京都

大原・鞍馬・貴船

OHARA / KURAMA / KIFUNE

山あいの地に流れる清らかな水と大自然を求めてプチトリップ

比叡山の山麓に位置する「大原」は、古くから延暦寺とともに歴史を歩んできた地。現在でも三千院をはじめとする天台宗の名刹が並び、呂川と律川のふたつの川が寺々の間を流れ下っている。比叡山の雄姿を眺めるなら実相院や妙満寺へ。堂々たる姿はまさに「都富士」そのものだ。うっそうとした木々に囲まれて神秘的な雰囲気を醸し出す「鞍馬」は、昔から「天狗さんがいる山」として崇められてきた。鞍馬寺で京都の北方守護を担った毘沙門天に手を合わせ、幼き日の源義経(牛若丸)が天狗を相手に修業をしたという杉木立のなか、木の根道をたどれば「貴船」に到着。京の水源・鴨川を守る社として朝廷からもあつい信仰を集めた貴船神社は、長い歴史のなかで雨乞いや雨止みの儀式が幾度となく執り行われてきた。現在は神社の御神水におみくじを浮かべて占う「水占みくじ」が人気となっているので、ぜひとも試してみたい。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    三千院
    山里の清澄な空気に包まれて、往生極楽院の仏様の膝元へ
    街の喧騒が届かない、比叡山麓に広がるのどかな山里・大原にある三千院。自然と歴史が織りなす玉手箱のような古刹では、やわらかな表情の仏様が迎えてくれる。深緑の苔むす庭園を巡れば心も穏やかに。
    杉木立のなかに静かにたたずむ往生極楽院
  • spot 02
    宝泉院
    立ち去りがたい美しさ、額縁庭園を彩る自然の絵画
    仏教音楽である天台声明の発祥の地・大原に創建された宝泉院では、自然の景色を絵画のようにして鑑賞する額縁庭園が見どころ。水琴窟の音色に耳を傾ければ、いつのまにか心もほどけてゆく。
    京都市の天然記念物に指定されている五葉松
  • spot 03
    寂光院
    『平家物語』にも描かれる建礼門院ゆかりの古刹
    隠れ里の趣漂う大原の地に、我が子と平家一門の菩提を弔うためにひっそりと隠棲した建礼門院。祈りを捧げた寂光院は落ち着いた雰囲気に満ち、『平家物語』の世界と遺構を今に伝えている。
    自然石の石段が樹木と調和し美しい
  • spot 04
    里の駅大原
    大原近郊で採れた旬野菜やおばんざい弁当が人気
    大原の農家で採れた新鮮野菜や手作りパン、お弁当などを販売する「旬菜市場」に、家庭的な味を楽しめる食事処「花むらさき」を併設。毎週日曜には「大原ふれあい朝市」が開催され、朝から賑わう。
    家庭で受け継がれてきた料理を詰めた「おばんざい弁当」
  • spot 05
    実相院
    名刹の品格が漂うたたずまいに華を添える床の輝き
    皇室ゆかりの子息が代々住職を務めてきた格式高い門跡寺院。四脚門や客殿などが御所から下賜され、障壁画の数々も見ごたえがある。「滝の間」の磨きぬかれた板間に映る光景は、四季折々に美しい。
    奥比叡を借景とする東の庭
  • spot 06
    妙満寺
    洛北に受け継がれた「雪の庭」に、江戸時代の風流を感じて
    「雪の庭」と称される名庭をもち、仏舎利大塔(ぶっしゃりおおとう)がそびえ立つ妙満寺。「安珍・清姫伝説の鐘」を祀ることでも知られている。初夏に門前を彩る3000株のツツジがすばらしい。
    桜のシーズンには夜間ライトアップも行われている
  • spot 07
    瑠璃光院
    瑠璃色に輝く苔庭とリフレクションが造る幻想的な世界
    磨かれた床や机に反射する新緑や紅葉が美しいことで知られ、春と秋の一般公開時には多くの参拝者が訪れる。大正時代末期から昭和にかけて改修した建築とともに、「瑠璃の庭」と呼ばれる苔の庭を鑑賞できる。
    季節や時間帯によってその風景は変わるので、時期を変えても訪れたくなる
  • spot 08
    鞍馬寺
    豊かな自然のなかで空と大地のパワーを授かる
    古来、霊験あらたかな山として信仰され、京都を守護する尊天を祀る鞍馬寺。多くの修験者が修行をした地であり、牛若丸(源義経)の伝承にまつわる遺跡も多い。本殿前から望む美しい山並みも必見だ。
    江戸時代、鞍馬寺周辺は京都と若狭を結ぶ街道沿いの門前町として賑わった
  • spot 09
    由岐神社
    京都三大奇祭のひとつ「鞍馬の火祭」を執り行う
