郡山城跡

城/城址

平城京や若草山、葛城山もぐるり見晴らす大城郭

筒井順慶、豊臣秀吉の弟・秀長、柳澤家らが歴代城主を務めた郡山城。城郭中心部は国史跡に指定されている。やぐらや橋などの再建が進み見どころが増す城跡は、緑多い憩いの場としても親しまれている。

郡山城天守台展望施設から。若草山が見える} 郡山城天守台展望施設から。若草山が見える

再建された東隅櫓(ひがしすみやぐら)と追手門

郡山城跡は、奈良県内で最も訪ねやすい城跡といえる。近鉄郡山駅から線路と並行するほぼ平坦な道を北に向かって5~6分ほど歩くと郡山城跡公園の入り口に。線路と濠の奥に、1984年(昭和59)に再建された追手東隅櫓。このやぐらと走行する近鉄電車を1枚に収めようという鉄道写真愛好家も多い。特に春先、やぐらの足元にある枝垂れ桜の大木が、ほかの桜に先駆けて開花する頃の様子は風物詩となっている。ここからやや坂を上ると、築城400年を記念して再建された追手門(竣工は1983)がある。スケール感のある美しい構えを見上げていると、廃城となる前の郡山城がどのような威容を誇っていたのだろうかと想像が広がる。

線路越しに春の郡山城跡の追手東隅櫓を望む} 線路越しに春の郡山城跡の追手東隅櫓を望む

眺望抜群! 天守台からぐるっと奈良見物

天守台に展望施設を整備するために、石垣の積み直しが行われ、2017年(平成29)から一般公開がスタート。ここからの大和郡山市の町並み越しの眺めがすばらしい。北東方向に見える奈良市の若草山。若草山から西方向手前に目を向けると薬師寺、くるっと振り返って西南方向には遠く葛城の山並みなど、視界が360度開けている。展望施設の利用時間は、10~3月/7~17時、4~9月/7~19時。また、この天守台の石垣の一部分に「逆さ地蔵」がある。郡山城の石垣には礎石や塔などから転用された石が多く見受けられるが、「逆さ地蔵」もそのひとつ。天守台の北側面にあるのでぜひご覧いただきたい。

頑丈な野面積みの天守台} 頑丈な野面積みの天守台

天守台の石垣の一部となった「逆さ地蔵」} 天守台の石垣の一部となった「逆さ地蔵」

柳澤神社と柳沢文庫

郡山城の歴史のなかで、江戸時代から明治維新まで代々郡山藩を治めたのが柳澤家だ。初代郡山藩主の柳澤吉里(やなぎさわよしさと)は、現在の大和郡山を支える一大産業である金魚養殖を、甲斐の国(現在の山梨県)からやって来た際に持ち込み広めたとされる。三代藩主・保光(やすみつ)は、赤膚焼(あかはだやき)の再興を手がけたりするなど、藩の文化や産業をおおいに振興した。そして最後の藩主・保申(やすのぶ)は、廃藩で職を失った元藩士のために紡績などの事業を手がけ、教育に私財を投じて近代化に寄与。こうした柳澤家の尽力を伝えるのが、郡山城本丸跡の天守台すぐに鎮座する柳澤神社や毘沙門郭跡にある柳澤家寄贈の書画や資料などを所蔵・公開する柳沢文庫だ。

柳澤神社。後方に天守台が控えている} 柳澤神社。後方に天守台が控えている

柳沢文庫と「郡山城来訪記念証」(御城印)} 柳沢文庫と「郡山城来訪記念証」(御城印)

年中行事や周辺施設にも注目

約800本の桜が植えられ「日本さくら名所100選」に選ばれる郡山城跡。桜シーズンの人気はもとより、「盆梅展」や現代工芸フェア「ちんゆいそだてぐさ」などの催事の会場として利用される際も、多くの人が訪れる。なお、現在の郡山城跡は、天守台周辺や奈良市・興福寺境内から移築された奈良県指定文化財の城址会館(旧県立図書館)周辺がおもな散策エリアとなっている。天守台のある本丸西側にある江戸期に「麒麟郭(きりんくるわ)」と呼ばれた区域を含む前郡山高校城内学舎跡地一帯は「郡山城跡公園」として2024年度完了を目指して整備中で、新たな公園誕生が待たれる。

城址会館と『菜の花の中に城あり郡山』の碑} 城址会館と『菜の花の中に城あり郡山』の碑

スポット詳細

住所
奈良県大和郡山市城内町 map map 地図
電話番号
0743522010
時間
【天守台展望施設】
[4-9月]7:00-19:00
[10-3月]7:00-17:00
※天守台周辺までは自由に散策できます。
休業日
無休
料金
[入場料]無料
駐車場
なし
※近隣駐車場にお停め下さい。
Wi-Fi
あり(FREEWi-Fi)
滞在目安時間
30-60分

情報提供: ナビタイムジャパン

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最寄り

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