旧三井家下鴨別邸
賀茂川・高野川の合流ポイントで出合える、豪商・三井家の美意識
鴨川デルタに隣接する森のなか、豪商の別邸を見学
西の賀茂川と東の高野川が合流して鴨川となる地点は「鴨川デルタ」と呼ばれ、多くの人の憩いの場になっている。その合流地点にほど近い森の中にたたずむのが、旧三井家下鴨別邸。京阪電車・鴨東(おうとう)線の出町柳駅から高野川に架かる河合橋を渡り、右に折れた先が入り口で、徒歩約5分の距離だ。下鴨神社(賀茂御祖神社)の鳥居の手前なので、すぐ見つけることができる。門から入り建物を左に見て進んでいくと玄関に到着する。生い茂る樹々は天高くそびえ、開放的な空間が広がる庭園巡りにも期待は膨らむが、まずは玄関口で受付を済ませて邸宅内を見学しよう。
顕名霊社を参拝する時に利用された休憩所
旧三井家下鴨別邸は、11家から構成される三井家の共有の別邸として、1925年(大正14)に建築された。もともと現在の地には、三井家の先祖の霊を祀った顕名霊社(あきなれいしゃ)があり、参拝の際の休憩所とするためのものであった。建築に際しては1880年(明治13)に建てられた別邸を主屋として、木屋町三条から移築されている。1949年(昭和24)に国に譲渡され、京都家庭裁判所の所長宿舎として使用された。大正時代の玄関棟、明治時代の主屋、三井家が所有する前からあった江戸末期の茶室の3つの時代の建築で構成されている。主屋は望楼をいただく木造3階建てだが、眺める場所によっては4階建てに見えるのもおもしろい(2階、3階、茶室は通常非公開、特別公開時のみ見学可能)。
揺らめくガラスに明治・大正ロマンを感じて
玄関棟は主屋の移築の際に増設され、内部は書院造を基調としながら、天井は高く、絨毯が敷き詰められて椅子席利用のできる洋式居室だ。洗面室にも洋風の意匠が取り入れられるなど、和洋折衷のモダンな印象。庭園に面した主屋の1階座敷は、庭との一体感がとれた開放的な空間だ。部屋をまわってふと気がつくのは、ガラスを通して見る外の景色が揺らめいていること。これらのガラスは「大正ガラス」と呼ばれ、明治から大正にかけて製造されたもので、現代では作る職人がなく、割れれば二度と同じものは作れない貴重なものだそう。江戸時代後期の画家・原在正(はらざいせい)による杉戸絵『孔雀牡丹図』も目をひくもののひとつ。
別邸の中と外から楽しめる苔むす庭園
屋内を見学したら庭園に下りてみよう。苔むす庭にひょうたん型の池が作られ、糺の森から流れてきた泉川の水を取り入れた滝流れをもつ。芝が覆う築山には灯籠や巨大な鞍馬石が置かれ、小路をたどって庭園巡りも堪能したい。池越しに眺める別邸も絵になるが、近くから見上げると、鬼瓦には三井家の家紋「四つ目結(よつめゆい) 」があしらわれているので探してみよう。座敷では庭園を眺めながらお茶やお菓子をいただける。メニューは「抹茶セット」をはじめ、「抹茶ケーキセット」や「濃茶生ゼリー」などがあり、ちょっと一服できるのがうれしい。別邸近くの糺の森や鴨川沿いで、京都ならではの景色と自然に癒やされる散策もおすすめだ。
スポット詳細
- 住所
- 京都府京都市左京区下鴨宮河町58-2 地図
- エリア
- 京都御所周辺エリア
- 電話番号
- 0753664321
- 時間
- 9:00-17:00(受付終了16:30)
- 休業日
- 水(祝日の場合は翌日)、12/29-12/31
- 料金
-
【入館料】
[一般]平日500円、土日祝600円
[中高生]300円
[小学生]200円
※特別公開見学料は別料金となります。 - 駐車場
- なし
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- あり
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
情報提供: ナビタイムジャパン
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