博多旧市街
博多のもつもう1つの魅力を伝える歴史エリア
街中で出合える博多の歴史スポット
大陸に近く、古代から交通の要衝となっていた博多は、平安時代に外交施設の鴻臚館(こうろかん)が置かれ、中世になると中国や朝鮮との交易拠点として大いに賑わった。商人は交易で財を成し、僧らは大陸の情報や文化をもたらしている。
そんな歴史を今に伝えるエリアが博多旧市街だ。JR博多駅から博多埠頭へと至る福岡市の幹線、大博通りの北東側に延びる承天寺通りと御供所通り(ごくしょどおり)に沿って歴史ある神社仏閣が点在。交通量の多い大博通りの喧騒とはうって変わり、物静かで落ち着いた世界が広がっている。
旧市街へと誘う博多千年門
博多旧市街へのウェルカムゲートが博多千年門だ。太宰府天満宮から寄贈された樹齢千年のクスを使い、2014年(平成26)に完成した。木造の四脚門様式、切妻本瓦葺の門で、ここから寺社が立ち並ぶ旧市街へと導いてくれる。
石畳の道は承天寺通りと呼ばれ、道を挟んで左右にあるのが1242年(仁治3)創建の承天寺である。もともと1つの敷地で区画整理のため市道で分かれたが、一帯を魅力的なものにしようと市道が整備され、現在の承天寺通りとなった。承天寺を創建した聖一国師(しょういちこくし)は宋からうどん、そば、羊羹、まんじゅうなどの製法を持ち帰ったことで知られている。
昔ながらの町家など懐かしい風景も
承天寺通りを抜けて御供所通りへ入ると、左手に日本最大級の木造坐像・福岡大仏のある東長寺や、ういろう伝来の寺といわれる妙楽寺、1195年(建久6)に栄西禅師が開山した日本最古の禅寺、聖福寺などの寺院が並ぶ。御供所通りには細い路地が左右に延び、昔ながらの町家が残るなど歴史を物語る風景に出合える。通りにあるお店にも注目したい。伝統あるかまぼこ店「西門蒲鉾」や老舗うどん店「みやけうどん」など昔からある店に加え、最近は町家を改装して「おまめよしこのかき氷」といった新しいカフェなどが誕生。散策を楽しいものにしている。
街中がまるで歴史博物館のよう
ユニークなのは電柱看板だ。一帯には「はかた博物館」と称した電柱看板が掲げられており、地名の由来やゆかりの人物が解説されている。博多の街の原型となった太閤町割りを手がけた豊臣秀吉をはじめ、高杉晋作や坂本龍馬ら歴史的有名人の名前も散見され、時代を動かした多くの人が博多に集まっていたことを実感できる。また、現実世界に音声を重ねる音声ARの技術を使った「まち歩きガイドコンテンツ」があり、専用アプリ(無料)をダウンロードしておけば、観光スポットの音声ガイドや音声ドラマを楽しみながら、博多旧市街の街歩きを楽しむことができる。詳しくは福岡市公式シティガイド「よかなび」で確認してみよう。散策してみると、街全体が博物館に思える博多旧市街。博多のもう1つの魅力をここで発見できるだろう。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン