福島市・国見・二本松
FUKUSHIMA CITY / KUNIMI / NIHONMATSU
フルーツ、温泉など自然の恵みを満喫
中通りと呼ばれる福島県中部の北側を占める地域で、地元では「県北」と呼ぶ。ほぼ中央に県庁所在地の福島市がある。中世には奥州藤原氏や伊達氏に支配されたエリアだ。全体が東の阿武隈山地、西の奥羽山脈に挟まれた大きな盆地になっており、その中央を阿武隈川が南から北へ流れていることからもわかるように、北へ行くほど標高が低くなる。気候も東北地方としては温かいほうで、福島市中心部は夏はかなり暑くなり、冬の積雪は少ない。一方、市域の西には標高2000ⅿ級の吾妻(あづま)連山がそびえ、そのふもとに温泉街が点在する。辺りは全国有数の果物生産地「フルーツ王国」で、春から秋までさまざまなフルーツ狩りを楽しめる。国見町はエリアの北にあり、宮城県に接している。一方、菊人形で有名な城下町、二本松はエリアの南にあり、詩人・高村光太郎の妻で画家の高村智恵子の故郷でもある。西には智恵子の愛した安達太良山が優雅な裾を広げている。
エリアの見どころ
-
spot 01
-
福島市古関裕而記念館
- 昭和を代表する作曲家、古関メロディーにどっぷりと浸れる
- 福島市に生まれ、その生涯に約5000曲を残した古関裕而。NHK連続テレビ小説『エール』や、2021年(令和3)東京オリンピックの閉会式で『オリンピック・マーチ』が流され、その功績が再認識されている。
- スポットの詳細
-
福島市古関裕而記念館
-
spot 02
-
spot 03
-
spot 04
-
餃子の店 山女
- 見てビックリ、食べてビックリ、おいしさがクセになる円盤餃子
- 丸いお皿にふっくらした餃子がぐるりと並ぶ円盤餃子は、福島のソウルフード。より多くの餃子を効率良く焼くためフライパンを囲むように円盤状に並べ、そのままひっくり返して皿に出したのが始まりだ。市内を中心に14軒が加盟している「ふくしま餃子の会」があり、その会員である「餃子の店 山女」はJR福島駅東口から徒歩3分のところにある人気店。その理由は皮と餡。皮は注文を受けてから手延べするというこだわりよう。餡は野菜が7割、肉が3割と少しあっさりしているぶん、新鮮な野菜ならではの甘みが肉汁にうまく溶け込み、いくつでも食べられそうな味わいだ。実際、1人で1皿20個をぺろりと食べてしまう人がほとんどだという(1人の場合は10個にもしてもらえる)。また、もっちりした皮でスルッと食べられてしまう水餃子も人気。福島の地酒の品ぞろえも豊富だ。店主も店員もていねいな応対で、ひとりで来ても気持ち良く食事ができる店だ。
- スポットの詳細
-
餃子の店 山女
-
spot 05
-
フルーツライン&ピーチライン
- 旬の果物狩りができる農園の集まる、名物ロード
- 福島市郊外は果物狩りの聖地で、特に2本の道路沿いに観光果樹園が多い。古くからの養蚕農家が戦後に果樹園に転業したのが始まり。夏暑く、冬寒い盆地特有の気候のおかげで、果物の種類も品種も豊富で長期間楽しめる。
- スポットの詳細
-
フルーツライン&ピーチライン
-
spot 06
-
まるげん果樹園
- フルーツ狩り、直売店に加えてカフェも人気
- 創業から60年以上という老舗の果樹園。サクランボ(高砂、佐藤錦ほか)、桃(あかつき、恋みらいほか)、ブドウ(巨峰ほか)、リンゴ(サンふじ、王林ほか)、梨(幸水、豊水ほか)、ラフランスなどを栽培している。品種も豊富なので直売所には長い期間フルーツが並ぶ。たとえば桃なら、恋みらいは7月初旬頃から、福島の桃の代表的な品種であるあかつきは7月末から、まどかは8月上旬から、川中島白桃は8月下旬からといった具合。リニューアルしたばかりという直売店は白くて明るく、真夏もエアコンの効いた室内でじっくりと選ぶことができる。果物の状態を正直に教えてくれるなど、とても親切で気さくなスタッフばかりなのもうれしい。店の一角にカフェコーナーがあり、桃のジュースや桃のソフトクリームなどが人気。
- スポットの詳細
-
まるげん果樹園
-
spot 07
-
spot 08
-
阿部留商店
- 飯坂の名湯から生まれた極上の温泉卵「ラヂウム玉子」
- 飯坂温泉駅前の十綱橋を渡り、右へ歩いてすぐのところにあるラヂウム玉子の名店。ラジウムは1898年(明治31)にキュリー夫妻が発見したことで有名な放射性元素。その12年後、飯坂温泉の源泉を化学分析したところ微量のラジウムが含まれていることがわかった。これが国内初のラジウム発見だ。それから10年ほど経ち、阿部留五郎が創業した青果店を継いだ2代目が、当時は高価だった鶏卵を源泉で茹でたところ、うまい具合に温泉卵ができた。そこで「ラヂウム玉子」と名づけて売り出したところ評判となり、いつしか飯坂名物と呼ばれるようになった。今では多くの店がラヂウム玉子を販売しているが、元祖のこの店では「100%天然の源泉で熟成させる」という製法にこだわり、微妙に変わる源泉の温度や外気温に合わせて時間を調整し、品質を保っているそうだ。
- スポットの詳細
-
阿部留商店
-
spot 09
-
spot 10
-
国見バーガー
- さばの味噌煮がご当地バーガーに!
