ワインシャトー大迫
テイスティング専用ルームを完備した岩手県内屈指のワイナリー
ワイン醸造の過程と奥深さを学ぶ
国道396号線、大迫(おおはさま)バイパスから脇道に入り、左右に数種類のブドウの植えられた通称「エーデルヒルズ」と呼ばれる小高い丘を登っていくと、ワインシャトー大迫が見えてくる。エーデルワインの工場見学やテイスティング、購入をできる施設だが、初めての来館なら、まずはワイン造りについて学ぶのがいいだろう。工場見学は入場無料(団体は要予約)、所要時間は20分程度。パネル展示を追っていくと、大迫で収穫されたブドウからワインが造られる工程がわかるようになっている。「よいワインはよいブドウからしか生まれない、とエーデルワインの社長がいつも話している」とガイドさんが教えてくれたが、展示を見るとワイナリーの信念やワイン造りへの情熱がひしひしと伝わってくる。窓越しだが、大きな醸造樽のある貯蔵醗酵室や樽熟庫を見られるのは貴重だ。
ふるさとへの尊敬から生まれる極上ワイン
岩手県花巻市大迫は、降水量が少なく昼夜の寒暖差が大きいため、ワインを作るのに最適な場所といわれる。北上山系の土壌には石灰岩が多く含まれ、弱アルカリ性の土壌と涼しい気候のもと育てられるブドウは、ミネラル感とキレのある酸味が特徴の個性豊かなワインを生みだす。大迫では1962年(昭和37)に町と農協の出資で前身の岩手ぶどう酒醸造合資会社が設立され、ワイン醸造を始めた。その後、株式会社エーデルワインとなり、大迫町で収穫されたワイン専用ブドウを原料に醸造された「五月長根葡萄園 白」を発売。以降、「五月長根リースリング・リオン白」はエーデルワインのメインブランドとして今に続く。「エーデルワイン」の名は、早池峰山に自生する高山植物「ハヤチネウスユキソウ」が、ヨーロッパ・アルプスの「エーデルワイス」と近親種だったことに由来する。
ここでしか飲めない蔵出し生ワイン
ワイン造りについて学んだあとは、お待ちかねのテイスティング・タイム! 直売店に併設されたテイスティングルームでは、蔵出しワインなど通常はボトル販売されていない貴重なワインをいただける。月替わりで常時5種類程度のワインを1杯30㎖(100円~)から試飲できるが、やはり「お好み3種類セット30㎖×3」900円や「5種類セット30㎖×5」1400円を頼んで、複数のワインを試飲する客が多いようだ。熱処理されていないため、フルーティーで香り豊かな蔵出し生ワインは、ここでしか味わうことができない。ぜひ、試してほしい。蔵出し生ワイン以外はボトル販売しているため、テイスティングで「おいしい」「自分好み」と思ったワインを隣の直売店でまとめ買いするのもいいだろう。スタッフに質問すれば、どんな料理にあうかも教えてくれる。
おうち時間を楽しくするワインを買いだめ
直売店では約100種類のエーデルワインがあり、店内は約2000本貯蔵のワインセラーを完備している。エーデルワイン特別醸造限定品の「バックヴィンテージワイン」は、記念年のワインを探している人に特におすすめ。エーデルワインの最高級ブランド「ゼーレオオハサマシリーズ」といったぜいたくなワインにも、ついつい手が出てしまいそう。ワインにあう地元産チーズや果汁飲料なども販売している。実は、ワインシャトー大迫があるぶどうの丘には、大迫の観光スポットが点在する。エーデルワインが料理とともに楽しめる「レストランベルンドルフ」、サンドブラストのグラス作りを体験できる「ガラス体験工房 森のくに」、地元の新鮮な農作物や加工品などを購入できる「産直センターアスタ」など、地元食材を使ったグルメや体験、お土産探しと、一日楽しめるエリア。この機会に、ワインだけではない大迫町の魅力に触れてみるのもいいだろう。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン