長野

北信濃

KITA-SHINANO

豊かな自然が広がり、古から続く歴史と文化の息づくエリア

その昔「信濃国(しなののくに)」と呼ばれていた現在の長野県の北部にあたるエリア。山を越えれば、北に新潟県、東に群馬県が位置している。このエリアには、日本一の大河・千曲川が流れ、「北信五岳」と呼ばれる斑尾山、妙高山、黒姫山、戸隠山、飯縄山をはじめとした、雄大な山々がそびえる。ふもとには自然豊かな高原と里山が広がり、豊富な積雪量を誇るスノーリゾートを有するほか、「日本の原風景」ともいえる情景も。また、幕末に多くの文人墨客が訪れた土地として、今も年間100万人を超える観光客で賑わう長野県屈指の観光地「小布施」もこのエリアだ。さらに、野沢温泉、湯田中渋温泉郷、信州高山温泉郷といった古くからの名湯が連なる温泉地のほか、日帰り温泉も多数点在する一大温泉エリアとしても知られている。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    サンクゼール・ワイナリー本店
    信州の豊かな自然と絶景を堪能できるスポット
    サンクゼールは、自社でオリジナルのワイン、ジャム、ソース、ドレッシングなどを製造し、善光寺前にある門前店をはじめ、全国50以上の店舗で販売する人気ブランド。その本店が標高約650mの飯綱町の高台、「サンクゼールの丘」にある。車かバスで訪れることのできる丘にはブドウ畑が広がり、手入れの行き届いた美しいガーデンが出迎えてくれ、一気に外国に来たかのような気分に。店には数々のコンテストで受賞したすばらしいワインがそろう。さらに毎日催行するワイナリーツアーでの醸造場見学や、試飲カウンターでのテイスティングがあり、ワインの奥深さに気軽に触れることもできる。丘の上には、このほか久世福商店本店、ワイナリー、自社フード工場、レストラン、チャペルなど素敵な建物が点在。こちらもぜひ立ち寄ってほしい。
    開放感あふれる丘は見晴らしも良く敷地内にいるだけで心地良い
  • spot 02
    高橋まゆみ人形館
    どこか懐かしい、日本のふるさとに出会える場所
    作家・高橋まゆみによる創作人形の世界と、その舞台であるふるさとの原風景を同時に楽しめる美術館。細やかな人間観察から生み出された人形は、親しみやすい表情ながらも見る人の心を揺さぶる作品ばかり。
    新緑、紅葉、積雪など、四季折々の表情を魅せる庭も見どころのひとつ
  • spot 03
    なべくら高原
    四季を通じて、ブナの里山に広がる大自然で遊ぼう
    標高1289mの鍋倉山を裾野に広がる「なべくら高原」は、長野県飯山市の北端に位置する日本有数の豪雪地帯。豪雪により守られる手つかずの大自然が広範囲にわたって残され、豊かなブナの森が形成されている。
    標高約500mのふもとの畑から望む、穏やかな山容の鍋倉山
  • spot 04
    臥竜公園
    まるで自然の博物館のような都市公園
    動物園を併設する長野県須坂市の総合公園。「さくら名所100選」「日本の名松100選」「長野の自然100選」「信州の夕景色100選」に選定。春の桜、初夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と四季を感じられる憩いの場として親しまれている。
    竜ヶ池の周りには約160本の桜が並び、舞い散る桜吹雪と水面に浮かぶ花いかだも見どころ
  • spot 05
    地獄谷野猿公苑
    厳しくも豊かな自然のなかで暮らすニホンザルの生態に触れる
    長野県下高井郡山ノ内町の地獄谷にある野性のニホンザルの生態の観察ができるスポット。雪のある環境下で生きるサルたちは通称「スノーモンキー」と呼ばれ、世界中から訪れる人々に愛されている。
    子ザルたちのかわいらしい姿も間近で見ることができる
  • spot 06
    SORA terrace
    標高1770m、ロープウェイで雲上の世界へ
