しおまち唐琴通り

通り

潮待ちの港として栄えた昔の牛窓の風情を満喫できる

古くから風待ち、潮待ちの港として栄え、江戸時代には朝鮮通信使の寄港地になった瀬戸内市の牛窓地域。その潮待ち港町の風情を残し、黒い焼き板壁の古民家が立ち並ぶのが「しおまち唐琴通り」である。

昭和30年代までの面影が残る通り} 昭和30年代までの面影が残る通り

港町として栄えた歴史を刻んだ町並み

「日本のエーゲ海」と呼ばれる美しい瀬戸内海の風景や、オリーブ園など牛窓の魅力は多彩だが、歴史ある港町としての牛窓らしさを漂わせているのは関町から西町、本町、東町と呼ばれる一帯だろう。フェリー乗り場の前にある瀬戸内市観光センター「瀬戸内きらり館」の裏通りだ。江戸時代、幕府を表敬する外交使節・朝鮮通信使の寄港地で、岡山城下と結ぶために整備された往来がこの通りで「しおまち唐琴通り」の名称は潮待ちの歴史や、潮が速いため波音が琴のように聞こえる「唐琴の瀬戸」にちなんでつけられた。

牛窓海遊文化館の前のソテツは樹齢100年以上} 牛窓海遊文化館の前のソテツは樹齢100年以上

海遊文化館のだんじり} 海遊文化館のだんじり

明治の洋風建築を利用して牛窓の歴史を紹介

岡山ブルーラインの邑久ICから車で約15分。白壁の土蔵や黒い焼き板壁の古民家が約1kmにわたって立ち並ぶこの通りには、江戸時代から昭和30年頃の面影が数多く残る。明治時代に建設された旧牛窓警察署を改装した白亜の擬洋風建築「牛窓海遊文化館」(国登録有形文化財)には、船形で竜の彫刻などが施された県指定重要有形民俗文化財のだんじりや、牛窓に伝わる県指定重要無形民俗文化財の唐子踊など朝鮮通信使に関する資料を展示。港町牛窓の歴史を知るには格好のスポットとなっている。

高台に朝鮮通信使の宿泊所となっていた古刹が残る

通りのなかでひときわ目立つのは、赤レンガの「街角ミュゼ牛窓文化館」(国登録有形文化財)だ。大正時代に牛窓銀行本店として建てられ、1980年(昭和55)までは中国銀行牛窓支店として使われた。現在は散策する人の憩いの場となっている。そして高台にある「本蓮寺」は江戸時代、朝鮮通信使が宿泊したことでも有名だ。また、江戸時代の木造灯台を復元した「燈籠堂」もある。西町には大正ロマンの画家・竹久夢二の叔母が住んでおり、夢二は少年時代によく訪れていたとか。

銀行の建物を観光施設として再利用} 銀行の建物を観光施設として再利用

本蓮寺の境内からは海が見える} 本蓮寺の境内からは海が見える

通りから本蓮寺へ向かう路地も風情がある} 通りから本蓮寺へ向かう路地も風情がある

燈籠堂の石垣は17世紀のもの} 燈籠堂の石垣は17世紀のもの

ほとんど観光化されていないのが魅力

八朔(はっさく)の頃(旧暦8月1日)には、この通りの民家や商家の軒先などで子どもの健やかな成長を願い、各家に伝わるひな人形を飾る「牛窓八朔ひなかざり」が行われる。ひな飾りには、米粉の団子で山海の幸を表現した「ししこま」(市指定無形民俗文化財)を供えるのが習わしで、ししこま作り体験も行われる。この通りの風情ある町並みを気に入った今村昌平監督は坂口安吾原作の映画『カンゾー先生』(1998年)のロケを行っている。土産店などはなく、ほとんど観光化されていない貴重な通りはゆっくり歩いて、いにしえに思いを馳せたい。

スポット詳細

住所
岡山県瀬戸内市牛窓町牛窓 map map 地図
料金
無料
駐車場
有り(30台)
滞在目安時間
30-60分

情報提供: ナビタイムジャパン

アクセス

map map 地図

最寄り

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