備瀬のフクギ並木

海辺の集落に残された、古き良き沖縄の原風景

沖縄美ら海水族館からほど近い備瀬集落にある並木道。防風林として屋敷を取り囲むように植えられたフクギの間に白砂の細道が通り、木々から差し込む光がノスタルジックな雰囲気とゆったりとした時間の流れを感じさせてくれる。

涼しい風が通り抜ける並木道

樹齢100年以上のフクギが筋道沿いに並ぶ、通称「備瀬のフクギ並木」。フクギは漢字で「福木」と書き、縁起のいい木として沖縄では古くから親しまれている。樹高が最大約20mまで伸び、幹が太くて防風性や耐火性が強いことから、防風林・屋敷林としても利用されてきた。備瀬の集落には約2万本にも及ぶフクギがあり、なかには樹齢300年を超えるものも。駐車場がある並木道入り口から先端の備瀬崎までは約1km。木漏れ日が降り注ぐ緑のトンネルを徒歩で巡りたい。時間があれば、水牛車での散策もおすすめだ。

冬は風を防いで暖かく、夏は涼しくて気持ちがいい

ときどき、猫がのんびりとくつろいでいる白砂の並木道。濃い緑色のトンネルの向こうには、鮮やかな青い海が広がっている。集落に面した備瀬崎海岸は抜群の透明度を誇る美しいビーチで、スノーケリングスポットとしても人気。周辺には海の家があり、シャワーやトイレなども整備されているので安心して海水浴を楽しむことができる。また、正面に伊江島を望み、夕景も美しいので夏場は涼しくなった夕暮れどきに訪れるのも良い。

伊江島とサンセットを眺められる絶景のカフェもある

地元の猫も道の真ん中でごろりとする居心地の良さ

フクギ並木の周辺には、静かな集落の雰囲気にマッチした古民家を改修したカフェや隠れ家的な宿が並ぶ。沖縄のフルーツを使ったスムージーの店や沖縄郷土料理が食べられるレストランもあり、絶景を眺めながら優雅なティータイムを過ごすのも良い。一軒家の貸切やコテージなど暮らすように滞在できる宿泊施設が多いので、ゆったりと流れる時間のなかで備瀬でしか味わえない沖縄ステイを満喫したい。

夫婦円満と幸せを呼ぶ夫婦福木(めおとふくぎ)