    標高1770mからの絶景を楽しめる、長野県北志賀竜王の「竜王マウンテンリゾート」内にあるテラス。条件が合えば眼下に広がる一面の雲海を見渡せるほか、 夕方には北アルプスに沈む夕日を眺められるサンセットスポットに。
    テラスのある山頂付近の夏季平均気温は18℃と涼しい
  • spot 07
    渋温泉
    ノスタルジックな温泉街で湯巡りとそぞろ歩き
    長野県の北東部に位置する「渋温泉」は、開湯1350年という古くから湯治場として栄えてきた歴史をもつ、風情あふれる温泉地。豊富な湯量を誇り、近隣8か所の温泉と合わせ「湯田中渋温泉郷」を形成している。
    毎年恒例の夏祭りの期間中は、毎晩19時半から22時まで歩行者天国に
  • spot 08
    歴史の宿 金具屋
    風格漂う、渋温泉のフォトスポット
    趣のある渋温泉街でひときわ存在感を放つのが、今から約260年前の1758年(宝暦8)に創業した「歴史の宿 金具屋」だ。ジブリ映画『千と千尋の神隠し』に登場する湯宿のモデルとも噂され、渋温泉の名所のひとつとして高い人気を集めている。見どころはなんといっても、木造4階建ての宿泊棟「斉月楼」。毎日19時30分-22時まで外観のライトアップが行われているので、温泉街散策の際にはちょっと立ち止まり見上げてみよう。建物の外観は、宿泊者以外でも撮影可能なので、暗闇のなかで幻想的にたたずむその姿をぜひ写真に収めたい。\宿泊すると「文化財巡り」と「源泉見学ツアー」に参加できるほか、明治-昭和の建築様式の流行を色濃く反映する遊びに満ちた館内の細工を楽しめるのも魅力のひとつだ。
    国の登録有形文化財に認定されている「斉月楼(さいげつろう)」
  • spot 09
    雷滝
    轟音をたてて流れ落ちるダイナミックな名瀑
    長野県上高井郡高山村にある松川本流にかかる。別名「裏見の滝」とも呼ばれ、滝の裏側から流れ落ちる姿を見ることができる。落差約30mの大滝は、息をのむ豪快さ。2003年(平成15)に高山村指定名勝に指定。
    例年11月下旬から4月下旬までは冬季閉鎖となるので注意
  • spot 10
    小布施の町並み
    歴史文化とおもてなしの心が今も息づく美しい景観
    長野県の北東に位置する小布施町は長野県を代表する観光スポット。江戸時代には、交通と経済の要所として栄えた歴史があり、葛飾北斎や小林一茶など、さまざまな文人墨客が訪れた地としても知られる。
    栗の木レンガが敷き詰められている「栗の小径」
  • spot 11
    小布施堂 本店
    栗の郷・小布施で堪能する 和洋の栗菓子
    長野電鉄小布施駅から徒歩約10分。観光の中心地に位置する小布施堂は、小布施町に点在する老舗栗菓子店のひとつ。創業の明治時代から110年以上にわたり栗菓子を作り続けている。定番の栗鹿ノ子をはじめ、羊羹、落雁といった和菓子だけでなく、栗かのこケーキやモンブランなどの洋菓子も。季節限定の商品もあるので、ぜひ合わせてチェックしたい。店の奥に進むと、レストランも併設。季節の食材を活かした和食と、栗がメインの甘味を楽しむことができる。新栗の収穫時期である9-10月の約1か月間には、究極の栗菓子「朱雀(すざく)」も登場し、毎年大人気だ。栗本来の甘みを味わうことができる逸品なので、その年の栗の出来具合を自分で確かめられるのもうれしい。小布施堂の界隈には「桝一市村酒造場」や「傘風楼」といったショップが立ち並ぶほか、小布施堂の裏には遊歩道「栗の小径」が通っているので、街歩きをしながら立ち寄ってみては。
    3つの大きな栗の紋が描かれた暖簾をくぐれば、多彩な栗菓子が出迎えてくれる
  • spot 12
    岩松院
    北斎肉筆画の傑作が描かれた古刹
    葛飾北斎の大作『八方睨み鳳凰図』で知られる「曹洞宗 岩松院」。入り口で履物を脱ぎ、券売機で拝観券を購入してから本堂の中へ。天井を見上げると、21畳敷きの天井いっぱいに翼を広げ、こちらを睨みつける極彩色の鳳凰図が。どの角度から見ても鳳凰と目が合うような画法で描かれているのが特徴だ。今から170年以上前の1848年(嘉永元)、北斎が89歳という晩年時の作品で、これまで一度も塗り替えされたことがなく、当時の色がそのまま鮮やかに残っている。鳳凰図の中には、北斎の愛し続けた富士山が隠し絵として描かれているので、さまざまな角度からよく観察して探してみよう。境内には、太閤秀吉公の重臣であった「福島正則公の霊廟」や、小林一茶の句碑が立つ「蛙合戦の池」もある。
