巨石パーク

自然のなかにたたずむ10mにも及ぶ巨石は神々しく、歩いているだけでパワーがチャージされそう

古代のロマンを感じる神秘的な巨石群

長崎自動車道・佐賀大和ICから車で約5分、佐賀駅からは車で25分ほどの場所にある肥前大和巨石パークは、標高200-350mの地点に10m以上の巨石が17基点在している不思議なスポットだ。この巨石は佐賀でいちばん古い與止日女神社(よどひめじんじゃ)の御神体といわれており、古くは肥前風土記にも記されている。古代のロマンを感じさせる巨石は最近ではパワースポットとしても人気がある。ただし、登山道は石がゴロゴロし、木の根が地表をはっているので、「パーク」といえども足場が悪く、注意が必要。16基目までは2時間半、そこから17基目までは1時間20分ほどかかるので、体力に自信のない人は16基目の「蛙石」で引き返すといい。

登山道には起伏があり険しい。歩きやすい服装と靴で出かけよう

神々しい巨石に触れてパワーを充電

登山道に入って最初に出くわすのが「石神の滝」と「烏帽子の雫」という2つの小さな滝。清涼感いっぱいの透明な清流と水の音に癒やされる。烏帽子の雫には滝の水を飲むためのひしゃくが置かれているので、おいしい湧水をいただこう。さらに先を進むと驚くようなサイズの石が次々と出現する。1基目は神様の頭に似ているといわれる「神頭石(じとうせき)」。ずっと眺めているとご先祖様の顔に見えてくるという。巨石群は地元で石神群と呼ばれ、神様として崇められている石が多い。霊験あらたかな巨石にそっと触れてパワーをチャージしよう。

木漏れ日のなかで聞く澄んだ水の音でリラックス

滝に着いたら、新鮮でおいしい湧水をいただこう

有明海を一望する壮大な眺め

次に現れるのが交通安全の守護神である「道祖神石(さやのかみいし)」。自然にできたとは考えにくい不思議な重なり方が特徴だ。その次は神様が航海に使ったとされる船から名づけられた「御船石」、続いて天地万物をつくった神様である「造化大明神(ぞうかだいみょうじん)」。巨石を見るたびにスケールと存在感に圧倒される。造化大明神は男神石女神石からなり、中は洞窟になっているので、お参りしてから通り抜けよう。さらに進むと、現れるのがこの石からすべての動物が生まれたと伝わる「誕生石」。石の上から見下ろすと、眼下には川上峡や約20km先の有明海を一望でき、そのすばらしい眺めに疲れも吹き飛ぶ。

すべての石の前にそれぞれの説明が書かれているので、こちらもチェック

16基目の「蛙石」でランチタイム

登山口から30-40分歩いて、扇のような姿をした「屏風石」を過ぎ、いよいよ巨石パークのハイライトである「烏帽子石」が登場する。8mほどの高さのあるこの巨石は平安時代の貴族がかぶった帽子に似ていることからこの名がついた。天に向かってそびえ立つその姿が神々しい。ここでは全身を石にゆだねてみよう。撮影スポットとしてもおすすめだ。次に悟りをひらくための場所といわれる「御座石」、宮崎県の天岩戸に似ていることから名がついた「天の岩門」を過ぎて10分ほど歩くと、「蛙石」にたどり着く。ここで休憩して弁当を食べるのもおすすめ。山の反対側にある17基目には名前がついておらず、蛙石からもかなり距離があるので、体力に自信のある人はチャレンジするといい。

巨石パークのメイン「烏帽子石」。天に向かってそびえる姿は荘厳な雰囲気

16基目の「蛙石」でひと息つきたい。17基まで行かずに、ここで引き返す人も多い