- 東北自動車道の国見ICから4分。国道4号線沿いにある「道の駅国見 あつかしの郷」は、国見町のシンボルである厚樫山(阿津賀志山)の名を冠した大型の道の駅だ。福島のお土産や地元の農産物を豊富にそろえ、宿泊施設まで備えている。ここのフードコートで、話題の国見バーガーを食べられる。もとは国見町商工会の青年たちが、震災で打撃を受けた地元の活性化のためにと開発したのが始まり。それにしても海から遠い国見町でなぜさばなのだろう? 実は国見町には昔から「おいしくて骨まで食べられる」と評判のさばの味噌煮があるのだ。佐久間商店という鮮魚店が味噌と砂糖のみで煮込んだもので、テレビ番組で取り上げられて以後、知名度は全国レベルに。そこで、この名品をバンズと合わせてみたところ、不思議に合うと評判になった。最初はキッチンカーで販売していたが、2017年(平成29)に道の駅がオープンしてからはこちらでの販売で人気を博している。
- スポットの詳細
-
国見バーガー
-
spot 11
-
凍天処 木乃幡
- ヨモギ餅とドーナツがコラボした福島のソウルフード「凍天」
- 凍天は、凍餅(しみもち)にドーナツ生地をからめて揚げたもの。凍餅とは、氷点下の屋外で寒風にさらして凍らせ、ゆっくり自然乾燥させたヨモギ餅のこと。昔から福島で保存食として作られていた凍餅を、ドーナツ生地で包んでキツネ色に揚げたのが凍天だ。ふわりと漂うヨモギの香りとほのかな甘みで20年以上前から愛されてきた、福島ではおなじみのおやつだ。2011年(平成23)2月、人気テレビ番組で取り上げられて注文が殺到。ところがわずか2週間後に東日本大震災で被災し、当時の工場が福島第1原発から20km圏内にあったため閉鎖に追い込まれた。数年後に宮城で再開するも風評被害などがたたって倒産。ようやく2020年(令和2)に福島で復活したときには、待ちわびていたファンの長い行列ができたそうだ。伊達工場店のほかに福島駅ピボット店やいわき・ら・ら・ミュウ店でも食べられる。日本茶にもコーヒーにも合う福島の味をぜひご賞味あれ。
- スポットの詳細
-
凍天処 木乃幡
-
spot 12
-
spot 13
-
智恵子の生家・智恵子記念館
- ふるさとでしのぶ、愛と芸術に生きた人の精神世界
- 故郷の安達太良山を愛し、芸術を愛し、詩人で彫刻家の高村光太郎を愛した智恵子。幼い頃を過ごし人生に強い影響を与えた生家を訪れ、希有な感性とピュアな心で人生を駆け抜けた智恵子の世界をのぞいてみたい。
- スポットの詳細
-
智恵子の生家・智恵子記念館
-
spot 14
-
spot 15
-
空の庭リゾート
- 日帰りでも楽しめる酸性の美肌の湯
- 安達太良山(あだたらやま)の8合目付近にある源泉から引いてきた、全国でも指折りの酸性泉が評判の岳温泉。その中心であるヒマラヤ大通りから5分ほど歩いて、日帰り入浴のできるリゾートホテルを訪れよう。静かな森にたたずむホテルで、大浴場も露天風呂も源泉100%かけ流し。湯はわずかに硫黄のにおいのあるpH2.5の酸性泉で、適度に肌の角質を取ってくれるのでピーリングをしたときのようにツルツルになる。大きな窓いっぱいに広がる緑はヒーリング効果抜群。露天風呂にはあえて屋根を付けていないので、夜には満天の星空も期待できる。さらに、リゾート内には美濃焼の陶盤の上に横になって体を芯から温めるスーパー陶盤浴や、天然エッセンシャルオイルのエステサロンも併設していて、リフレッシュ度は満点だ。
- スポットの詳細
-
空の庭リゾート
-
spot 16
人気スポット
旅のヒント
-
その1
福島県の面積は北海道、岩手に続く第3位。この広さを頭に入れて旅程を立てたい。
-
その2
エリアの中央を南北に貫いているのがJR東北新幹線、JR東北本線、東北自動車道、国道4号の4つ。
-
その3
東北新幹線で東京駅から福島駅まで最短で1時間30分。「はやぶさ」は停車しないので注意。福島駅では新幹線の連結、切り離し作業が見られるので鉄道ファンに人気。ここで分岐した山形新幹線は在来線(JR奥羽本線)を走るため、踏切を通過する新幹線という珍しい光景が市内各所で見られる。
-
その4
福島駅からは福島交通飯坂線が飯坂温泉へ、阿武隈急行が阿武隈川に沿って宮城県へ延びている。
-
その5
車の場合は、東京都心から東北自動車道で二本松ICまで3時間弱、福島西ICまでさらに約20分。太平洋側の相馬市と山形・秋田をつなぐ東北中央自動車道が、福島市郊外で交差する。国道4号線は、福島市では中心部の東を通っている。