    本堂内は撮影禁止。文化財保護の観点から椅子に座って静かに鑑賞を
  • spot 13
    北斎館
    小布施ゆかりの画狂人・北斎の情熱が息づく
    「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を描いたことで有名な浮世絵師・葛飾北斎専門の美術館。小布施町の中心地に位置し、年に4〜5回展示替えを行う企画展示室のほか、映像ホール、祭屋台展示室、ミュージアムショップと共にコワーキングスペースを併設。いちばんの見どころは、長野県宝に指定されている「上町祭屋台」と「東町祭屋台」。この祭屋台は、ガラス張りのケースに囲われているので、360度どの角度からも鑑賞できる。屋台の天井には、北斎筆の「龍」「鳳凰」、怒涛図と称される「男浪」「女浪」が描かれており、思わず見入ってしまうような迫力に魅了されることだろう。巧みな筆さばきと美しい色彩によって生み出された数々の作品から、生涯にわたり画業を極めようとした北斎の情熱を感じよう。
    小布施町に残された、北斎自らの手で描いたという肉筆画を元に1976年(昭和51)開館
  • spot 14
    野沢温泉
    歴史あるスキーのメッカで楽しむ13の湯宝
    長野県北部に位置する野沢温泉村は、広さ日本最大級のスキー場を誇り、信州屈指の温泉街で知られる。江戸時代から湯治場として栄えた歴史があり、今でも村民たちによって13の外湯(共同浴場)が大切に守られている。
    野沢温泉のシンボル「大湯」は、美しい湯屋建築の外観が印象的な外湯
  • spot 15
    稲泉寺
    10万株の古代ハスが境内全体に咲き誇る、全国屈指のハスの名所
    遠くに志賀高原の山々を眺めながら、木島平村の中心部から脇道へ入る。車で5分ほど坂を上り、路地を曲がると、のどかな山里に立つ立派なお堂が見えてくる。山号は熊野山(ゆやさん)。安土桃山時代に現在の飯山市に開山された曹洞宗の寺院で、江戸時代の享保年間に木島平へ移転。火災による焼失を経て1858年(安政5)に現在地に再建された。山門の仁王像が持国天と多聞天なのは珍しい。お堂を中心として、ぐるりと囲まれた約5000平方メートルの段々畑全体が、大賀蓮(おおがはす)を中心とした蓮園だ。大賀蓮は、1951年(昭和26)に大賀博士が泥炭層から発掘した2000年前の種を発芽させた古代ハス。新潟県上越市の高田城址公園などから贈られた株を増やしたもので、俗世である泥水のなかから伸びて、泥に染まらず清らかな花を咲かせるハスは仏様を表すという。見頃は例年7月中旬から8月上旬。花は4日間咲き続けるが、初日は夜明けにつぼみがゆるんだだけで朝のうちに閉じ、2日目は半分ほど開いて昼頃までに閉じ、3日目に満開となって午後にしぼみ、4日目の朝から花びらが落ち始めて午後にはなくなる。あぜ道を歩くので、滑りにくく汚れてもいい靴で訪れよう。
    ハスの花園は桃紅色の極楽浄土のよう。段差があるので、見上げたり、見下ろしたり、さまざまな角度から楽しめる
  • spot 16
    志賀高原
    一年中楽しみの尽きない、スケールの大きなリゾートエリア
    上信越高原国立公園にあり、国内屈指の一大リゾートの快適さと、大自然の豊かさを同時に享受できるのが魅力。志賀山の噴火によって川がせき止められてできた池や湿原、滝が多数あり、あちこちに温泉も湧く。昭和初期からリゾート開発が進んだにもかかわらず、豊かな生態系を維持しており、日本で10か所のみの「ユネスコエコパーク」にも登録されている。志賀高原を指すエリアは明確には定まっていないが、「志賀高原スキー場」には大小18のスキー場が含まれると聞けば、その広大さがわかるだろう。宿泊施設は80を数え、立ち寄り入浴可能な施設も10余りある。もちろん交通の便もよい。爽やかなグリーンシーズンも魅力満載。ハイキングコースは19コースが整備されていて、このうち5つは森林浴の効果が認められた「森林セラピーロード」に認定されている。志賀高原を東西に貫く国道292号線で群馬県の草津白根山を通って草津温泉へと抜けるルートは、雄大な景色を楽しめる高原道路。途中にある渋峠は標高2172ⅿで日本の国道最高地点だ。ここからリフトで上った横手山の山頂からのパノラマは絶景。日本一高所にあるパン屋や、ヒュッテに泊まっての星空観察も人気。
