金作原原生林

力強く生きる植物のパワーを全身で浴びよう

認定ガイドの同行がないと立ち入ることはできない

奄美大島の山々のなかでも、天然の亜熱帯広葉樹が多数残っている金作原。日本とは思えない神秘的なこの原生林は、太古の森を思わせる巨大なヒカゲヘゴなどの亜熱帯植物が茂り、国指定天然記念物のルリカケスやキノボリトカゲなど、希少な生物がたくさん生息している。

ツアーではうっそうとした森のなかへ分け入っていく

金作原は認定エコツアーガイド同伴での散策がルール化されており、自由に立ち入ることは禁止されている。奄美群島エコツーリズム推進協議会から認定を受けた認定エコツアーガイドはそれほど多くないうえ、一度のツアーに参加できる人数に制限があるので、予約はお早めに。ツアーは、金作原だけを歩く数時間のものから、マングローブカヌーや特別保護エリアをぐるっとまわる1日がかりのものなど内容はさまざま。好みや体力、スケジュールにあわせて上手に選ぼう。

子どもから大人まで気軽に楽しめる金作原散策ツアー

金作原だけを楽しむ「金作原散策ツアー」は、所要3時間ほどだが、実際に歩くのは平坦な1kmほどの散策路を往復2km、約1時間30分ほどの散策なので、子どもから年配の方まで気軽に参加できる。歩きやすい靴と服装、帽子、タオル、日焼け止め、水を用意しよう。雨の多いエリアなので、防水ジャケットや折り畳み傘があると安心だ。金作原は名瀬市街地から車で40分ほど。森のなかへは車の進入が限られるため、街なかで集合しガイドの車で向かうのが一般的だ。

虫やハブ対策として肌の露出が少ない服装が理想的だ

多種多様な生き物が共存する動植物の楽園

車から降りるとそこはジャングル。恐竜時代を思わせるような亜熱帯の森を歩いていると、まるでタイムスリップしたかような感覚に。金作原の生態系を知り尽くした経験豊富なガイドの解説を聞きながら、ゆっくりと森のなかを進んでいく。

ツアーのハイライトでもあるオキナワウラジロガシの巨木

緑の間から差し込む陽光が神秘的

樹齢は約150年以上といわれ板根が1m以上に発達したオキナワウラジロガシの巨木や、樹木のように大きく成長した10mはあろうかという迫力あるシダ植物、ヒカゲヘゴの群落、樹の幹に張り付いて成長するオオタニワタリという着生植物、亜熱帯の森に花開く季節の花々など、希少な動植物のパラダイス。小さな植物や擬態した生き物なども、ガイドが目ざとく見つけてくれるのがありがたい。

運がいいのか悪いのか、ハブに遭遇することも

小さなカエルや擬態したトカゲは言われなければ見逃してしまいそう