パン・ド・ボウ

地元名産物を取り入れたカフェメニューが豊富

歴史感じる邸宅で過ごすゆったりとしたひとときを

有馬温泉の名湯「金の湯」目の前にある、ノスタルジックな異国情緒漂うたたずまいの印象的な2階がカフェで、1階がパン屋の複合店だ。日本の古きよき風情を感じられる温泉街で、ひときわ目立つ西洋風のその建物は、有馬で最も古い温泉宿「御所坊」の13代目金井四郎兵衛の邸宅として100年以上前に建てられたもの。先代オーナーは、お菓子の修行を経て地元有馬温泉の地で店を出そうと場所を探していたところ、御所坊の現代表と顔見知りだったことから、お屋敷を改装して1986年(昭和61)にカフェ・ド・ボウをオープン。「もしも有馬温泉にフランス人がカフェをオープンしたら」と想像しながら、こだわって作られた空間。古きよき時代を感じさせるアンティーク調の落ち着いた店内で、ゆったりとした時間を過ごせる。有馬温泉の貴重な金泉塩を使用した有馬ロールや地元神戸の老舗萩原珈琲など、地域の素材やものを取り入れたカフェメニューとなっている。

金の湯正面にたたずむ西洋風の白い建物がひときわ目をひく

パン屋前のテーブル席で、購入してすぐ食べることも

和庭園を眺めながら日本茶ベースのブレンドティー

何か新たに名物となるメニューを開発しようと考えていた際に、ブレンドティーはたくさんあるものの、日本茶をベースとしたブレンドティーはあまりないことに着目。御所坊とコラボして日本茶で香り付けしたブレンドティー「坊茶」1杯750円を開発した。ほうじ茶ベースに煎茶や番茶、有馬山椒など華やかな味わいのブレンドティー「伝説有馬末畿(まき)」と、ほうじ茶をベースに和紅茶やカモミールをブレンドした「陰翳」の2種類がある。有馬温泉の伝説の湯女、看板娘「まき」にちなんで名付けられた。和庭園の眺められるサンルーム席で、緑に心癒やされながらここでしか味わえない日本茶ブレンドティーをいただくのも最高だろう。いつも観光客で賑わう人気店だが予約はできないので、休日は多少の待ち時間が必要な場合も。

御所坊とコラボ開発したブレンドティー「坊茶」

ほうじ茶ベースの日本茶ブレンドティーを考案

暖かな日が差し込み、緑を感じられるサンルーム席

有馬の新名物が次々に誕生

カフェ1階部分のもとは車庫だった場所にあとからオープンしたのが、地元名産品を取り入れたパンが人気のパン屋パン・ド・ボウ。丹波篠山の名産品丹波の黒豆がたっぷりと入った「丹波黒豆パン」290円や地元名産有馬山椒を使用した「有馬山椒パン」290円、「有馬山椒ラスク」560円はお土産としてもおすすめ。丹波黒豆パンは、黒豆ならではのやさしい甘さが食べやすい。いちばん人気のパンなので早い日では午前中に売り切れてしまうことも。有馬山椒パンはその名のとおり、ひと口食べるとピリッと痺れる山椒特有の辛さが口に広がる。ほかにも何か地元名産物を取り入れた商品を作れないかと、次は有馬温泉を煮詰めて作った「塩」に目を付けた。有馬温泉の塩を使用した「金泉塩パン」250円と金泉塩のキャラメルソフトクリーム「有馬ソフトクリーム」500円は、新たなパン・ド・ボウの看板商品となった。購入したパンは2階のカフェ・ド・ボウでイートインもできるので、両方楽しみたい場合にはパンを購入してカフェを利用するのがベストだろう。

有馬山椒パンはビールやワインのおつまみにもあう