天草四郎ミュージアム

博物館/科学館

存在した?しない?謎多き天草四郎とキリシタンの歴史

「天草五橋(ごきょう)・天草パールライン」沿い、宮津海遊公園の風景が見下ろせる丘の上に立つ天草四郎ミュージアム。港の周辺には背の高いヤシの木も見られ、南国の雰囲気が漂う。ミュージアムは教会を思わせる建物だった。

建物はマリア様がヴェールを被っている姿をモチーフにしている。上から見ると十字架の形になっている} 建物はマリア様がヴェールを被っている姿をモチーフにしている。上から見ると十字架の形になっている

ジオラマと映像でたどるキリシタン史

天草四郎ミュージアムの1階は展示室となっている。キリスト教が日本に広がり始めた時代を体感できるように、ジオラマなどによりわかりやすい展示がされている。大航海時代の16~18世紀、世界各国を行き交った帆船のガレオン船も2分の1のサイズで一部が復元されていた。この時代、貿易と布教は表裏一体で行われていたという。日本にも大航海時代の波がやってくると同時にキリスト教も伝わった。展示室ではザビエルと織田信長の出会いも再現されており、南蛮文化についても解説されている。「天草四郎映像館」という部屋では12分ほどのアニメーション映画『天草四郎 永遠の息吹』を上映。子どもでも理解できるよう、わかりやすく天草四郎の生涯が描かれた作品を観ることができる。

キリシタンの歴史を視覚的にわかりやすく解説した展示室。左にガレオン船が見える} キリシタンの歴史を視覚的にわかりやすく解説した展示室。左にガレオン船が見える

天正遣欧少年使節に関する展示もある} 天正遣欧少年使節に関する展示もある

神学校の様子について再現された展示} 神学校の様子について再現された展示

天草四郎の人物像とは

だが、そもそも天草四郎とは?その人物像は多くの謎に包まれている。実在しなかったとの説もあるが、父親の益田甚兵衛は小西行長の家臣とされる。行長はキリシタン大名で宇土城主時代に天草も所領としていた。天草四郎はミュージアムのある現在の上天草市で生まれたとされるが、生誕地も現在の宇土市、長崎県など諸説存在。生まれた年も1621年(元和7)説があるものの、はっきりしない。本名は益田四郎。だが、のちの一揆で総大将となり、天草四郎の名で知られることとなる。幼少期から神童だったと伝えられ、同ミュージアムのパンフレットによると、「手に招き寄せた鳩が産んだ卵からキリスト教の経文を取り出した」「上天草と島原半島の間に浮かぶ湯島までの海上を歩いて」渡ったなど、数々の奇跡を起こしたという。

神への祈りの際に使われていたロザリオの数々} 神への祈りの際に使われていたロザリオの数々

天草島原一揆とは

天草にキリスト教が伝えられたのは1556年(永禄9)。小西行長はキリシタンやイエズス会を保護した。だが、新しい領主の寺沢氏はキリシタン弾圧を行ったため、1637年(寛永14)、天草四郎を総大将とする一揆が起こり、最後は島原半島の原城で幕府軍との激しい攻防戦へ。一揆勢の約3万7000人は全滅した。島原天草一揆(島原天草の乱)と呼ばれる。それまでも、バテレン追放令が出されていたが、この一揆以降、幕府はキリスト教を厳しく禁じ、それは明治まで続くこととなる。島原天草一揆は多くの小説や映画などでも取り上げられているので、天草四郎についてはそれぞれの人がそれぞれのイメージをもっているかもしれない。だが前述のように天草四郎は謎が多い人物。一揆当時の天草四郎は1621年(元和7)生誕説をとれば16歳だった。神秘的な少年は神のように祭り上げられたのだろうか。ますます天草四郎に興味を抱いた。

原城の籠城戦は3か月に及んだとされる} 原城の籠城戦は3か月に及んだとされる

2階は瞑想空間。うす暗い空間で光が流れる画像を見ていると、まるで教会そのものにいるかのような不思議な感覚になる} 2階は瞑想空間。うす暗い空間で光が流れる画像を見ていると、まるで教会そのものにいるかのような不思議な感覚になる

スポット詳細

住所
熊本県上天草市大矢野町中977-1 map map 地図
エリア
天草エリア
電話番号
0964565311
時間
9:00-17:00(最終入館16:20)
休業日
1月・6月の第2水、年末年始(12/29-1/1)
料金
【入館料】
[大人(16才以上)]600円
[子ども(7-15才)]300円
[幼児]無料
駐車場
あり(30台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
あり(くまもとフリー)
コンセント口
なし
喫煙
不可
英語メニュー
あり
平均予算
【昼】1-1,000円
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 道の駅にクーポンあり
    5.0 投稿日 : 2022.09.23
    向かいに道の駅があり、そちらの観光協会で割引クーポンをもらえました。少し高台にあります。教会風の建物が素敵です。
  • 当時16歳の少年だった天草四郎
    3.0 投稿日 : 2022.03.09
    天草の北の端にある大矢野島の有明海を見渡すことができる高台に、天草四郎ミュージアムがありました。ヤシの木が生えている緑の高台に、淡い黄色の教会のような建物が印象的でした。 ミュージアムの名前が示すとおり、島原の乱を起こした当時16歳の少年、天草四郎を中心に、島原の乱の歴史的背景と、南蛮文化の影響を受けた当時の模様を伝える資料館です。映像によって解説されていて、よりわかりやすかったです。
  • 天草のヒーロー!
    3.0 投稿日 : 2022.02.10
    私にとって天草四郎は、島原の乱を起こした人、その指導者というイメージの人でした。天草四郎ミュージアムは、天草の玄関口である大矢野島の中央部の海が一望できる高台にありました。 今回初めて天草を訪れてみましたが、天草のあちらこちらにはこのミュージアムをはじめ、彼の像があるなど、地域挙げて彼をたたえている感じが伝わりました。天草の人たちにとっては、一種のヒーローなんだと思いました。

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アクセス

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