清水寺
石見銀山の大鉱脈を発見した安原伝兵衛ゆかりの寺
「龍源寺間歩」の約1km手前、かつて銀の精錬が行われていた「清水谷(しみずだに)製錬所跡」の近くにある清水寺は、石見銀山界隈で訪ねたい由緒ある寺のひとつだ。清水寺の山号は「銀峰山(ぎんぽうざん)」で、もともとは銀峰山の別名をもつ仙ノ山(せんのやま)の山腹に立っていたという。その仙ノ山は、周囲に銀鉱脈が広がる「宝の山」。そして、石見銀山の伝説的存在である山師の安原伝兵衛(やすはらでんべえ)が、巨大な銀鉱脈を発見する前に祈った場所が清水寺といわれ、銀山開発に関わった領主や代官たちから崇敬を集めた。1602年(慶長7)に大きな銀鉱脈を発見、大規模な開発が始まった。そして徳川家康が征夷大将軍となった1603年(慶長8)、膨大な銀を江戸幕府に納めた伝兵衛は、家康から幕府に貢献した褒美に道服をもらい、それが清水寺に奉納された。その道服は今でも寺の所有物だが、国の重要文化財に指定され、京都国立博物館で保管されている。清水寺は1878年(明治11)に現在の場所に移った。本堂の格天井(ごうてんじょう)には、清水寺へ寄付をした武士や商人たちの家紋が一面に飾られ、往時を伝えている。
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情報提供: ナビタイムジャパン