Awabi ware(アワビ ウェア)

画廊/ギャラリー

淡路島で継承される「民藝」の精神とものづくり

江戸時代後期から明治時代にかけて、淡路島で栄えた珉平(みんぺい)焼(別名淡路焼)。その制作スタイルに学びながら、現代の食卓に合う日用食器を作り続ける工房へ。島の風土がはぐくむ新しい民藝の器を探して。

古くからある掛け分けの手法を用いた平皿。二彩の皿が食卓を楽しく演出してくれる} 古くからある掛け分けの手法を用いた平皿。二彩の皿が食卓を楽しく演出してくれる

のどかな里山にある小さな工房へ

淡路島の美しさと書いて「あわび」、「ウェア」は製品。陶芸作家・岡本純一さんが代表を務めるAwabi ware(あわびうぇあ)の工房は、淡路市の南、洲本市との境界に近い田園風景のなかにある。作業場の隣の駐車場から下へおりていくと、築100年ほどという元診療所の建物が見えてくる。古い渡り廊下を進んだ先の一室にショップ&ギャラリーがあり、棚やテーブルにはカラフルでやさしい色合いの器が並べられている。マットな質感のもの、つややかな光沢のもの、釉薬の美しさとフォルムの豊かさに思わず胸が高鳴るだろう。

ショップ&ギャラリーがあるのはレトロな木造の建物の中} ショップ&ギャラリーがあるのはレトロな木造の建物の中

民藝の精神と珉平焼のスタイルを受け継いで

岡本さんは若い頃、柳宗悦の「民藝論」に共感し、日本各地の民藝館、窯場を巡った。そして、かつて淡路島にあった窯元、珉平焼(淡路焼)の器と出合い、その明るく澄んだ色合いにひかれた。珉平焼は江戸時代後期、賀集珉平(かしゅうみんぺい)が始めた焼物で、徳島藩の御用窯でもあり、中国や安南(ベトナム)、日本の京焼の影響を受けた幅広いバリエーションの器を生産していた。岡本さんは故郷の淡路島に帰って独学で器を作り始め、昔からある色や形をモチーフにし、それぞれ釉薬を微細に調合して、現代の食卓にあわせて再編集した器、Awabi wareを誕生させた。

廊下のショーケースには岡本さんが収集した珉平焼(淡路焼)のコレクションも} 廊下のショーケースには岡本さんが収集した珉平焼(淡路焼)のコレクションも

珉平焼に着想を得て作られた、Awabi wareの黄南京(きなんきん)の器} 珉平焼に着想を得て作られた、Awabi wareの黄南京(きなんきん)の器

職人の手仕事に託す民藝の器の未来

Awabi wareの制作スタイルには2つあり、成型から釉薬をかけて焼き上げるまですべてを岡本さんが行う方法と、岡本さんが起こした原型の型作り、成型、素焼きまでを他所(瀬戸や波佐見)の職人に依頼して進めるという方法。他所で分業制を行う理由は、自分以外にもAwabi wareをつくり続ける人を残すためだという。職人たちの手仕事から生まれて、長く、広く愛される器、まさに「民藝」の器を目指しているのだ。

Awabi wareのなかでも根強いファンをもつトルコ青の器など定番から新作まで幅広くそろう} Awabi wareのなかでも根強いファンをもつトルコ青の器など定番から新作まで幅広くそろう

里山の豊かな自然を感じながら

淡路島に生まれ、淡路島でものづくりを続ける岡本さん。淡路島のよさについてたずねると、「高い山のない平らな島。圧迫感がないところがいい」。岡本さんの器に宿る、軽やかさ、のびやかさは、この島の暮らしのなかから生み出されているものに違いない。田んぼや木々の緑に囲まれ、気持ちのいい風が吹き抜ける里山の工房には、ゆったりとした時間が流れている。10年、20年使い続けられる器を探しに、ゆっくり訪ねたい場所だ。

2010年(平成22)に淡路島にUターンした岡本さん。人と自然の間にある里山で制作活動を続ける} 2010年(平成22)に淡路島にUターンした岡本さん。人と自然の間にある里山で制作活動を続ける

工房の看板猫、シュガーちゃんものんびりくつろぐ} 工房の看板猫、シュガーちゃんものんびりくつろぐ

スポット詳細

住所
兵庫県淡路市大町上507-1 map map 地図
電話番号
0799706719
時間
10:00-17:00
休業日
年末年始
駐車場
あり(10台)
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、Apple Pay、PayPay)
コンセント口
なし
喫煙
不可

情報提供: ナビタイムジャパン

アクセス

map map 地図

最寄り

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