滝小路
ゆかしい社家の家並みが続く大聖院の門前町
「宮島といえば嚴島(いつくしま)神社」だが、嚴島弁財天を祀る大願寺(だいがんじ)、大願寺とともに嚴島神社と深い関係にあった大聖院(だいしょういん)と、宮島には訪ねてみたい由緒ある社寺が嚴島神社のほかにもある。嚴島神社の出口の前には大願寺があり、嚴島神社の裏手から山腹に立つ大聖院へと、ゆるやかな坂道の参道が続く。それが「滝小路(たきのこうじ)」で、先に白糸の滝があることからそう呼ばれている。宮島桟橋から嚴島への「表参道商店街」の賑わいをよそに、今は閑静なたたずまいを見せるが、往時はこの一帯(西町)が宮島の中心だった。周辺には古い町並みが残り、「町家通り」を中心とする東町とともに「宮島重要伝統的建造物群保存地区」に選定されている。この滝小路は、かつて嚴島神社の神職の居住地になっていた場所で、社家(しゃけ)や内待(ないし)、大聖院の宿坊などが軒を連ねていた。今も千本格子の大戸など独特の家並みが残り、神職の住居や寮がある。早朝には神社に向かう神職の下駄の音が通りに鳴り響く。宮島ならではの情趣を堪能するには、この滝小路をはじめ西町・東町(伝建地区)の小路を歩き、古い町並みを巡ってみたい。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン