史跡佐渡金山

その他の史跡/建造物

400年の歴史、世界遺産登録を目指す日本最大規模の佐渡金山

1601年(慶長6)、3人の山師により開山したといわれる佐渡金山。徳川幕府直轄の天領として江戸幕府の財政を支えた。江戸時代の手掘り坑道を見られる宗太夫抗(そうだゆうこう)コースと、近代技術の進んだ機械掘りを見られる道遊坑(どうゆうこう)コースがあり、約400年間にわたり金の産出があった佐渡金山の技術を比べることができる。

道遊の割戸(どうゆうのわりと) 巨大な金脈を掘り進んだ結果、山が割れてしまった} 道遊の割戸(どうゆうのわりと) 巨大な金脈を掘り進んだ結果、山が割れてしまった

江戸幕府を支えた日本最大の金銀山

両津港から車で約50分。佐渡金山は東西3000m、南北600m、深さ800mに広がり、坑道の総距離は約400km(佐渡~東京間に相当)もある。1601年(慶長6)に3人の山師により開山したといわれ、それから採掘を停止するまでの388年間に金78t、銀2330tを産出した日本最大の金銀山だ。島外から多くの人が佐渡へ渡り、相川の町には約5万人もの人が住んでいたという。現在の佐渡市全体の人口が約4万9000人(2023年9月現在)であることから、いかに当時の佐渡がゴールドラッシュで沸いたかを想像できる。江戸時代に掘り出された金は小判になり、江戸幕府の財政を支えた。江戸時代に掘られた宗太夫坑から見てみよう。

佐渡金山入り口、右の宗太夫坑は江戸、道遊坑は明治のコース} 佐渡金山入り口、右の宗太夫坑は江戸、道遊坑は明治のコース

江戸時代初期に開発された手掘り「宗太夫坑」

宗太夫坑は約30分の見学。階段を下り年中10℃前後の坑道内に入る。夏でも長くいると肌寒いほどだ。坑道の壁に手を当てるとボコボコとした感触を感じる。当時はたがねという採掘用ののみと槌(つち)でこの硬い岩を掘り進んだ。1日に数cm程しか進まなかったという。いかに多くの人がこの重労働に時間を費やしたかを想像すると、この坑道の壁のデコボコにもリアルな歴史を感じることができる。しばらく進むと当時の鉱夫の衣装を着たロボットたちが作業を再現しているところへ着いた。人ひとりが入れるくらいの暗い穴で作業する者や水の処理をする者、砕いた石を外に運び出す者など、『佐渡金山絵巻』に描かれた様子をロボットたちが再現している。

「早く外に出て酒を飲みてぇ、なじみの女にも会いてぇなぁ」坑道の休憩所} 「早く外に出て酒を飲みてぇ、なじみの女にも会いてぇなぁ」坑道の休憩所

樽をたたいたりたがねで石を割る動作をしたり、採掘の道具を使用した神事、「やわらぎ」} 樽をたたいたりたがねで石を割る動作をしたり、採掘の道具を使用した神事、「やわらぎ」

宗太夫坑との比較が興味深い、道遊坑の近代化

宗太夫坑の見学が終わったら再び入り口へ戻り、次は左の道遊坑約40分のコースを巡る。明治時代、外国人技術者の指導のもと近代化が進んだ様子を見ることができる。先ほどの宗太夫坑と比べると坑道がかなり平坦になっているのに気づくだろう。これはトロッコの線路を敷くためで、手掘り人力での排出に比べるとかなり機械化が進んだことがわかる。奥へ進むと道遊の割戸の真下にあたる「道遊脈採掘跡」に到着する。江戸時代の最初の頃に発見された道遊脈は、掘り進んでいるうちに山がV字に割れたようになった。明治時代になっても大規模な開発が行われ、この広い空間が造られた。閉山した現在では、島内の酒蔵の熟成所としても利用されている。

トロッコのために坑道は平坦に掘られ、立坑(エレベーター)が造られた。} トロッコのために坑道は平坦に掘られ、立坑(エレベーター)が造られた。

道遊の割戸を堪能、次はMRの世界へ?

坑道を抜けると、目の前に高任立坑(たかとうたてこう)が現れる。高任立坑を造った大島高任は西洋技術を引き継ぎ、鉱石の搬出に使われた大間(おおま)港の建設も手がけた。高任立坑の前には、当時使われた器具や機械の展示された機械工場がある。油で磨かれ非常に保存状態がいい。機械工場を出たら、道遊の割戸の真下へ行ってみよう。どれほど深く豊富な金脈だったかがわかる。真下を見たあとはいよいよ全景だ。道遊の割戸を調べると必ず出てくるシンボリックな写真はこの高任公園で撮られている。また、この道遊坑コースに新設された坑道跡とMRを合わせた「アイランド・ミラージュ」では、金光石を狙う怪物と戦う冒険物語を楽しめる。予約制なので事前の手配をお忘れなく。

西洋技術がふんだんに使われた高任立坑の機械工場} 西洋技術がふんだんに使われた高任立坑の機械工場

喫茶コーナーでは金箔ソフトクリームや金箔コーヒーなどを販売している} 喫茶コーナーでは金箔ソフトクリームや金箔コーヒーなどを販売している

スポット詳細

住所
新潟県佐渡市下相川1305 map map 地図
エリア
佐渡エリア
電話番号
0259742389
時間
[4-10月]8:00-17:30
[11-3月]8:30-17:00
休業日
無休
※2024/1/6-2024/3/15は臨時休館
料金
[大人]1,000円-
[小人]500円-
駐車場
あり(500台)
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、nanaco、WAON、楽天Edy、PayPay、LINE Pay)
Wi-Fi
あり
コンセント口
なし
喫煙
可(喫煙所1ヶ所あり)
平均予算
【昼】1,001-3,000円
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
可(道遊坑コースの一部のみ)
ペットの入店
可(抱っこするかケージに入って頂ければ可)

情報提供: ナビタイムジャパン

このスポットを紹介している記事

クチコミ

  • 夏には快適な観光
    5.0 投稿日 : 2023.04.01
    本物のかつての坑道を、洞窟探検の感覚で楽しめて面白かった。涼しかったので、夏に行ったが、快適でありがたかった。
  • 佐渡金山の割戸は圧巻
    5.0 投稿日 : 2023.01.17
    宗太夫抗と道遊抗の2つのコースがあります。自分は道遊抗を見学しました。共通券もあるのですが、自分は時間が限られていたので、無難(?)なほうを選びました。佐渡金山の様子や環境がとてもよくわかります。坑道をでたあとに割戸がすぐ近くでみれて感動します。割戸は金を採掘することによって山が割れてしまったみたいです。そのような背景も知ったうえで見るとおもしろかったです。ほかにもいろんな展示があったのおススメ...
  • 世界遺産登録
    4.0 投稿日 : 2022.11.02
    まず400年も前からこんな辺境の地で金が掘り出されて来ていた事が驚きですね。江戸時代からの坑道も明治時代の坑道も見やすく整備され誰もが見学できます。佐渡と言えば反逆者犯罪者が流人となって流されて来た場所との認識はほぼ間違いだったみたい。よく考えたら江戸時代にそんなに大量の犯罪者が居ないよね。

TripAdvisorクチコミ評価

もっと見る

アクセス

map map 地図

最寄り

          周辺の駅はありません。 周辺のバス停はありません。 周辺の駐車場はありません。 周辺のインターチェンジはありません。

          このスポットを共有

          back

          クリップボードにコピーしました