妙見山公園
神社と模擬天守が山頂にある夜景と桜の名所
見事な彫刻が点在する遊歩道を歩いて山頂へ
標高64.2mの妙見山へアクセスするには、ふもとから妙見山ドライブウェイで上っていく必要がある。近郊には道案内のための道路標識が立ち、一本道であることから迷う心配はないだろう。ただし、蛇行した狭い山道を進むため、くれぐれも対向車には気をつけてほしい。ここはかつて徳島に存在した「阿波九城(あわくじょう)」のひとつ、撫養城(むやじょう/岡崎城跡:鳴門市指定史跡)のあった場所で、その名残もあって模擬天守の「トリーデなると」が建てられている。妙見山公園の無料駐車場は山頂近くにあり、その一角には2022年(令和4)3月1日にリニューアルオープンしたばかりのNFT鳴門美術館がある。山頂へと続く園内の遊歩道沿いには、徳島県出身の彫刻家である宮本光庸(みやもとこうよう)の彫刻が展示されており、豊かな自然と美しい芸術作品の調和を楽しみながら散策することができる。
城跡が残る妙見神社と抜群の眺望の絵馬堂
妙見山の山頂には、1830年(天保元)の創建と伝えられる妙見神社があるため、主祭神である天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)へ参拝していこう。拝殿の裏手には大きな石で組まれた石垣が部分的に残されており、撫養城の石垣を積み直したものといわれている。そして、境内の外にある四方の目線の高さに壁や戸などがない吹き放しの社殿が、崖の上に建てられた妙見神社の絵馬堂だ。こちらは鳴門市街を一望できるビュースポットで、日中のみならず、夕方から夜にかけての風景も美しい。時間が許すのであれば、ゆっくり座って空の色が変わる様子を見ていくといいだろう。また、天井には奉納された絵が飾られており、商店の屋号やユーモラスに描かれた動物などを一つひとつ見ていくのもおもしろい。
春の訪れとともに美しい桜色に染まる妙見山
妙見神社の前の坂を上った先にある模擬天守「トリーデなると」は、残念ながら撫養城を再現したものではない。本来の撫養城には天守がなかったため、こちらはいわゆる「城」としてのイメージで建てられたようだ。外観を活用したコスプレ撮影会などが行われているほか、内部の多目的室や市民ギャラリーなども、さまざまな目的で利用されている。土・日曜、祝日のみ開館しており、最上階の展望スペースからの眺めは、妙見神社の絵馬堂ともまた異なる趣がある。妙見山公園は桜の名所としても知られており、3月下旬から4月の上旬、春の訪れとともに、あちらこちらに植えられたソメイヨシノをはじめ、ハチスカザクラなど、約500本が次々と見頃を迎えていく。満開ともなれば、妙見山全体が美しい桜色に染まり、多くの花見客が足を運ぶという。
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情報提供: ナビタイムジャパン