野尻湖

湖沼

北信五岳に抱かれる高原の美しい湖

天然の湖としては諏訪湖に次いで長野で2番目の面積を誇る野尻湖。遊覧船から見る黒姫山や妙高山もすばらしく、湖上には神社が鎮座する琵琶島も。ナウマンゾウの化石が多く出土し、現在も発掘調査が続いている。

湖中の琵琶島から眺める野尻湖。新潟県との県境に近く、背後に新潟の妙高山の絶景が} 湖中の琵琶島から眺める野尻湖。新潟県との県境に近く、背後に新潟の妙高山の絶景が

標高654ⅿ地点にある県内2位の広さの湖

長野県北部、信濃町にある野尻湖は、周囲約15km。町のすぐ隣は新潟県妙高市で、湖の西側には妙高山(標高2454ⅿ)も望める。およそ7万年前、黒姫山(標高2053ⅿ)の山崩れによって川がせき止められてできた湖で、入り組んだ湖岸線が芙蓉(ふよう)の花びらに似ていることから芙蓉湖と呼ばれることもある。夏はカヤックやウインドサーフィン、SUP(スタンドアップパドルボード)などの水上アクティビティで賑わい、冬場は雪化粧した山々に抱かれ屋形船でワカサギ釣りも楽しめる静かな表情が魅力。湖畔にはサイクリングのできる野尻湖周遊道路があり、湖で発見されたナウマンゾウの化石を展示する博物館などの寄り道スポットも。「象の小径」というハイキングコースで、湖を眺めながら高低差の少ない約2.5kmの道を歩くのもいい。少し足を延ばせばコスモスで有名な「黒姫高原」、信濃町に生まれた俳人・小林一茶の作品を紹介する「一茶記念館」などの見どころもある。

なだらかな黒姫山(左)と新潟県の妙高山(右)。見守られているような感じでなんとも美しい景色だ} なだらかな黒姫山(左)と新潟県の妙高山(右)。見守られているような感じでなんとも美しい景色だ

大自然に抱かれてクルージングを満喫

野尻湖は深いところで水深38.5mに及ぶポイントもあり、湖水量は諏訪湖をしのぐといわれている。周囲には妙高山、黒姫山、斑尾山、戸隠山、飯縄山の北信五岳と呼ばれる雄大な山々が連なり、湖上から眺める景色もまた格別。ぜひ野尻湖をぐるりと1周するクルーズに乗ってみよう。空調の効いた船室もいいが、大パノラマを満喫できるデッキで過ごすのもおすすめ。ペットも有料で同伴可能だ。信濃富士とも称される黒姫山の美しさに見とれていると、次第に見えてくるのは森のなかに点在する外国人の別荘群。大正時代からこの静かで美しい景観をもつ避暑地のような野尻湖畔にひかれて外国人宣教師たちが移り住み、「野尻湖国際村」が造られていったそうだ。ウォータースポーツを楽しむ人たちを横目に、湖に浮かぶ琵琶島(通称 弁天島)へ到着。ここに15分ほど停泊するので一度船を降り、パワースポットとしても知られる宇賀神社に参拝しよう。創建は730年、奈良時代の僧・行基が御神体を安置したと伝えられ、島全体が境内になっている。再び船に乗って帰港、全約45分のクルージングだ。

定員310名の大型遊覧船「雅」。双胴船なので揺れが少なく快適} 定員310名の大型遊覧船「雅」。双胴船なので揺れが少なく快適

琵琶島に鎮座する宇賀神社。大鳥居に掲げられている書(レプリカ)は勝海舟によるもの} 琵琶島に鎮座する宇賀神社。大鳥居に掲げられている書(レプリカ)は勝海舟によるもの

ナウマンゾウの大迫力に圧倒される

1948年(昭和23)、野尻湖の湖底でナウマンゾウの臼歯が発見されて以降、このエリアでは化石の発掘調査が行われている。ナウマンゾウはおよそ3万年前の氷河期時代まで生息していたゾウの仲間。寒い地域で暮らし全体を長い毛で覆われたマンモスとは系統が違うそうだ。おもな発掘地はクルーズ乗り場近くの湖畔。ボランティア団体が1年おきに発掘調査しており、中高生も大勢参加する。ここで集中して発見される理由については、水流などの自然要因説と、狩猟で得た獲物をここで解体していたからという人為説があり、結論は出ていないとか。

発掘地は水位が高い夏は水中にあり、冬になって水位が下がると湖岸となって現れる} 発掘地は水位が高い夏は水中にあり、冬になって水位が下がると湖岸となって現れる

最初の発見時には暖かい環境で暮らしていたと考えられていたナウマンゾウ。現在では、もっと寒い所にもいたというのが定説になっていて、体毛の長さについても議論されている} 最初の発見時には暖かい環境で暮らしていたと考えられていたナウマンゾウ。現在では、もっと寒い所にもいたというのが定説になっていて、体毛の長さについても議論されている

発掘地のすぐ近くには、発見されたナウマンゾウの化石などの展示や、周辺の自然や歴史を研究している「野尻湖ナウマンゾウ博物館」がある。多くの貴重な化石が並ぶなか、特に注目されているのは、その形状から「月」と呼ばれるナウマンゾウの大きな牙(切歯)と、「星」と呼ばれるヤベオオツノジカの角(掌状角)だ。2つは人為的に並べたように発見されており、古代の人のメッセージが込められているのではないかといわれている。

「月」と「星」の発見現場の再現ジオラマ。シカの角は途中で直線的に切られており、やはり人為的と考えられている。本物の化石も隣に展示されている} 「月」と「星」の発見現場の再現ジオラマ。シカの角は途中で直線的に切られており、やはり人為的と考えられている。本物の化石も隣に展示されている

かつてはこんな巨大な牙をもったゾウがこの辺りを闊歩していた} かつてはこんな巨大な牙をもったゾウがこの辺りを闊歩していた

スポット詳細

住所
長野県上水内郡信濃町野尻 map map 地図
電話番号
0262553226
駐車場
あり(100台)

情報提供: ナビタイムジャパン

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