小川町和紙体験学習センター
ユネスコ無形文化遺産に登録された和紙作りを体験する
古くから知られた東京に最も近い和紙の産地
埼玉県のほぼ中央に位置する小川町は、外秩父の山々に囲まれた盆地の町。古い歴史を誇る小川和紙をはじめ、酒造や絹織物などの伝統産業で古くから栄え、「武蔵の小京都」と呼ばれている。紙すきの技術はおよそ1300年前に武蔵国に移り住んだ高麗人(こまじん)から伝わったとされ、奈良の正倉院に保存されている文書には774年(宝亀5)に武蔵国から「武蔵国紙480張」が納められたという記録が残されている。紙の需要が増えた江戸時代後期には、周辺地域を含め750軒を超す紙漉き屋があったという。
小川和紙は、使用目的に合わせてさまざまな紙が作られており、なかでも代表的なものが「細川紙」。その起こりは紀州高野山のふもと、細川村で漉かれていた細川奉書紙とされる。大阪商人によって江戸に持ち込まれると、厚みと光沢があり水に強い細川紙は商人の大福帳(だいふくちょう)などに使われるようになり、もともと紙作りが盛んだったこの地域の職人たちが細川紙の生産を行うようになったといわれる。
歴史ある建物で和紙作りにチャレンジする
小川町和紙体験学習センターでは、小川和紙の伝統を守り、後世に伝えるための活動を行っている。建物は1936年(昭和11)に造られたもので、1998年(平成10)まで埼玉県製紙工業試験場として使われていた。本格的な和紙作りを学べる1日コースや4日コース、観光客でも気軽に体験できる入門コースを開催している(1週間前までに要予約)。
入門コースでは、流し漉きという方法で楮紙(こうぞがみ)を製作する。「すき舟」に水と和紙の原料となるコウゾの繊維、ネリ(トロロアオイの根から作る粘りのある液)を入れ、紙を漉いていく。簀桁(すけた)という用具で原料液をすくい、余分な水を捨て前後左右に振るという作業を何度か繰り返す。簀桁を振ることで繊維同士がからみ合い、密度の高い丈夫な和紙ができるそうだ。最初は紙がよれたりシワができたりとなかなかうまくいかないが、何度かトライしてみよう。
ユネスコ無形文化遺産に登録された細川紙
手漉き和紙のなかでも最高の品質を誇る細川紙は、1978年(昭和53)に国の重要無形文化財に指定された。その際に定められた細川紙の条件は、国産のコウゾだけを使い、伝統的な製法と用具を使用して「流し漉き」で漉くこと。コウゾが紙になるまでには、まずコウゾを蒸して黒皮をはぎ、白皮を煮てさらしたあとたたいてほぐす、と非常に手間のかかる工程が必要だ。センターではこうした作業を今も人の手で行っており、タイミングが合えばその様子を見学することができる。
2014年(平成26)に細川紙は、島根県の「石州半紙(せきしゅうばんし)」、岐阜県の「本美濃紙(ほんみのし)」とともに「和紙:日本の手漉和紙技術」としてユネスコの無形文化遺産に登録された。
スポット詳細
- 住所
- 埼玉県比企郡小川町小川226 地図
- エリア
- 西部エリア
- 電話番号
- 0493727262
- 時間
- 9:00-16:00
- 休業日
- 火、年末年始
- 料金
- 体験有料
- 駐車場
-
あり(5台)
※大型車不可 - クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 雨の日でも楽しめる
- はい
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
-
- 優しい対応
- 友人と訪問しました。閉館ぎりぎりの時間になってしまったのですが、係の人が丁寧に優しく対応してくれました。
TripAdvisorクチコミ評価
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