坂鉱山事務所。壮麗な建築で、ルネッサンス様式のオフィスビル。共通券を購入して見学。螺旋階段やサラセン風のバルコニーが見所。所長室も要見学です。
  • ファンです
    5.0 投稿日 : 2021.06.22
    なぜだか?こちらの施設が好きです。昔、鉱山で栄えていた小坂町が夜も東京のように明るく栄えていた時代にロマンを感じます。その時代に戻って、見てみたいといつも感じます。小坂に行くと、いつも行ってしまいます。
  • 2001年に移転復元されました
    4.0 投稿日 : 2020.04.16
    もともとの事務所は1997年まで使用されていたそうですがその後解体されたそうです。ルネサンス建築の当時としてはモダンな建物てすが館内への入場は有料です。

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アクセス

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