横浜・厚木・八王子・川越・つくば・成田・木更津など、都市を連絡するように全長約300Kｍの高規格幹線道路が延びる首都圏中央連絡自動車道（以後「圏央道）。その「厚木PA【外回り】」に、わざわざ寄りたくなるようなトイレがあります。まるで旅館のような和テイストな厠（かわや）は、体験する価値あり！そこが公衆トイレであることを忘れてしまいそうな雰囲気ですよ。
圏央道厚木PA「外回り」
圏央道「海老名JCT」から「八王子JCT」（八王子方面・中央自動車道方面）に向かうと出てくる「厚木PA（外回り）」。大型が37台、小型が44台の駐車スペースがあるパーキングエリアです。表示名はサービスエリアではなくパーキングエリアですが、ここには食堂や、B-1グランプリのご当地グルメが3カ月ごとに入れ替わりで登場する「Ｂ-１グランプリ賑わい屋」もあります。ほか24時間のショッピングコーナーにATM「セブン銀行」、EV急速充電スペースと、充実した内容のエリアです。
そんな「厚木PA（外回り）」全体のデザインは、宿場町を思わせる和の雰囲気。これは厚木が物資の集積地として栄えていた江戸末期に「小江戸」と称されたことに由来します。昔の懐かしさが再現されたコンセプトはトイレにも徹底。和モダンなオシャレ公衆便所と評判なのです。
長屋のような、旅館のような、
全国共通の「トイレマーク」があるとはいえ、佇まいからして公衆トイレのイメージとは少し違う雰囲気をかもしだしています。入り口は大きな引き戸で、まるで和モダンなオシャレ住宅の玄関のよう。ドアの横には絵馬形の札があり、沈む夕日と和装をしたしなやかな女性のシルエットが描かれています。
中に入っても「トイレ感」は全くなく、足元は石畳を感じさせるようなイメージで、休憩所として腰をかけられる畳敷きのベンチがあり、目の前にはテレビまで設置されています。公衆便所というより、温泉処の待ち合わせ場所といった雰囲気です。
女性の手洗い場・パウダーコーナーもひと味違った感じで、一区画ずつ障子風のパーテーションで仕切られた半個室のような造り。パーキングエリアは深夜や早朝の身支度で立ち寄る旅行客も多い場所なので、女性は隣の人を気にせず化粧直しやケアを行うことができます。パウダーコーナーの照明は鏡の両サイドについているので、メイクや髪型が直しやすく便利ですよ。
ここ、本当にトイレ？
女性用は、入り口すぐの休憩コーナーの裏手側通路に個室トイレが並んでいるのですが、一目見た感じではトイレとは思えない雰囲気。まるで旅館の廊下でも歩いている気分になりますよ。入り口のライトは、入室中は色が赤色になるので、見た目だけでなく機能性も考えてデザインされています。
個室トイレの中も小洒落た雰囲気で、身支度をチェックできる大きめの鏡もついていますが、注目すべきは見た目だけでなくハイテクな機能！なんと、流水音やシャワートイレなどの操作が、タッチパネル操作できるという「タブレット型操作パネル」があるのです。
音声ガイダンスもあり、こちらは日本語や英語など複数の言語から選択可能。最新の訪日外国人のご利用を想定したもので、なかなかお目にかかれない機能です。日本の情緒溢れる風貌のトイレでこのサービスは、外国人観光客に大注目されそうですよ。
男性用の空間も、公衆トイレとは思えない和モダンな雰囲気。中央には畳敷きのベンチが置かれ、その背に伸びる木の格子がトイレ感を上手にセーブしています。休憩ベンチの背後には女性用と同じようなテレビが設置されています。
各小便器の間には和テイストのパーテーションがデザインされており、これはオシャレなだけではなくプライバシーの保護にもなります。心が落ち着く和風テイストの空間で、他人の目を気にせず用を足せるトイレは、わざわざ立ち寄りたくなるレベルですよ。
子ども用トイレも凄い
小さい子連れの家族も「子ども用トイレ」があるので安心。こちらの床はなんと防水畳敷き仕上げ！一瞬驚きますが、土足で使用可能ですので靴は脱がずに使用してくださいね。「子ども用トイレ」は男女各トイレに1つあり、各入り口の外側にもひとつ設置されています。広い空間の中にある幼児用の便器と、低い位置に設置された洗面台。幼い我が子のトイレを、安心して済ませることができますよ。
