【大人を愉しむ】旅館のバータイム~「強羅花扇 円かの杜」編~


2019.09.26

一休コンシェルジュ

「都会の喧騒や日々の重圧から離れ、究極に寛げるひとときを過ごしたい」
その想い“旅館のバー”で叶えてみませんか。
今回、編集部yoshida.fが訪れたのは、箱根・強羅の森の中に隠れるように佇む宿「強羅花扇 円かの杜」にあるバー「蔵バー『こだま』」。重厚な土蔵の中、円座に腰かけ30㎝ほどの厚さの一枚板のカウンターでいただく至高の一杯。ここにしかない和の癒しを感じる贅沢なひとときはいかがでしょう。客室全てで源泉掛け流しの露天風呂が愉しめる東京から約2時間の距離にある箱根・強羅の森にひっそりと佇み、木と畳が香る隠れ宿として人気のお宿「強羅花扇 円かの杜」。全20室のお部屋には、全て露天風呂が備わり、源泉掛け流しの湯浴みが愉しめます。他に類を見ない“蔵”のバー「箱根花扇 円かの杜」の地下に構えるのが「蔵バー『こだま』」。営業時間は20時から24時(L.O.23時半)。宿泊者のみが利用できるバーです。
外観はまさに蔵。ゲストが見る機会はないそうですが、この木製の扉を開けるには特別な鍵を使用するんです。扉の下に小さく穴が見えるかと思います。そこに鍵を挿して開錠。この一連の流れに、空間演出のこだわりを感じます。お宿の雰囲気にぴったりの内装。温かく仄かな照明が灯されています。“蔵”風であることで非日常感が溢れ、お部屋での夕食後、湯浴み後、就寝前とリラックスした気持ちで愉しめそうです。10名程度が座れる空間には、一枚板の大きなカウンターが。長さは約5m、厚さが約30㎝の大きな欅でできています。お宿のオーナーが「この空間にはこのカウンターが必要だ」と、完成しつつあった通路をカウンターが搬入しやすくなるようわざわざ取り壊したという逸話があるほど、こだわりの品。
畳の上に円座が敷かれ、掘りごたつのように座ります。カウンターの厚さ、木肌のなめらかさを身体で味わえることができますよ。【インタビュー】旅館のバーだからこそゲストの時間を大切にしたいお話を伺ったのはバーテンダー歴40年の大ベテラン、シニアバーテンダーの三浦浩一さん。東京・丸の内にある有名シティホテルに定年まで在籍し、新たなチャレンジとしてこの宿に来たのが今から4年前のこと。「ここに来たのは、旅館というものに興味があったからです。それまで約35年間、ホテルで働いていましたので、そのおもてなしの違いというか、宿というくくりでは同じですが、中身は似て異なる世界で仕事をしてみたいと思ったんです。ありがたいことに、60という年齢でしたが、こんな素敵な宿に機会をいただけました」(三浦さん)三浦さんがバーテンダーになったきっかけは、話下手な自分を変えようとホテルの配属先でバーを希望したことからだそう。「お酒はそれほど飲むタイプではないんです。お客様と接することが好きというか。自分は今よりもっと話下手で、バーテンダーになったのは、それを変えようと思ったからですかね。お客様との会話はとても大事なことですが、私の場合は、“一歩控えて”というスタンスです。お客様は非日常を求めていらしている方ですから、その雰囲気を大切になるべく受け身で立たせていただいています」(三浦さん)こちらではシガーも愉しめます。お宿で喫煙できるのは、ロビーラウンジにある「囲炉裏」のお部屋とここのみ。「吸われる方は少なくなってきていますが、やはり“大人のための”バーということでこれからも大事にしていきたいですね」(三浦さん)バーには、館内のラウンジ、湯上り処などと同じように、ブックディレクターの幅允孝氏が選んだこの場に合う本が置かれています。緑色の表紙の「少年マガジン」は、かなりの年代物で、あるところにもっていけば10万円近くで取引されるプレミアものだとか。
もちろん、この場で自由に読めます。非日常空間を大事にしたいという三浦さん。そのために気を付けていることとは。「お話をする際は、俗世間的な事柄はあまりに話題にしないようにしています。この宿周辺の自然のお話をすることが多いですね。この間タヌキを見たんですよとか、親子でトコトコと散歩していたウリ坊がかわいかったとか。このお宿だからできる会話を楽しませていただいています」(三浦さん)◆「円かの杜」オリジナルカクテルお話をお伺いしながら、お宿のオリジナルカクテル「円かの杜」をお願いしました。
ウォッカがベースで、ライチ・メロンのリキュール、そしてオレンジジュースをシェイクして作る創作カクテルです。グリーンのチェリーが、強羅の森をイメージしているそう。甘さもちょうどよく、ライチやオレンジのスッキリさとメロンの香りがして飲みやすいカクテル。カクテルが初めての人にもおすすめの1杯です。飲みやすいのですが、強いお酒なので飲みすぎには気を付けて。◆「マティーニ」美味しいと言ってもらえたらうれしいもう一品作っていただきました。“カクテルの王様”とも呼ばれるマティーニです。「お客様に飲んでいただきたいものは、たくさんあって迷いますが、個人的には『マティーニ』をお出しして、美味しいとお客様におしゃっていただけると、とてもうれしいです。お酒に強い方には飲んでいただきたいですね」(三浦さん)ジンをベースにし、レモンピールで香りづけするのが三浦さんのマティーニ。香り清らかに、口当たり良く飲みやすい。クリアな余韻が気持ち良い一杯です。単純に言えば、美味しいの一言に尽きます。蔵のイメージを崩さず、バックバーやボトルを置く棚も素敵。アルコールの種類も豊富にそろっています。「蔵バー『こだま』のメニューは、シングルモルトからコニャック、カクテルなど幅広くご提供できると思います。手に入りづらいジャパニーズ・ウイスキーもありますよ。ただ、人気なものは、あともう少ししか残ってないかもしれません。この空間で味わいたい方はお急ぎください(笑)」(三浦さん)◆「プースカフェ」誕生日のお客様のためにお母様の82歳の誕生日で来られた親子のお客様に、三浦さんがお祝いの気持ちを込めて作ったスペシャルなカクテル“プースカフェ”。「ホテル時代に先輩バーテンダーが作っていたカクテルを見よう見まねで習得したのがこの“プースカフェ”。お酒に強いお母様ということもあり、華やかな見た目なので一番上のブランデーに火をつけてお出ししました。とても喜んでいただき、素敵な誕生日になったと言っていただけた想い出の一品です」(三浦さん)いかがでしたか?“蔵”という和の空間でいただく三浦さんの一杯。この空間であるからこそ、宿の世界感も壊れずリラックスした状態で愉しめます。
大きな欅のカウンターの肌触り、グラスを置いた時の感触、とても気持ちが良い。この体験は「蔵バー『こだま』」でしか味わえません。「強羅花扇 円かの杜」に泊まった際は、ぜひ訪れてみてください。このバーのために宿に泊まると言っても良いくらいです。 強羅花扇 円かの杜 神奈川県/箱根・強羅 詳細情報はこちら  

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強羅花扇 円かの杜
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4.5

174件の口コミ
place
神奈川県足柄下郡箱根町強羅1320-862
phone
0460824100
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和洋室 スタンダードルーム

¥45,000

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2024/05/10 チェックイン(2名1室)※1泊1名あたりの料金   更新日:2024/04/29

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