妙楽寺
平安の輝きを今も保つ木造千手観音菩薩立像に会いに行く
行基が創建、空海が再興
妙楽寺は、小浜市中心部から直線距離で南に2kmほど離れた丘陵地に堂舎を構える。奈良時代の僧・行基が修験のために開山した霊峰多田ヶ岳のふもとだ。719年(養老3)年に行基が本尊を彫り、同寺は創建したと伝わる。797年(延暦16)には、諸国を巡っていた空海が小浜を訪れてこの本尊を拝し、堂舎を建立した。いにしえの名僧2人が時を経て関わった寺院であることに驚かされる。サクラ並木の参道から山門(仁王門)をくぐると、境内は静寂に包まれた別世界だ。歩を進めると奥に鎌倉初期に建てられたと推定される本堂が見えてくる。小浜を含めた若狭地方で最古の建造物で、檜の樹皮で葺いた屋根はこう配がゆるやか。平安期の貴族文化の名残をうかがえる上品な王朝建築風の外観だ。
仏教美術の真髄に魅了される
本堂内陣の中央に本尊の木造千手観音菩薩立像が安置されている。高さ176.3cmの檜一木造。国指定重要文化財だ。正面の本面のほかに顔の両側に脇面を付け、さらに頭上面を合わせると24面を数える。11面が普通の千手観音菩薩像としては珍しい一例だ。また、手の数も通常は本手、脇手を合わせて42本だが、この像では小さな脇手が無数に刻まれており、本当に千本あるといわれている。現在は公開されているが、昭和の時代まで長く秘仏であったことから金箔が今も多く残り、手や指先、宝具にも傷みが少ない。1000年の昔と変わらぬ金色の輝き放ち、衆生を守護しようとする姿を前にすると、思わず合掌してしまう。いにしえの仏教美術に魅了される人があとを絶たない理由が理解できる瞬間だ。
江戸時代建立の芭蕉句碑
妙楽寺の境内にはほかにも見どころがある。松尾芭蕉百回忌の句会が1793年(寛政5)に同寺で開催され、記念に建立された芭蕉句碑が本堂右手にある。1689年(元禄2)8月、奥の細道の道中に芭蕉が敦賀で詠んだ「名月や北国日和定めなき」の句が刻まれている。熱烈な俳句ファンが昔もいたことが、この句碑から伝わってくる。また、本堂の左手前には地蔵堂があり、千体地蔵が堂内に並び壮観だ。主尊の地蔵菩薩座像は平安期の作で、古くから地域のあつい信仰を集めてきた。こちらも参拝して帰ろう。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
-
- 高野山真言宗のお寺
- 福井県小浜市野代にある高野山真言宗のお寺。本尊は千手観音菩薩。延暦16年797年空海が再興したと伝えられている。
-
- 千手観音菩薩立像
- 山門をくぐると、境内には静寂が広がります。本堂(重文)は若狭における最古の建造物で、桧皮葺のゆるやかな屋根の流れが美しいです。24面を持つ珍しい木造千手観音菩薩立像(重文)が安置されています。内陣まで入れて、すぐ側で拝む事ができます。それは見事な像でした、長い間見とれていました。
-
- 二十四面千手観音
- 国道162号線を南川に沿って小浜を目指すと、道端にある道標にしたがって右折、高速の高架をくぐると小さなお寺がある。受付を済ませて進むと森の中に由緒ありげな風格のある山門に続いて立派な本堂がある。行基が安置したと伝わるご本尊の二十四面千手観音は珍しくありがたいものであった。
TripAdvisorクチコミ評価
もっと見るアクセス
地図最寄り
- NEARBY HOTELS -
周辺のホテル
- NEARBY RESERVED PARKING -
周辺の予約制駐車場
【予約制】akippa 小浜市木崎第1駐車場
1929m
【予約制】akippa 小浜市木崎第2駐車場
1967m