史跡根城の広場

城/城址

南部地方の郷土玩具「八幡馬」の絵付けに挑戦しよう

約300年もの長い間、八戸の中心だった根城。その史跡公園では、郷土玩具などを手作りできる体験工房が開かれている。八戸の歴史や文化に触れつつ、旅の思い出にオリジナルグッズ作りに挑戦しよう

体験工房では、八戸民俗芸能「えんぶり」のミニチュア烏帽子(左)作りや、八幡馬(右)のデコレーションなどにチャレンジできる} 体験工房では、八戸民俗芸能「えんぶり」のミニチュア烏帽子(左)作りや、八幡馬(右)のデコレーションなどにチャレンジできる

青森県伝統工芸品に指定された八幡馬

根城は、鎌倉時代後期から南北朝時代にかけて活躍した武将・南部師行(なんぶもろゆき)が、1334年(建武元)に築城した。現在は史跡公園として当時の様子を今に伝えている。その根城の一角にあるのが、八幡馬(やわたうま)の絵付けに挑戦できる「体験工房」。八幡馬は、約750年前に作られた木彫りの馬が元祖で、市内にある南部氏総氏神の櫛引八幡宮(くしひきはちまんぐう)の祭礼の際に、参拝者へのお土産として売られるようになったことから「八幡馬」と呼ばれるようになったそうだ。体験は、伝統的な赤または黒の馬に模様を描く「クラッシックコース」1500円と、白く小さな八幡馬にラインストーンやカラーペンでデコレーションする「アレンジコース」2000円の2コースがある。今回は「クラッシックコース」を体験。最初に馬の色を選んだら、地元の盆踊りの定番曲という、三波春夫氏の『八幡馬のうた』をBGMに体験スタートだ。

八幡馬は、福島県の三春駒(みはるごま)、宮城県の木下駒とともに郷土玩具の日本三大駒に数えられる} 八幡馬は、福島県の三春駒(みはるごま)、宮城県の木下駒とともに郷土玩具の日本三大駒に数えられる

小学生でも簡単にできる工夫がいっぱい

まず千代紙を馬の胸部分に3か所、さらに背と胴体に貼っていく。この体験では、馬のサイズにあわせた千代紙模様のシールが用意されているので、子どもでも貼り付けは簡単だ。「このあと白い絵の具で、顔や胴体に点を打っていきます。見本と比べながらそのスペースを空けて貼りましょうね」と、作り方を教えてくれる金濱久子さんからアドバイスがあった。八幡馬は、輿入れ(嫁入り)の際、花嫁を乗せる馬の正装した様子を表しているそうだ。千代紙模様のシールを貼り終わったら、いよいよ絵筆に持ち替えて、点を打とう。「まずは新聞紙の上などで練習しましょう。少し厚めに絵の具を置くように筆を運ぶと、仕上がりがきれいですよ」と金濱さん。絵の具は乾くまで時間がかかる。うっかり触らないように注意しよう。

見本と見比べながら、千代紙模様のシールをペタペタと貼っていく。このあとの絵付けも想定しながら貼り付けていこう} 見本と見比べながら、千代紙模様のシールをペタペタと貼っていく。このあとの絵付けも想定しながら貼り付けていこう

点を打ったあと、絵の具をうっかりこすって汚すことがないよう、適宜ドライヤーで乾かしてくれる} 点を打ったあと、絵の具をうっかりこすって汚すことがないよう、適宜ドライヤーで乾かしてくれる

失敗もOK!体験することで広がる旅の思い出

お尻、胴体側面、そして顔と順番に点を打ったら、最後に手綱(たづな)と鐙(あぶみ)を同じく白い絵の具で描けば完成……と思ったら、見本と比較すると何やら様子がおかしい。どうやら線の本数を間違えてしまったようだ。「失敗した」と肩を落としていると、金濱さんはすかさず「ここでは、自由な発想で八幡馬を作っていいんですよ」と励ましてくれた。本来の姿とは違うが、こういった失敗談も旅の思い出になるだろう。体験工房では、八幡馬の絵付けやデコレーションのほか、八戸の民俗芸能「えんぶり」の際に被る烏帽子のミニチュアを作る「えんぶりミニミニ烏帽子作りコース」800円もある。えんぶりは2月に行われ「春を呼び、豊作を願う祈りの舞」ともいわれている。「えんぶりにはいろいろな演目があって、小さな子どもからお年寄りまでみんな参加できるのよ」と金濱さん。ここ、根城の広場もえんぶり会場の1つだそうだ。