    叡山電車の鞍馬駅に到着し、名物の「木の芽煮」などを扱う店が並ぶ参道を進むと、鞍馬寺の山門が見えてくる。愛山料を納めて境内を進むと、右手にケーブル乗り場が見えてくるが、そのまま直進し「つづら折り」と称される坂道を登ること5分で由岐神社に到着する。940年(天慶3)に平安京の北方鎮護を目的に創建された神社で、中央が参道になっている「割拝殿(わりはいでん)」と呼ばれる建築が存在感を放つ。年間を通じて神事が営まれているが、毎年10月22日に執り行われる「鞍馬の火祭」はとりわけ有名だ。もともと祭神・由岐明神は御所に祀られていたが、天下泰平を願って京都の北方に位置するこの地に遷座するとき、大行列が手に松明を持ち、道にかがり火を焚いて迎えたことに由来するといい、炎で山一面が赤く染まる勇壮な祭りとして、京都三大奇祭に数えられている。本殿の石造狛犬は、子どもを抱いている珍しいもので、子授け安産の神としての信仰も集めている。
    鞍馬一帯の氏神であり、商売繁盛、縁結びなどを叶えてくれる
  • spot 10
    貴船神社
    貴船山の懐に包まれた都の水源を守る神秘の社
    古来、水の神様を祀り、あつく崇められてきた貴船神社。清冽な水が流れる貴船川に沿って本宮、結社、奥宮が立ち並ぶ。皇室の信仰もあつく、雨乞いや雨止みの祈願も行われてきた。平安時代の歌人・和泉式部も訪れている。
    朱の灯籠が並び立つ石段を上った先に本宮が建つ
  • spot 11
    貴船の川床
    水のせせらぎを聞きながら自然がもたらす涼を楽しむ
    「京の奥座敷」と称される貴船では、夏になると渓流に床を張り出し、せせらぎの音を聞きながら食事を楽しむ「川床(かわどこ)」が登場する。貴船は澄んだ空気と川の清流のおかげで、市街地よりも気温が低いが、川床ではさらに涼が増す。手を伸ばせば届きそうなくらい水面との距離が近く、青モミジがゆらゆらと風に揺れる姿も涼しさを演出しているかのよう。鮎、うなぎ、アマゴなどの川の幸を中心とした料理の数々は、夏の盛り付けで涼味満点。貴船川に沿ってずらりと川床料理の店が並ぶが、流しそうめんやカフェスペースがあるなど、店の特徴もいろいろだ。貴船神社からほど近い「京貴船ひろや」は、川床に椅子と机が設置され、足を伸ばしてゆっくりくつろげると好評だ。清流が運ぶ涼しさのなかでマイナスイオンをたっぷりと感じて京の夏を楽しもう。
    川床料理は5月から9月の夏季限定のお楽しみ
  • spot 12
    川島織物文化館
    国内外の染織遺産を所蔵・展示する日本最古の企業博物館
    洛北・市原に位置する老舗企業に併設される織物・染織に関するミュージアム。研究開発のために国内外から収集された精緻で優美な所蔵品など約16万点を常設および企画展示で公開している。
    綴織の壁掛「千羽鶴」の部分。こちらは写真撮影可能なので記念に収めておこう
  • spot 13
    岩倉具視幽棲旧宅
    明治維新に尽力した政治家・岩倉具視に関する資料を展示
    幕末から明治時代の政治家・岩倉具視が一時、失脚して岩倉村に隠棲したときに暮らした住居。建築家・武田五一(たけだごいち)設計の「対岳文庫(たいがくぶんこ)」には岩倉具視に関する資料が展示されている。
    1864年(元治元)、大工藤吉の居宅(現在の附属屋)を購入し、主屋を増築して居宅とした
  • spot 14
    三宅八幡宮
    1400年の歴史を誇る古社で子どもの健康と安全を祈願
    子どもの守り神として信仰され、夜泣きなどの疳の虫(かんのむし)にご利益があることから「虫八幡(むしはちまん)」と称される。八幡神の使い・鳩をモチーフにしたお守りやおみくじ、絵馬がかわいいと人気。
    ちょこんと座る姿が愛らしい「鳩みくじ」と絵馬
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旅のヒント

  1. その1

    京都駅前バスターミナル、または地下鉄・国際会館駅から京都バスを利用し大原へ。バス停から東へ進むと三千院や宝泉院、西に進むと寂光院に行くことができる。

  2. その2

    実相院や瑠璃光院、鞍馬・貴船方面には出町柳から叡山電車を利用。途中の宝ヶ池駅で「八瀬比叡山口」行と「鞍馬」行に分かれるので乗車には注意が必要。

  3. その3

    山間部に位置しているので市内の中心部より気温が低め。特に朝晩は気温が下がるので調整がしやすい服装を心がけて。

  4. その4

    鞍馬から貴船に続く木の根道は、坂道や石段もあるハイキングコース。大自然を満喫するためにもサンダルやブーツなどの靴は控えたほうがベター。

  5. その5

    貴船川の上で食事がいただける川床料理は夏限定。座席によっては川の冷気を感じることもあるので寒さ対策も考えておこう。

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