樽平
「じんぞく」で取った出汁が自慢のご当地グルメ
「たらいうどん」の名付け親は当時の徳島県知事
徳島県阿波市土成町は、面積の7割が讃岐山脈となっており「阿波の北方 月夜にひばりが 足を焼く」という言葉が生まれるほど、かつては水不足が深刻な地域だった。そのため、あまり稲作に適しておらず、特に御所地域では小麦が主食として重要視されていたという。明治から昭和にかけては、山林における仕事に従事する人が多く、仕事納めには河原でうどんを打ち、大釜で茹で上げたものが振る舞われる習慣があった。つけ汁は川で捕まえてきたハゼ科の川魚「じんぞく(カワヨシノボリ)」で取った出汁が決め手。それが「たらいうどん」として名物になったのは、1931年(昭和6)以降のことである。視察で訪れた徳島県知事の土居通次(どいみちつぐ)が当地の手打ちうどんを食べ「たらいのような器で供されたうどんが実にうまかった」という感想が広まってから有名になった経緯があるという。
すっきりした味わいのつけ汁で味わう太い麺
さらに山奥へと向かう国道318号線沿いには「たらいうどん」を出す店が何軒もあるが、昔ながらの「じんぞく」で出汁を取っているのは「樽平」のみ。宮川内谷川(みやごうちだにがわ)に面した急斜面に建てられた店舗では「たらいうどん」の歴史や由来のパネルが飾られている。お昼どきは混み合うことが多く、特に夏休みなどのハイシーズンは電話で予約を入れたほうがいいだろう。「たらいうどん」は1人前が560円。釜揚げのうどんは茹で上がるまで約20分ほどかかるため、注意が必要だ。鮎やアメゴ(アマゴ)の塩焼きや味噌焼き、沢がにの唐揚げなど、サイドメニューを先に頼んでおこう。昔ながらの太い麺が特徴の「たらいうどん」は、コシがあるというよりはもちもちとした食感。「じんぞく」から出汁を取ったつけ汁は、すっきりした上品な味わいで、スダチとの相性も抜群だ。
今では希少になりつつある「じんぞく」
伝統的な「たらいうどん」の出汁に使う「じんぞく」は腹に吸盤を持ち、ゆるやかな流れの浅い場所にいるハゼ科の川魚だ。1960年(昭和35)代までは、徳島県内を流れる吉野川水系の河川では非常に多く生息しており「川の底を砂利が動いているように見えた」という老人もいる。しかし、現在では徳島県内はもとより、全国的に数が減っており、出汁に使う「じんぞく」を確保するのも簡単ではないという。ここ「樽平」ではタイミングがよければ「じんぞく」の唐揚げも食べることができる。品切れの場合も多いため、来店の際には必ずチェックしておきたい一品だ。また、店内の水槽では生きた「じんぞく」を見ることができる。うどんが茹で上がるまでの間、店の横にある階段から宮川内谷川の河原へ降りて「じんぞく」を探してみるのも、楽しい思い出になるのではないだろうか。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 川沿いの料理屋さん
- たらいうどんに加えてじんぞく(ごり)の唐揚げ、沢蟹の唐揚げをいただきました。入り口に有名人がたらいにサインしたものが飾っていました。郷土料理か楽しめる場所です。
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- 風情があって楽しめます。
- 大きなたらいに入ったうどん、それと沢蟹のから揚げを頂きました。風情もあって楽しかったですが、私が行った日はあいにく雨が降ったりやんだりの天気。駐車場から川沿いのお店に入るまで階段の上り下りが結構あるので、足元には充分気をつけたほうがいいです。
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- 空海さまが中国から持ち帰ったと伝わる小麦を使って
- 阿波の国と讃岐国と境界の山脈麓に流れる川沿いには、うどんを樽に盛り付けお接待する風習が残っています「御所のたらいうどん」こちらの樽平さんでは多くの芸能人が訪れ、食事されました。麺は太麺で腰が強く美味しい出汁汁で食べます
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