西大寺

寺院

東塔跡の巨大な礎石に創建当初の伽藍をしのぶ

奈良時代には文字通り東の東大寺に対する西の大寺の官大寺であった。反乱鎮圧を四天王に祈る称徳天皇の願いをルーツにもつ寺院であったが、焼失と復興の歴史のなか、鎌倉時代以降は真言律宗の中心道場となった。

本堂は土壁のない総板壁造 本堂は土壁のない総板壁造

称徳天皇の鎮護国家の祈りから

奈良時代の後半、764年(天平宝宇8)に称徳天皇が鎮護国家のために四天王像の造立を発願したことに始まり、2つの金堂、東西両塔などからなる壮大な伽藍を誇るまでになった。しかし、平安時代に再三の災害でたちまちのうちに衰退してしまった。鎌倉時代の中頃に、僧・叡尊(えいそん)が復興にあたり、創建当初とはまた異なった、真言律宗の根本道場として伽藍を再整備した。しかしまた、室町時代の戦火で多くの堂塔を失うことになるが、残された堂宇、寺宝や法要などから鎌倉以降の寺のありようは今にはっきりと伝わっている。とはいえ、創建当初の奈良時代の貴重なゆかりも残っているので見落とさないようにしたいものだ。

本堂から見た東塔跡、礎石の大きさに驚く 本堂から見た東塔跡、礎石の大きさに驚く

西大寺に奈良時代を訪ねて

「西大寺始まりのお堂」と称される四王堂。四王とはすなわち四天王。称徳天皇は藤原仲麻呂の乱の平定祈願とそののちの国家鎮護祈願とで四天王造立を発願した。ここから西大寺の創建へとつながっていく。当時の四王堂の建物も像もすでに焼失してしまっているが、4体の邪鬼は唯一創建当時の奈良時代のものが残る。スポットライトがあたった邪鬼の姿は実におおらかで天平彫刻の特徴がよく表われている。建物自体は江戸時代に再建されたもの。基壇は創建当初のものだが、現在の堂に対してひと回り広く、創建当初の堂はもっと大きかったことがわかる。

基壇の内側に建つ江戸期再建の四王堂 基壇の内側に建つ江戸期再建の四王堂

真言律宗の根本道場として

奈良時代の創建時とは趣を異にして、鎌倉時代からは密律兼修の根本道場として法灯を守り続けてきた。本堂は別名光明真言堂とも呼ばれ、毎年10月3日から5日まで「光明真言土砂加持大法会(こうみょうしんごんどしゃかじだいほうえ)」が執り行われる。西大寺にとって最大の行事であり、このときは五色(ごしき)の幕に覆われ、内陣の床には畳が敷き詰められるなど、特別荘厳な姿となる。この法会は中興の祖、叡尊以来750年以上続いていて、一門の僧侶が何をおいても参勤すべき重要なものとされている。3日間を通して昼夜を問わず、ひたすら光明真言の修法が行われ、毎年、熱心な参拝者が祈りのときを過ごしている。

不動明王を本尊とする護摩堂 不動明王を本尊とする護摩堂

形を変えて続く大茶盛(おおちゃもり)

西大寺といえば忘れてはいけない、春と秋の大茶盛。これも叡尊が鎮守八幡神社に献茶をし参拝者にも余茶をふるまったことが起源とされている。直径40cmほどの大茶碗を両脇の人に助けてもらい、そして次の人へと回して飲んでいく様子を報道などで見たことのある人も多いだろう。2021年(令和3)現在は昨今の状況の変化を受けて、1人で持てるサイズの茶碗になっている。一日も早く事態が収束し、大茶碗で「一味和合」を体感できる日が戻ってくることを願うばかりだ。変わらぬことや変わること。奈良時代創建の西の大寺は駅からも近く、町なかに溶け込むように立っているが、遥か創建当時からひたすらに祈り続けてきたのだ。

町なかにありながら静けさが広がる 町なかにありながら静けさが広がる

スポット詳細

住所
奈良県奈良市西大寺芝町1-1-5
電話番号
0742454700
時間
8:30-16:30
休業日
無休
料金
【本堂】
[大人]800円
[中高生]600円
[小学生]400円
※聖宝館は別途300円(開館時)
駐車場
あり(80台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
英語メニュー
あり(部分的にあり)
平均予算
【昼】1-1,000円, 1,001-3,000円
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
可(部分的に可)
乳幼児の入店
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 東大寺に並ぶ官大寺だった
    4.0 投稿日:2020.10.13
    創建は奈良時代の764年。当時は百十数の堂舎が甍を並べていたが、再三の災害で大伽藍も面影無くなった。主要な建物である本堂も1752年の建立で有る。現在は真言律宗総本山で有る。
  • かつての大寺院
    3.0 投稿日:2020.04.30
    創建当時は南都七大寺の一つとして壮大な伽藍を持つ大寺院であったが、今は住宅地にひっそりと建ちます。また戦火にも巻き込まれ建物は重文とはいえ江戸時代以降のもの。ただし、そこは奈良。見た目の印象とは異なり、多数の国宝や重文を所有しています。
  • あまり注目されていませんが
    4.0 投稿日:2019.12.31
    奈良に東大寺があるなら西大寺もある!平城京を挟んで二つのお寺がかつては肩を並べていたのでしょう。今でも広い境内に立派なお堂が建っていて、なかなか見事なものです。大仏殿はないけれど、インバウンドの観光客の波からはずれて静かに訪れて仏に触れてみるのもいいでしょう。

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