土湯温泉
昔ながらの湯の町は土湯こけしの故郷
聖徳太子にゆかりの深い湯治場
温泉街へ入ると、にっこりほほえむ巨大こけしと顔ハメパネルがお出迎え。早速、共同浴場「中之湯」で美肌の湯を満喫しよう。足湯も4か所にある。土湯温泉はその昔、大穴貴命(おおなむちのみこと)が川のほとりで鉾を突くと湯が湧き出し、突き湯と呼ばれるようになったのが起こりとか。飛鳥時代、聖徳太子より寺院建立の命を受けて東国へ遣わされた秦河勝(はたのかわかつ)が、旅半ばで病に侵され寝込んでしまった。すると夢枕に聖徳太子が現れ「突き湯で湯治せよ」と告げ、その湯に浸かるとたちまち全快。以後、突き湯の名が広まり、転じて土湯となったそうだ。河勝に託された自作の聖徳太子立像は今も温泉街の聖徳太子堂に祀られている。
伝統的な郷土玩具、土湯こけし
土湯温泉はこけしを抜きにしては語れない。土湯のこけしは宮城県の鳴子、遠刈田とともに日本三大こけしと呼ばれる。幼児の玩具から始まり、やがて東北地方の温泉街で人気の民芸品になり、今では伝統工芸品としてこけし工人(職人)が腕を競っている。土湯のこけしは頭部に黒い輪、前髪の両脇に赤い髪飾りがあり、切れ長の目、垂れ鼻、おちょぼ口が特徴。土産物店で1500円くらいから購入できる。もっと知りたい人は温泉街の入り口にある「土湯温泉観光交流センター 湯愛(ゆめ)舞台」へ。1本の木からこけしができあがるまでの動画が流され、東北6県のこけし2000体以上がズラリと並ぶ。こけし12系統の違いや特徴もよくわかる。
暴れ川を鎮めた現代の土木事業
温泉街を流れる荒川は阿武隈水系の一級河川で、11年連続で国土交通省が発表する「水質が最も良好な河川」に選ばれている。昔から暴れ川で、温泉街は何度も水害に見舞われてきた。現在では上流、支流などに砂防のための堰堤(えんてい)が30基設けられている。温泉街で合流している支流、東鴉川(ひがしからすがわ) の第1堰堤もそのひとつ。1948年(昭和23)に造られた重力式コンクリート造堰堤で、堤長56m、堤高7.5m。国の有形文化財に登録されている。脇には展望台が設けられており、その先にある野趣たっぷりの足湯と、上流にかかる「滝の吊り橋」とともに人気の観光スポットになっている。
秘境の風情漂う山奥の湖
土湯温泉の周囲には山と森が広がっていて、その奥に小さな沼が2つある。このうち水際まで車で訪れることができる女沼(めぬま)は周囲2kmほどの明るい湖。カヤックやSUP(スタンドアップパドルボード)が楽しめる(※観光協会へ要事前予約)。5月頃には南斜面を覆う一面のツツジが見事。沼から北へ600ⅿほど歩くと悲恋伝説の残る「思いの滝」があり、さらに、ミズバショウやカタクリの群生が見られる湿原・仁田沼(にだぬま)、神秘的な沼・男沼(おぬま)を巡るハイキングコースは一周3~4時間。東北自然歩道「新・奥の細道」にも選定されている。クマの生息域なので1人で歩くのは避け、クマよけの鈴などを用意するといい。真夏は蚊が多いので虫よけ必携。
スポット詳細
- 住所
- 福島県福島市土湯温泉町 地図
- エリア
- 福島市・国見・二本松エリア
- 電話番号
- 0245952217
- 泉質
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【共同源泉】アルカリ性単純泉
【自家源泉】炭酸水素塩泉、硫黄泉等 - 効能
- 神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、五十肩、冷え性、切り傷、慢性消化器病、打ち身、痔疾、婦人病、美肌等
- 泉温
- 【共同源泉】60-65℃
- 源泉数
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【共同源泉】4
【自家源泉】施設により異なる - 湯量
- 【共同源泉】1,400リットル/分
- 共同浴場数
- 1
情報提供: ナビタイムジャパン