どんどん焼き おやつ屋さん

割り箸に巻きつけた形が特徴的な「どんどん焼き」

山形の祭りの顔「どんどん焼き」

「どんどん焼き」は、小麦の生地に海苔・青海苔・魚肉ソーセージなどを載せ、焼いた生地を割り箸に巻き、ソースなどを塗ったファストフード。どんどん焼きの歴史は戦前までさかのぼる。1938年(昭和13)頃、東京で修行した大場亀吉(おおばかめきち)が山形に持ち帰ったことから定着。客寄せのために太鼓をドンドンと鳴らしながら売り歩いたのが名前の由来だという。初めは経木に載せて売っていたものの子どもは熱くて持てなかったため、箸に巻くスタイルが誕生。片手で気軽に持ち歩けるどんどん焼きのスタイルが確立した。現在でも山形の祭りやイベントの屋台では、必ずといっていいほど見つけることができる。どこかノスタルジックなソース味は老若男女を問わずひきつける、紛れもないソウルフードである。

くるくると具材が巻かれていく様子は見ていても楽しい

酒の肴にもなる山形のファストフード

ご当地グルメとしてすっかり定着した「どんどん焼き」は、最近では祭り屋台だけでなく店舗でも提供されている。そのうちの1店が、JR山形駅や山形城の徒歩圏内に位置する「おやつ屋さん」だ。店内飲食、持ち帰りの両方に対応してくれるのがうれしい。注文を受けると、店内の厨房で鉄板で薄く焼いた生地に具材を入れて割り箸にていねいに巻きつけていくためアツアツのどんどん焼きを味わえる。もっちりとした生地とたっぷりかかった酸味のあるどんどん焼き専用ソースのハーモニーは食欲を「どんどん」刺激してくれる。どんどん焼きはおやつだけでなく、酒のつまみにも最適。「おやつ屋さん」では、17時以降は山形の地酒やビールを楽しめる「せんべろ」スタイルの「おやつ屋さん酒場」を実施している。どんどん焼きをつまみに、一杯傾けてみてはいかが。

「おやつ屋さん」は山形駅や霞城公園(かじょうこうえん)からのアクセスもよい場所にある

チーズが巻き込んであるチーズどんどん「しょうゆ」360円

定番のソースから変わり種まで

「おやつ屋さん」では定番のソース味に加えて、さまざまなメニューを提供している。あっさり味が好きならソースの代わりに「しょうゆ」を選ぶこともできる。一方で濃厚な味わいを楽しみたいなら、チーズを巻いて焼いた「チーズどんどん」や、マヨネーズを中にたっぷり入れた「マヨどんどん」がおすすめ。ほかにも、カレーを巻き込んだ「カレーどんどん」「おやつ屋さん」自家製の食べるラー油を使った「食ベラーどんどん」も支持が高い。チーズやオニオン、ベーコン、たっぷりのトマトケチャップなどを入れてピザを再現した「ピザどんどん」は、テレビ番組でも紹介された人気の一品。どんどん焼きは最もシンプルなメニューで280円と手頃な価格で楽しめるので、複数名で訪れるならいろいろな味を選んでシェアしてみるのもおすすめ。どんどん焼きだけでは物足りないなら、どんどん焼きと「焼きそば(小)」がセットになった「おやつ屋さんセット」を選んでみて。焼きそばもテイクアウト可能だ。

たっぷりとソースがかかる定番のソース味