大谷寺(大谷観音)
空海の作と伝わる日本最古の石仏
最新の研究でバーミヤン石仏との共通点も確認されているという千手観音像
千の手で生きとし生ける者を救う千手観音
天台宗寺院である大谷寺は、大谷石の凝灰岩層による洞穴に包まれるように存在する、国内でも極めて珍しい名刹。大谷観音はその本尊で、平安時代、空海によって掘られたと伝えられている。寺院としての始まりは定かではないが、本尊が掘られたとされる頃には、人々の信仰の対象となっていたと考えられる。岩壁に彫られた高さ4mにもなる千手観音を本尊として、鎌倉時代には坂東19番の霊場となり、たくさんの人々から尊崇されてきた。千の手と千の目を持ち、生きとし生けるものを見守る千手観音。ありがたい気持ちを持ってお参りしよう。
境内にある弁天堂。空海により退治された毒蛇が改心して白ヘビとなり仕えたという言い伝えが残る
「大谷磨崖仏」として国の特別史跡に指定
大谷寺には本尊の大谷観音に加え、釈迦三尊像・薬師三尊像・阿弥陀三尊像の計10体の石仏がある。大分県にある臼杵磨崖仏(うすきまがいぶつ)に対して「東の磨崖仏(まがいぶつ)」と称される石仏群で、その秀でた技巧と学術的・歴史的価値の高さから、1954年(昭和29)には国の特別史跡に指定された。さらに1961年(昭和36)には国の重要文化財にも指定されている。まさに石仏の宝庫である。
宝といえば、併設の宝物館にも注目だ。大谷寺の周辺ではその昔、縄文人が暮らしていた痕跡が確認されており、現在国内で出土しているもののなかで最古、約1万1000年前と推定される人骨を展示している。ほかにも1万年前に使用されていた土器や動物の骨といった貴重な出土品を紹介しているので、ぜひ立ち寄ってみて。
横臥屈葬(おうがくっそう)という、体を折り曲げた状態で埋葬されていた、縄文最古の人骨
まだある! 大谷寺の必見スポット
大谷寺の境内にもうひとつ、すばらしい観音像がある。太平洋戦争戦没者の供養と世界平和を祈願して、すべて手彫りで造られた「平和観音像」だ。見た瞬間に驚いてしまうその高さはなんと27m。大谷石採掘場の壁面を生かして彫られたもので、東京芸術大学教授が制作を手がけ、大谷の石工が彫刻を施した。着工から1954年(昭和29)に完成するまで6年。1956年(昭和31)には日光山輪王寺の大僧正により、開眼供養が行われている。大谷寺仁王門から徒歩5分ほど、大谷寺の境内だが、宇都宮市が管理しており自由に見学できる。その先は大谷石の岩肌と自然が織りなす公園として、市民の憩いの場となっている。大谷観音参拝後はここでひと休みしては。
スポット詳細
- 住所
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栃木県宇都宮市大谷町1198
地図
- エリア
- 宇都宮エリア
- 電話番号
- 0286520128
- 時間
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【拝観時間】
[4-9月]8:30-16:30(最終受付16:10)
[10-3月]9:00-16:30(最終受付16:10) - 休業日
- 木(祝は営業)、12/26-12/31
- 料金
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【参拝料】
[大人]500円
[中学生]200円
[小学生]100円
【参拝料(団体割引 ※25名以上)】
[大人]400円
[中学生]150円
[小学生]70円 - 駐車場
- あり(50台、大型バス用駐車場3台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 英語メニュー
- あり(ホームページ、リーフレット)
- 滞在目安時間
- 0-30分
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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