    志賀高原の玄関口であり、各方面への分岐点でもある「蓮池」。スイレンに似たヒツジグサと黄色いコウホネの花が水面に浮いている
  • spot 17
    日本スキー博物館
    スキー史を知ることのできる充実した博物館。冬季オリンピックの資料も多数
    野沢温泉を見下ろす丘の上、スキー場の日影ゴンドラ駅のすぐそばにある。見ごたえのある展示で貴重な資料も多く、じっくり見ると2時間くらいかかる。最初は日本のスキー史の部屋。我が国におけるスキーは1911年(明治44)、オーストリア・ハンガリー帝国のレルヒ少佐が、物干し竿のような1本ストックを操る技術を新潟で陸軍師団に指導したのが始まり。これが雪国の人々が冬も活動するための手段として広まった。1930年(昭和5)にはアルペンスキーの父・シュナイダーが来日。野沢温泉などで弾丸のような滑降、ジャンプターンなどを披露し、一躍人気となった。展示室には、明治・大正期のスキー板、日本が冬季五輪に初参加した第2回サンモリッツ大会のプログラム、日本一の実力をもちながら特攻隊員として散ったスキー選手の写真もある。奥の部屋には世界のスキー用具の貴重なコレクションが展示されている。狩猟の際に使ったというモンゴルのスキーは、シラカバ材の滑走面に馬の毛皮を張ったものだ。元の部屋まで戻って階下へ。そこには冬季五輪の資料がズラリと並んで圧巻。日本チームのメダル、ユニフォーム、用具、バッジ、ピンズのコレクションも見ものだ。
    シュナイダー像の左は、明治の軍人・乃木大将のスキーに関する直筆書簡。戦闘技術としてのスキーの資料も豊富
  • spot 18
    野尻湖
    北信五岳に抱かれる高原の美しい湖
    天然の湖としては諏訪湖に次いで長野で2番目の面積を誇る野尻湖。遊覧船から見る黒姫山や妙高山もすばらしく、湖上には神社が鎮座する琵琶島も。ナウマンゾウの化石が多く出土し、現在も発掘調査が続いている。
    湖中の琵琶島から眺める野尻湖。新潟県との県境に近く、背後に新潟の妙高山の絶景が
  • spot 19
    一茶記念館
    生きとし生けるものへの慈愛に満ちた俳人・小林一茶の世界
    コスモスで有名な黒姫高原と野尻湖に挟まれた信濃町柏原地区は、江戸時代の俳人・小林一茶の故郷。ゆかりの品を展示した記念館を拠点に、各所にある句碑、終焉の地、墓所などを巡り、一茶の生涯を探ろう。
    生まれ故郷に建てられた記念館の裏の一茶像。かたわらの句碑には「初夢に古郷を見て涙かな」
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旅のヒント

  1. その1

    小布施町の中心地にある店舗は、専用駐車場がない、または台数が限られて停められないことも。周辺には町営などの駐車場がいくつかあるので事前にチェックを。

  2. その2

    須坂市、小布施町、山ノ内町は、長野駅発の長野電鉄線で結ばれている。終点は山ノ内町の湯田中駅。

  3. その3

    野沢温泉村の最寄駅は北陸新幹線飯山駅。JR飯山線戸狩野沢温泉駅からのアクセスだとタクシーの台数が限られているので、飯山駅から野沢温泉ライナーもしくは路線バスが望ましい。

  4. その4

    自動車でのアクセスは、いずれも上信越自動車道を利用する。飯山市・野沢温泉村は「飯山豊田IC」、須坂市・高山村は「須坂長野東IC」、山ノ内町は「信州中野IC」、小布施町は「小布施スマートIC」で降りる。

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