広兼邸

歴史的建造物

豪壮な石垣の上にそびえるベンガラ原料製造の豪商の邸宅

江戸時代後期に銅山とベンガラ原料の製造で富を築いた大庄屋の広兼家。その居宅が豪壮な石垣の上に山城のように建つ広兼邸だ。映画『八つ墓村』の映画、テレビのロケが行われたことでも全国的に有名。

山城のような姿でそびえる広兼邸。駐車場から見上げただけで圧倒される} 山城のような姿でそびえる広兼邸。駐車場から見上げただけで圧倒される

目を奪われる豪壮な石垣とその上に建つ大邸宅

「吹屋ふるさと村」のなかでも、北に約2.5km離れたベンガラ色の家並みが連なる「町並み保存地区」エリアとは対照的に、広兼邸がある「中野エリア」は山間部の小さな集落地だ。銅山経営と赤色顔料ベンガラの原料ローハ(硫酸鉄)製造で財をなした広兼家の屋敷である。山を背に積み上げた豪壮な石垣の上に二層の楼門と長大な長屋、その背後に主屋が建つ。駐車場から見上げただけで、その堂々たる姿に驚かされる。石垣に向かって進み、右へ曲って楼門を入る構成になっている。

石垣沿いに道を上って楼門へ向かう} 石垣沿いに道を上って楼門へ向かう

不寝番部屋を備えた立派な構えの楼門。脇には門番部屋もある} 不寝番部屋を備えた立派な構えの楼門。脇には門番部屋もある

ベンガラ原料の製造で栄えた商家の生活を体感

谷本家と西江家に少し遅れて鉱山の採掘に加わったのが、広兼家。ベンガラ製造の一次原料である硫化鉄鉱を掘り二次原料のローハを製造して吹屋のベンガラの窯元へ送った。2581平方メートルもの敷地を確保するために山を切り開き、その工事で出た岩が石垣に使われたというだけでも、いかに財力を蓄積していたかがわかる。広兼邸は、2代目が江戸後期の1810年(文化7)に建てたもので、2階建て母屋と土蔵3棟、馬小屋や農作業場がある長屋などからなる。母屋には、上層の家だけに許されていた玄関がある。母屋は土間だけ入ることができ、それ以外の部屋は外からの見学となるが、戸や窓が開け放たれているので、その暮らしぶりを垣間見ることができる。土蔵の一部は広兼家のさまざまな資料を紹介する展示室となっている。

母屋と、庭の向こうに見える離れはどちらも2階建て。庭には水琴窟(すいきんくつ)があり、水を落とすと涼やかな音を響かせる} 母屋と、庭の向こうに見える離れはどちらも2階建て。庭には水琴窟(すいきんくつ)があり、水を落とすと涼やかな音を響かせる

母屋では土間にだけ入ることができる。台所、いろり端など当時の暮らしがしのばれる} 母屋では土間にだけ入ることができる。台所、いろり端など当時の暮らしがしのばれる

映画やテレビの『八つ墓村』のロケ地

広兼邸は、(現在の)倉敷市ゆかりの小説家・横溝正史(よこみぞせいし)原作の『八つ墓村』の映画、1977年(昭和52)の野村芳太郎監督作品、1996年(平成8)の市川崑監督作品や、テレビドラマのロケが行われたことでおなじみだ。2021年(令和3)公開の映画『燃えよ剣』のロケも行われている。現在、広兼邸は岡山県が管理、公開している。毎年5月には邸内を生け花で彩るイベント「花めぐり」が行われる。広兼邸は吹屋の「町並み保存地区」エリアからは約3.5km離れているので徒歩だと約50分、車で約5分かかるが、吹屋を訪れたらぜひ立ち寄りたいスポットだ。

使用人の部屋や、馬小屋、農作業場があった長屋} 使用人の部屋や、馬小屋、農作業場があった長屋

スポット詳細

住所
岡山県高梁市成羽町中野2710 map map 地図
電話番号
0866293182
時間
10:00-17:00(12-3月は16:00まで)
休業日
12/29-1/3
料金
[大人]400円
[小人]200円
駐車場
あり(20台)

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 八つ墓村のロケ地
    3.0 投稿日 : 2021.08.01
    辺鄙な場所にあるせいか観光客が誰もいませんでした。こちらは映画「八つ墓村」のロケ地。そういう先入観があるせいか、何ともいえない因習深い湿った感じが横溝作品にぴったりな印象を受けました。屋敷は広く、厩舎もありました。大きな庄屋であったことが窺えます。水を流すと涼し気な音が鳴る筒があり、柄杓が置いてあり自由に水を流すことが出来ます。そこだけが爽やかな感じでした。
  • 一度は観ておいても。
    5.0 投稿日 : 2020.10.29
    山に囲まれた所に見上げるように見事な綺麗に石を積んだ石垣が現れました。石垣は現在見えている下にさらに倍の高さ埋もれているそうです。埋もれている石垣も見てみたいですが、現在見えている石垣だけでも十分見応えがありました。広兼邸自体も立派なお屋敷で当時の豪邸の雰囲気が良く分かりました。
  • 面白い建物。
    4.0 投稿日 : 2020.01.12
    お城とお屋敷の中間地点くらいの建物で、あまりこういったタイプの建物はいまの日本にないのでは…と思うので、それだけでも訪れる価値はあると思います。駐車スペースから広兼邸へのあいだにも、ひとつお土産屋さんがありました。

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アクセス

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