明治百年通り
歴史と技術に思いを馳せて明治百年通りを巡ろう
歴史を知り緑を眺めながらの散歩を楽しむ
小坂町は「アカシアの町」とも呼ばれている。それは小坂鉱山が繁栄していた明治から大正時代、煙害対策としていちばん煙に強く繁殖力の高いアカシアの木が植えられたのが始まりだった。建設された明治頃の考え方としてはとても近代的で、鉱山運営を行うのと同時に植樹も行ったそうだ。そのほかにも、鉱山の工業廃水と町民が使う水が混在しないように水路を作ったとされる。また、桜の名所とも知られており青森県弘前市よりも遅く開花するため、季節によってはゴールデンウィーク後半が見頃となる。
場所を借りることもできる国登録有形文化財
明治100年通りのコンセプトは「使ってこそ文化財」。小坂町では小坂鉱山事務所が2001年(平成13)に小坂鉱山入り口から現在の場所へ移築復元が完了すると、 全国や世界から多くの観光客を受け入れてきた。小坂鉱山事務所の横に位置する「天使館(てんしかん)」は、かつて幼稚園と保育園として使われていた。その役目を終えたあとは、多目的ホールとして地域文化活動の拠点になっており、空手やピアノの練習場所として現在も地元の人々に愛されている。通りに点在する噴水やモニュメントを眺めながら、整備された遊歩道をのんびり散策するのも楽しみのひとつだ。
改装した赤煉瓦建築でいただく名物ソフト
小坂鉱山事務所と康楽館の間に位置する歴史的建築「赤煉瓦倶楽部(あかれんがくらぶ)」(12月下旬から4月上旬の冬季休業)。ここはかつて発電所として活躍した建物で、街へ明かりを灯すとともにたくさんの工場設備を動かしていた。小坂鉱山は明治の日本では珍しく電気を自給自足していたという。木の柱とレンガで組み上げた木骨煉瓦造の建造物はたいへん珍しく、小坂鉱山から移築改装して「赤煉瓦倶楽部」としてよみがえった。ここでぜひ食べてほしいのがバニラ味のソフトクリームで、希望するとあかしあのはちみつをかけてくれる。「康楽館」で芝居を見たあとにここへ立ち寄り休憩する観光客も多いのだとか。
周辺には有形文化財に泊まれるホテルも
明治100年通りで楽しんだあとには、車で40分ほど走った場所にある「十和田ホテル」(営業期間4月下旬-11月上旬、冬季休業)に泊まってみてはいかがだろうか。1940年(昭和15)に開催される予定だった東京オリンピックを目前に、1939年(昭和14)に外国人観光客を受け入れる宿として政府の要望で建てられたホテルのひとつ。ところが戦争の影響でオリンピックは中止となり、開業以降、戦中や戦後の緊張、苦難を乗り越えることとなった。木造の建物には秋田杉がふんだんに使われている。各部屋ごとに違う大工に建築を依頼することで腕を競わせたという。客室からは十和田湖を眺められ、歴史ある空間でゆったりとくつろげば旅の疲れも癒やされる。
スポット詳細
- 住所
- 秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山 地図
- エリア
- 十和田八幡平・白神エリア
- 駐車場
- あり
情報提供: ナビタイムジャパン