香川のてぶくろ資料館
明治時代から続く手袋産業の歴史を伝える資料館
手袋生産量の国内シェアは90%以上
香川県の東の端にある東かがわ市を中心とする一帯は、日本最大の手袋産地であり、国内で生産される手袋のうち90%以上の生産量を維持し続けている。市内には40社以上の手袋会社があり、長い歴史のなかで培われてきた高い技術で時代のニーズにあわせた高品質な手袋を作り続けている。そんな手袋の町東かがわに2008年(平成20)にオープンしたのがこの資料館。館内に入ってまず迎えてくれるのは、有名アスリートが実際に使用したグローブが並ぶショーケース。プロ野球選手や元サッカー日本代表ゴールキーパー、世界的に有名なゴルファーやオリンピックで銀メダルを獲得したフェンシング選手など多くの有名選手が試合で使用したものが並び、東かがわの手袋が有名選手の活躍を支えていたことを実感できる。
駆け落ちから始まった手袋の歴史
1886年(明治19)、東かがわ市の寺の副住職だった両児舜礼(ふたごしゅんれい)は若い女性と恋に落ち、大阪へ駆け落ちしてメリヤス手袋の製造を始めた。その後、舜礼の従兄弟である棚次辰吉(たなつぐたつきち)がその教えを受けて1899年(明治32)に故郷の東かがわに戻り、手袋製造所を設立したのが東かがわの手袋産業の始まりとなった。辰吉は実業家として成功しただけでなく、手袋の製造や加工に使われるさまざまな道具を開発し、その品質の向上にも大きく貢献。そうした道具の数々も、資料館には展示されている。シルクや本革で作られていた手袋は高級品で、多くは海外の上流階級の富裕層に向けて輸出されていたが、昭和30年代中頃に合成皮革が登場してからは庶民にも広まっていったという歴史がある。
たくさんの工程を経て完成する手袋
東かがわでは現在、ファッション用はもちろんスポーツ用、工業用などさまざまな種類の手袋を製造。手に心地よくフィットする手袋の縫製には高い技術を要し、その技術を身に着けるには3年以上の修業が必要だといわれている。手袋作りは、材料となる革を均一の厚さに伸ばすところから始まり、パーツごとに裁断し、縫製して最後の仕上げにいたるまで長い工程があり、そのすべてが熟練の職人による手仕事。館内にはその様子がわかる写真資料も展示されており、スマートフォンやタブレットでQRコードを読み取れば英語、韓国語、中国語でも説明を読むことができる。資料館の隣には手袋のアウトレット店を併設。生産者から直接持ち込まれた商品が市場価格の30-90%引きとお得に購入できるのでぜひ立ち寄ってみてほしい。
スポット詳細
- 住所
- 香川県東かがわ市湊1810-1 地図
- 電話番号
- 0879253208
- 時間
- 10:00-17:00
- 休業日
- 11/23、年末年始
情報提供: ナビタイムジャパン