糸数城跡
南部で最大のスケールを誇る古城跡
見事な石積みと絶景が望める城郭内へ
県道48号線、糸数入口交差点から北へ向けて勾配の急な坂道を上り「糸数城跡」の案内標識に沿って右折、300mほど山道を走ると城壁が視界に入ってくる。城壁にはいくつかの切れ目があり、そこから城郭内へと入ることができる。城郭内は、現在は何もない広場になっており、中心部には史跡を示す石碑が建てられている。また、南側は断崖になっているため、南部エリアの海岸線を一望できる絶景スポットにもなっている。東側には森が広がり、その奥には行く手を阻むかのような城壁が南北に延びている。糸数グスクは13~14世紀頃、糸数按司(いとかずあじ)によって築城されたと考えられており、ここから2kmほど離れた玉城グスク(現在の玉城城跡)の西の守りとしての役割を担っていたという。そのためか、糸数グスクは点在する南部エリアのグスクのなかでも最も規模が大きく、1972年(昭和47)には国の史跡に登録されている。
天を突くような城壁に感嘆
糸数グスクは、自然の断崖を利用して建てられたと考えられており、そのシンボルともいえる石積みの城壁が、東側に曲線を描きながら今も残されている。城壁は、琉球石灰岩からなる石をそのまま積み上げた「野面(のづら)積み」と、形を整えた石を積んだ「切り石積み」とで構成されている。また、城壁には石門が1か所あり、ここから城郭外へと出ることができる。城郭外から見る城壁は、壮大にして堅牢。敵を阻む役割を十分に果たしていたように見える。また、アザナと呼ばれる物見台がそびえるように存在しており、アザナからは南部一帯や首里方面まで見渡せたという。なお、現在は危険防止のため、アザナを含む城壁には登ることができない。
根石(にいし)グスクへも足を延ばしてみて
糸数城跡の城郭外にも、小さな石積みが残されている。これは糸数按司が、糸数グスクを築城する際に根城として造られたグスクと考えられ、根石グスクや元グスクと呼ばれている。拝所として古くから信仰されており、石積の前には香炉が置かれ、現在でも大切にされていることがうかがえる。糸数城跡から徒歩でも行けるが、グスクロードを利用すると車でアプローチすることも可能。周囲には蔵屋敷跡、佐南(さなん)グムイなど糸数グスクに関連した史跡が点在し、いずれも国の史跡に指定されている。
スポット詳細
- 住所
- 沖縄県南城市玉城糸数193 地図
- エリア
- 沖縄本島(南部)エリア
- 休業日
- 無休
- 駐車場
- あり(20台)
- 備考
- 「掲載許可:南城市教育委員会」
情報提供: ナビタイムジャパン