三池炭鉱(万田坑)
明治から昭和の日本を石炭で支えた世界遺産
まずは万田坑ステーションから
万田坑の手前にある万田坑ステーションは、万田坑の歴史などについて展示されたスペースで、万田坑見学の拠点となっている無料スポット。万田坑の見学料(410円)はここで支払う。「こちらの模型でまずは説明してまいります」。ガイドの方が見学ツアー前の話を始めた。万田坑は各自で見学できるが、予約すればガイドに案内してもらうこともできる(有料)。万田坑の模型を見ながら、日本の近代化についてのパネルでも解説が進められる。幕末は「試行錯誤の挑戦」の時代。鹿児島の旧集成館、伊豆の韮山(にらやま)反射炉などで、それぞれの藩により製鉄などの実験が繰り返された。その後、明治になり「西洋の科学技術の導入」をする時代を経て、本格的な工業化が始まる「産業基盤の確立」の時代を迎える。それぞれの時代を物語る建造物は、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」として、2015年(平成27)、ユネスコ世界文化遺産に登録された。
万田坑の遺構を見学
この世界文化遺産の構成資産は、全国8県11市に分布していて、三池炭鉱の万田坑もその1つとなっている。三池炭鉱では室町時代に石炭が発見されたという伝説がある。万田坑は1889年(明治22)、当初官営(国営)だった三池炭鉱が三井の民営として操業開始したあとに開発された炭坑。ガイドさんの解説を聞きながら敷地へと進むと、安全祈願の施設がまずあった。ここで安全を祈り作業へ向かったという。最初の見どころは「第二竪抗櫓(たてこうやぐら)」。遠くからも櫓がそびえているのが見える。この鉄塔に滑車があり、ケージ(エレベータのかご)が吊り下げられ、人や資材の昇降などが行われていた。「第二竪抗櫓」の先は開けていて、かつては炭鉱専用鉄道が敷かれていた。近くには「選炭場」があり、女性たちが石炭の選別作業をしていたという。解説版では、女性たちが素手で作業をしている写真が見られた。
迫力の巻揚機を間近で
炭鉱にまつわるガイドさんの興味深い話を聞きながら「第二竪坑巻揚機室」のレンガ造りの建物へ、ヘルメットを被って入る。2階へ上がると、作業員たちを昇降させるケージの巻揚機が目の前にあった。36mmのワイヤロープを巻きつける直径約4mの巻胴は迫力満点。横に運転台があり、1分間に270mの速さで動くロープを操作していたという。万田坑の深さは約270mなので、1分ほどで地下の作業場まで到着するが、暗闇のなかをそれだけのスピードで降りると想像するとかなり怖く感じる。坑内の温度は30~40℃で湿度は90%だった。万田坑では最大3500人が交代で24時間働いていた。260年以上の鎖国状態の江戸時代から、わずか50~60年で日本は西洋に追いつく急速な近代化を果たした。その陰には、過酷な炭坑で働く人たちがいたことを万田坑は教えてくれる。
スポット詳細
- 住所
- 熊本県荒尾市原万田200-2 地図
- エリア
- 荒尾エリア
- 電話番号
- 0968579155
- 時間
- [開館時間]9:30-17:00(有料区域への入場は、16:30まで)
- 休業日
- 月(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/29-1/3)
- 料金
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[万田坑]大人410円、高校生310円、小・中学生210円
[万田坑ステーション]無料 - 駐車場
- あり(72台、大型5台、中型3台)
- クレジットカード
-
可(VISA)
団体(20名様以上は不可) - 電子マネー/スマートフォン決済
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可(Suica、PASMO、iD、nanaco、WAON、楽天Edy、PayPay、メルPAY、d払い、auPAY)
団体(20名様以上は不可) - Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 明治日本の産業革命遺産
- 明治日本の産業革命遺産として、ユネスコ世界文化遺産に登録された炭鉱跡。折角楽しみに来場しましたが、残念ながらコロナ感染対策で休館との事で、道路から覗くだけの見学となった。
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- 魅力が弱い
- 世界遺産になったということで、その前のことは知りませんが、現在は入場料410円で見学することができます。ガイドもいたりして、興味がある人にはいいのでしょうが、見学できるのは朽ちた建物と機器類なので、世界遺産だからといって期待しすぎるとがっかり感が出てしまいます。いかようにもし難いですが、魅力は薄いです。
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- 初めての行きました
- 案内の方々に親切に説明していただけたので、とても勉強になりました。写真の趣味がある方も一度行かれては如何でしょうか。趣きのある古い煉瓦作りの建物が撮れますよ。
TripAdvisorクチコミ評価
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