夢二郷土美術館 本館
大正ロマンの画家・竹久夢二の随一のコレクションを所蔵
軽便鉄道の駅の跡地に建つ
かつて、夢二の故郷に近い西大寺と後楽園を結んで走っていた軽便鉄道・西大寺鉄道。その後楽園駅の跡地にあるのが夢二郷土美術館だ。三角屋根で大正浪漫の風情が漂う親しみやすい建物である。ここから後楽園へは旭川に架かる蓬莱(ほうらい)橋を渡って約5分の至近距離。夢二は16歳で画家を目指して上京。洋画家岡田三郎助から、学校で美術教育を受けるより独自の道を歩むよう助言を受け、日本画、洋画、舞台の衣装や装置、本の装丁など多分野で才能を発揮した。そんな夢二の魅力に心を動かされて作品を収集したのが、両備バス社長だった松田基。夢二郷土美術館はそのコレクションを元に1966年(昭和41)、両備グループの始まりの地・西大寺にまず開館。夢二生誕100年を記念して1984年(昭和59)に現在の場所へ移設された。ほかにも、夢二が生まれ育った瀬戸内市邑久町に、別館として「夢二生家記念館」とアトリエを復元した「少年山荘」がある。
全館リニューアルでいっそう際立つ夢二の魅力
画壇に属さない異端児のため美術史的にはなかなか評価されなかった夢二だが、近年、再評価が進む。2017年(平成29)、岡山市出身のデザイナーでJR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」などで知られる水戸岡鋭治氏の手で美術館を全面リニューアル。展示室を4室から6室に増やし、「心の詩を描く」「暮らしの中に芸術を」という夢二の芸術世界に浸れる空間を構成。収蔵品は、秋の女神を描き夢二の理想の女性像とされる『立田姫』や公園のベンチに座った憂い顔の女性『秋のいこい』といった肉筆画、晩年の米国滞在中に描いた裸婦の油絵『西海岸の裸婦』、国内外の曲を集めた「セノオ楽譜」シリーズの表紙絵、千代紙などのデザイン、関東大震災の惨状を記録したスケッチや、日記などの資料まで合わせて3000点以上の随一のコレクション。年4回さまざまなテーマで企画展を開催、夢二の世界を紹介している。
展示室には日本画や版画など独自の夢二ワールドが展開されている
夢二の頭像の展示があるソファーに座り、憂いを秘めた美人画をじっくり味わえる
カフェとグッズで夢二を身近に感じよう
作品展示だけではなく夢二の世界を満喫できるのがカフェとグッズだ。もともと、浴衣や半襟、封筒、千代紙など生活を美しく飾るもののデザインなどにも情熱を傾けた夢二。グッズコーナーには京扇子や風呂敷など夢二が残したデザインを元に開発された豊富な商品が並ぶ。次々に誕生する新製品情報は要チェック。カフェでは岡山県産千屋牛を使ったハッシュドビーフやカレー、夢二が好きだった焼き菓子と紅茶のセットなどが楽しめる。
夢二デザインでまとめた空間でスイーツやドリンクを楽しめるカフェ
夢二が好きだった菓子「ガルバルジィ」や夢二作品が楽しめるきび団子、高梁紅茶なども
人気集めるお庭番頭猫「黒の助」に会いたい
夢二にも劣らない人気を集めているのが、同館のお庭番頭ネコ「黒の助」だ。もとはスタッフが保護した迷いネコ。「夢二の描いた黒ネコにそっくり」とお庭番に任命された。水戸岡氏により黒の助をモデルに首に赤いリボンを巻いた新キャラクターをデザインし、夢二のネコと黒の助のキャラクターがデザインされた屏風や額などを展示。同じく夢二のイチゴがデザインされた「執務室」まで設けられ、グッズコーナーにはクッションやカレンダーなども登場している。気まぐれ出勤の黒の助と会うには、公式サイトやSNSで「出勤」情報を確認しよう。
スポット詳細
- 住所
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岡山県岡山市中区浜2-1-32
地図
- エリア
- 岡山市・後楽園周辺エリア
- 電話番号
- 0862711000
- 時間
- 9:00-17:00(最終入館16:30)
- 休業日
- 月(祝日・振替休日の場合は翌日)、年末年始(12/28-1/1)
- 料金
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【入館料】
[大人]800円
[中・高・大学生]400円
[小学生]300円
※岡山県内の65歳以上の方は証明できるもののご提示で1割引 - 駐車場
- あり(10台、大型バス2台)
- クレジットカード
-
可(VISA、MasterCard、JCB)
※ミュージアムショップ・カフェのみ - 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(PayPay、LINE Pay)
- Wi-Fi
- あり(おかやまWi-Fi)
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 英語メニュー
- あり
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- テキスタイルや装丁好きな方も、是非。
- チェックアウトぎりぎりまでホテルでまったりしてお昼を食べてから新幹線に乗る予定だけれど中途半端に時間が空くな・・・という時などにもおすすめの、アクセスよく短時間で回れる小さな美術館です。そして小さいながらも濃厚。余韻にうっとりしながら退館できる美術館です。S字なよ竹様の女性像ももちろん素敵ですが、着物柄や装丁、湊屋で扱う小物などの意匠の素晴らしさに心を奪われ、小さな美術館をぐるぐる2周半して...
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- 夢二ファンにはたまらない
- 中に入ると、夢二の作詞した名曲、宵待草のメロディーが流れてきます。夢二がの歴史を見ることが出来る美術館です。入り口の可愛い黒猫ちゃんが目印です。
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- 久しぶり訪問
- 後楽園の次に久しぶり訪れた夢二郷土美術館、竹久夢二の絵好きなんで、貴重な絵や写真が沢山展示されています。館長の黒猫はおやすみタイム、ショップではここ限定のグッズやお菓子があり、夢二きびだんごを買いました。
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