本来は2本線で手綱と鐙を描くのだが、3本線になってしまった。絵の具も盛り過ぎてしまったように見えるが、これも手作りの味だろう} 本来は2本線で手綱と鐙を描くのだが、3本線になってしまった。絵の具も盛り過ぎてしまったように見えるが、これも手作りの味だろう

全国唯一、安土桃山時代の建造物が見られる

1627年(寛永4)に、南部氏は岩手県の遠野に領地替えとなったが、それまでの約300年は、ここ八戸が南部地方の中心だった。「史跡 根城の広場」には、南部家当主が儀式を執り行った主殿を中心に、工房や納屋などが当時の小道具とともに再現されている。「建物は長い月日の間に改修されてしまいますが、その痕跡をもとに最初の姿に戻すことを『復原』といいます。根城は安土桃山時代の建物が復原されています。詳細な発掘調査に基づいた中世城郭の建物の復原は根城が国内第1号。今は規制が厳しくなり、建物の復原は難しいので、本当に貴重な史跡なんです」と学芸員の方。「史跡 根城の広場」は八戸市博物館に併設されており、博物館では根城の発掘資料なども展示している。一緒に来訪すれば、南部地方の歴史にもより詳しくなれるはずだ。

緑の芝生が美しい史跡公園として整備されており、敷地はかなり広い。体験工房は公園の入場受付のすぐ近くにある} 緑の芝生が美しい史跡公園として整備されており、敷地はかなり広い。体験工房は公園の入場受付のすぐ近くにある

主殿の広間では「正月十一日」の儀式の様子を再現。ほかの建物にも当時の道具などが並び、どれも見ごたえがある} 主殿の広間では「正月十一日」の儀式の様子を再現。ほかの建物にも当時の道具などが並び、どれも見ごたえがある

スポット詳細

住所
青森県八戸市根城根城47 map map 地図
電話番号
0178411726
時間
[本丸のみ]9:00-17:00(最終入場16:30)
休業日
月(第1月、祝を除く)、祝の翌日(土日祝を除く)、年末年始(12/27-1/4)
料金
[本丸内]一般250円(130円)、高大学生150円(80円)、小中学生50円(30円)
※括弧内は団体料金(20名以上)
※市内の小中学生は無料。高齢者(市内の65歳以上)、障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は半額
駐車場
あり
クレジットカード
不可
Wi-Fi
あり(nejocastle)
コンセント口
なし
喫煙
不可
英語メニュー
あり
平均予算
【昼】1-1,000円
滞在目安時間
60-120分
車椅子での入店
史跡の地形、復原建物の構造上、通行が難しい箇所あり
乳幼児の入店
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

クチコミ

  • 根城址
    4.0 投稿日 : 2021.07.28
    中世の城館根城の跡を公園として整備した場所です。公園内は非常にきれいに手入れが行われていました。復元された本丸部分は入場料が必要ですが、それ以外は無料で散策できます。
  • 中世の城郭を利用した公園
    4.0 投稿日 : 2021.06.20
    南北朝時代に南部師行が築城した「根城」の城跡18万平方メートルがそのまま公園になっている。入り口の旧八戸城東門をくぐると良く整備された芝生の緑が広がる。果樹のほか、しだれ桜が150本以上植えられていて、春には花見スポットとして賑わうそうだ。一本道を進めば、右手に東善寺跡と薬草園、さらに歩くと土塁・空堀と柵に囲まれた本丸がある。復元された本丸エリアは有料。入り口付近に八戸市博物館があり、南北朝時代...
  • 数少ない中世の城跡が復原されています
    4.0 投稿日 : 2019.10.07
    100名城のうち、95城目の登城!隣接の博物館で家祖南部氏について学べます。発掘調査に基づいて復原された堀、建物などが整備されています。各施設に簡潔な説明パネルも備えられ興味深くみれます。JR八戸駅からは南部バスで10分ほどで、河岸段丘に沿って造られた城跡が見れます。

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アクセス

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