三千院

寺院

山里の清澄な空気に包まれて、往生極楽院の仏様の膝元へ

街の喧騒が届かない、比叡山麓に広がるのどかな山里・大原にある三千院。自然と歴史が織りなす玉手箱のような古刹では、やわらかな表情の仏様が迎えてくれる。深緑の苔むす庭園を巡れば心も穏やかに。

杉木立のなかに静かにたたずむ往生極楽院} 杉木立のなかに静かにたたずむ往生極楽院

川のせせらぎを聞きながら緑深き参道を上がる

バス停・大原から山里の小路を東へ向かうと、いつしかゆるやかな上り坂となる。樹々に覆われるこの坂道は、三千院へと続く参道だ。右手には涼やかな音を立てて呂川(ろせん)が流れ、左手には土産物店が軒を並べている。バス停から歩いて約15分、坂道の先に現れる幅広の石段を上がり切り、苔むす堅牢な石垣に沿って少し進めば重厚感のある御殿門(ごてんもん)にたどりつく。ここが三千院の玄関口だ。石段を上がって門をくぐり、さらに左手の石段を上がれば拝観受付がある。客殿、宸殿、往生極楽院、そして庭園など、広大な境内にはたくさんの拝観箇所と見どころが点在している。

比叡山麓の自然も満喫できる} 比叡山麓の自然も満喫できる

1200年の歴史を紡いできた格式ある門跡寺院

三千院の歴史は延暦年間(782-806年)に、最澄(伝教大師)が比叡山の東塔(とうどう)に構えた草庵に始まるとされる。その後、比叡山内から近江(滋賀県)坂本に移り、さらに、火災や応仁・文明の乱などの兵火によって京都市内を何度か移転したあと、現在の大原の地に移ってきた。名称は円融房(えんゆうぼう)、梨本坊(なしもとぼう)などと呼ばれてきたが、1871年(明治4)に「三千院」と称されるようになった。かつて皇子・皇族が住職を務めた宮門跡で、梶井(かじい)門跡、梨本門跡とも呼ばれた。大原の里の中心的存在であり、比叡山から始まり1200年を超える歴史を刻んできた名刹だ。

格式高い天台宗三門跡のひとつに挙げられる} 格式高い天台宗三門跡のひとつに挙げられる

季節ごとに美しい、心癒やされる2つの庭園

玄関から続く先には客殿があり、南側に広がる庭園は「聚碧園(しゅうへきえん)」。江戸時代初期の茶人・金森宗和(かなもりそうわ)が修築したと伝わり、山肌を利用し池が配された池泉鑑賞式となっている。堂内には緋毛氈(ひもうせん)が敷かれ、座って優美な庭園を心ゆくまで眺めることができる。次の宸殿に祀られる秘仏の本尊・薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)は、最澄が刻んだと伝わる。お参りしたあとは宸殿前に広がる庭園「有清園(ゆうせいえん)」へと下りていこう。みずみずしい苔に覆われ、四季折々の美しい景色を楽しめる池泉回遊式庭園だ。

サツキの刈込が美しい聚碧園} サツキの刈込が美しい聚碧園

有清園の苔の美しさは格別だ} 有清園の苔の美しさは格別だ

そのかわいらしさに微笑まずにはいられない、わらべ地蔵(作:杉本孝)} そのかわいらしさに微笑まずにはいられない、わらべ地蔵(作:杉本孝)

深緑の苔の庭園に浮かび立つ往生極楽院

有清園の杉や檜などの木立のなかに往生極楽院がたたずんでいる。堂内には阿弥陀三尊像(国宝)が安置され、大きな仏様が納まるように、天井は舟底型となっているのが特徴。中央に座す阿弥陀如来の両脇には観世音菩薩(右)と勢至菩薩(左)が控え、ともに少し腰を浮かせて前かがみにひざまずく「大和坐(やまとずわ)り」をしている。まさに、極楽浄土へ旅立つ人を迎えに来てくれる姿だ。お参りのあとは境内のさらに奥、金色(こんじき)不動堂や観音堂も巡りたい。御朱印をいただける場所は3か所あるので、境内マップで確認しよう。額縁庭園を擁する宝泉院をはじめ、来迎院や勝林院など点在する名刹巡りも楽しめる。

往生極楽院に祀られる阿弥陀三尊像のご朱印} 往生極楽院に祀られる阿弥陀三尊像のご朱印

スポット詳細

住所
京都府京都市左京区大原来迎院町540 map map 地図
電話番号
0757442531
時間
[3-10月]9:00-17:00
[11月]8:30-17:00
[12-2月]9:00-16:30
休業日
無休
料金
[一般]700円
[中学・高校生]400円
[小学生]150円
駐車場
なし
※近隣に有料駐車場多数あり
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club、その他)
※円融蔵のみ
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO)
Wi-Fi
あり
コンセント口
なし
喫煙
不可
平均予算
【昼】1-1,000円
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
可(ただし建物の中へは入れません)
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 弁天池の畔にたたずむわらべ地蔵
    5.0 投稿日 : 2023.04.16
    大原のバス停から呂川沿いのお土産物屋が並ぶ急な坂道を登って行くと三千院の石段が見えてきました。この大原の地は魚山と呼ばれ声明の発祥の地で伝教大師最澄上人が草庵を結んだのに始まり、天台宗五箇室門跡のひとつ。流石門跡だけあって高い石垣に囲まれた御殿門は城郭を思わせる。宸殿客殿を進み、有名な往生極楽院へ。簡素な御堂ですが阿弥陀三尊像が納められ極楽浄土が表現されています。何より四季折々のお庭に映える御堂が...
  • 静謐という言葉が相応しい
    5.0 投稿日 : 2023.02.28
    京都・大原の里にある天台宗の門跡寺院です。住所は京都市内ですが、かなり山深いのでバスか車で行くのが前提です。なお、バスの一日券だと大原までは行けないので、バスで行かれる場合はバス・地下鉄一日券を購入されることをお勧めします。桜の名所としても紅葉の名所としても有名な寺院ですが、三千院というと何となく雪のイメージがあったので、大雪が降った際に訪問しました。雪の降りしきる中で訪問するのは大変でしたが...
  • 近所にあったら毎月行くと思う。
    5.0 投稿日 : 2022.12.04
    コロナで人が少ない時期に伺ったので、とてもゆっくり見学出来たのですが、お香の良い匂いがして清々しくて寒いけど温かみがあって、優しい気持ちになれる凄いお寺だと思いました。先日、辛い事があって落ち込んでた時に丁度、ご祈祷?の案内と新年のカレンダー等のお知らせをいただいたのでお線香を注文して届いたのですが、お線香の良い匂いでとても癒されています。

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アクセス

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最寄り

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