長良川温泉

目の前には長良川が広がる、「十八楼」の開放的な内風呂

「温泉100選」に選ばれた赤いにごり湯

鵜飼で知られる長良川のほとり、岐阜城を冠する金華山の麓。長良川温泉は、岐阜市の観光地に囲まれた絶好のロケーションにある。良質の鉄分などを多量に含む源泉は、大気に触れると赤褐色のにごり湯に変化するのが特徴だ。神経痛や関節痛をはじめ、保温効果が高いことからリウマチ性疾患や更年期障害にも効果があるという。女性に多い病状への効能が多いため、「婦人の湯」という別名も。観光経済新聞社主催「にっぽんの温泉100選」にも選出される名湯だ。

泉質は全国的にも珍しい赤褐色のにごり湯

気軽に入浴できる日帰り温泉も魅力

長良川の両岸に並ぶ7軒の宿からなる長良川温泉。その魅力は、なんといっても岐阜城や長良川という、岐阜を代表するぜいたくな眺望だろう。お湯に浸かりながらエメラルドグリーンの清流を眺めていると、思わず時間を忘れてしまう。長良川温泉には、夜に開催される「ぎふ長良川の鵜飼」を目当てに訪れる宿泊者も多いが、気軽に温泉を楽しみたいなら日帰り温泉もおすすめだ。7軒中5軒の旅館やホテルが立ち寄り湯を受け付けており、なかには昼食付きプランのあるところも。体を芯から温めてくれる赤いにごり湯とともに、宿それぞれの自慢の眺望を堪能したい。

創業160有余年の老舗旅館「十八楼」自慢の「蔵の湯」

客室の窓を開ければ、心地良い川風が吹き抜ける

お風呂上がりには「古いまちなみ」をぶらり探索

長良川温泉に来たなら、ぜひ川原町にも訪れたいところ。川原町は長良川にほど近い場所にあり、古い日本家屋の並ぶ景観が有名な観光スポットだ。江戸時代に問屋街として栄えたこの地域には、昔の商家をしのばせる格子組の建物が多数残る。今も営業を続ける老舗店のほかに、町屋を改造した飲食店や雑貨店もあり、土産を買うのに最適だ。岐阜うちわや鮎菓子、ていねいな手仕事が光る和傘といった岐阜の伝統的な物もあれば、長良川温泉の若女将たちが結成した「若女将会」のプロデュースによる長良川温泉ならではの土産も。買い歩きや食べ歩きもいいが、お風呂上がりのほてりを冷ますために、風情ある町並みをぶらりと歩くのも心地良いものだ。

美しい日本の手仕事を今に伝える「長良川てしごと町家CASA」

「長良川デパート」ではおしゃれな土産や地酒なども手に入る

過ごし方は自分次第。岐阜観光を満喫しよう

見どころの多い長良川温泉周辺。「ぎふ長良川の鵜飼」をより楽しむには、長良川鵜飼の価値と歴史をわかりやすく紹介してくれる「長良川うかいミュージアム」もはずせない。少し足を延ばして金華山の頂上にある岐阜城を訪れ、歴史の知識を深めるのもおすすめだ。ゆっくりと過ごすなら、夕暮れどきに川原町や長良川沿いを散歩して旅情に浸るのもいいだろう。いろいろな旅行プランを立てて、自分なりのベストな過ごし方を楽しもう。

夕暮れどきの川原町は、風情がいっそう深まる