福岡博多屋台
ネオ屋台も登場した福岡市観光の人気アイテム
存続の危機に瀕するも新規参入が始まった
夕暮れどきになると天神や中洲などの繁華街に姿を現わす福岡の屋台。道路や公園など公共の場に店開きし、街の風景に溶け込んだ姿は観光の魅力になっている。福岡市の屋台の発祥は1946年(昭和21)頃。戦後の混乱のなか、道路上などで簡易な仮設店舗を設置したのが始まりで、昭和40年代の最盛期には400軒以上の屋台があったという。しかし、「衛生面で心配」「人の通行に支障が出る」などと指摘され、1995年(平成7)、福岡県警察から「屋台は新規参入を認めず原則一代限り」の方針が示され、消滅の危機に陥った。そこへ、福岡市の高島宗一郎市長が「屋台を残していくためにもあり方を検討したい」と表明し、市民、有識者、屋台経営者による議論を経て、2013年(平成25)、日本で初めて屋台営業のルールを条例化。専用の上下水道と電気設備を設け、環境整備が進められた。2016年(平成28)度からは新規参入者の公募も始まり、現在約100軒の屋台が営業している。昔ながらのラーメンやおでん、焼き鳥を出す屋台が主流だが、新規屋台のなかにはフランス料理や多国籍料理、コーヒーやスピリッツ類専門といった「ネオ屋台」も登場。個性的なデザインも話題になっている。
店主の屋台愛と市民の温かなまなざし
福岡市では、飲食店営業のための設備を備えた「軽車両」を屋台とし、営業時間は設営と撤収を含めて17時から翌4時までというのがルールだ。営業時間になると、市内各所にある「駐車場」から営業場所まで「引き屋」と呼ばれる人や店主本人が屋台を運び、店主が屋台の組み立てと開店準備を始める。狭い屋台内には調理台や流し台、カウンターや椅子などがコンパクトにまとめられており、それらを器用に組み立てて営業開始。固定の店舗に比べると設置や撤収の手間が大変だが、それでもお客との近い距離や、隣り合う人同士の触れ合い、おおらかで開放的な雰囲気などは大きな魅力と、店主たちは言う。福岡の屋台はこのような店主の愛と市民の温かなまなざしによって今日まで引き継がれている。
中洲と天神周辺の広範囲に点在
屋台が集まるのはおもに福岡市の繁華街、中洲と天神付近。なかでも両エリアの間を流れる那珂川沿いには多くの屋台が集まり、那珂川に映る夜景も美しいと観光客に人気のエリアだ。ラーメン、おでんなどを出す王道の屋台が多いのが特徴だ。店の人の声かけも賑やかで、メニュー表も用意されている。一方、天神エリアは昭和通りの両側と福岡銀行本店裏、西鉄福岡大牟田線福岡駅から南に向かう渡辺通りの両側など、広い範囲に屋台が点在している。老舗の屋台や有名店も多いが、昭和通りの日本銀行前や渡辺通り周辺には個性豊かな「ネオ屋台」があり、連日観光客で賑わっている。
2023年には長浜ラーメン発祥の長浜屋台街が復活。高齢化などにより2軒まで減っていたが、新規屋台7軒が一斉にオープンし、中央区長浜の鮮魚市場前に合計9軒の屋台街が復活した。ラーメン、おでんなどを出す王道の屋台もある一方で、全国初の明太子専門の屋台や野球がコンセプトの屋台など個性的な屋台も軒を連ねている。
屋台は席数が限られているので席は譲り合い、大人数での利用や長居は控えたい。福岡市の観光情報サイト「よかなび」には屋台マップや屋台利用のマナーなどを紹介。事前にチェックしておくといいだろう。
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更新日:2024.04.25
情報提供: ナビタイムジャパン
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