菓子蔵処 田村萬盛堂
江戸時代から続く老舗、菓子文化の歴史がわかる木型館も併設
城端の夏の季節菓子「あんころ」は博打(ばくち)に縁
城端の歴史や文化と深く結びついた独自の菓子がそろう老舗。なかでも、お盆の時期に人気の「あんころ」は、田村萬盛堂にとって創業に深く関わる菓子である。江戸時代、娯楽に飢えていた城端の人々は、城端別院善徳寺前に集まり、博打に興じることが多かったという。食事をとる時間も惜しんで熱狂する人々に、小腹を満たすあんころを売ったことが、菓子業を営むきっかけになったと伝わる。その後、博打は禁じられたものの、8月15日にあんころを食べる風習が残り、今にいたるという。ちなみに、同店のあずき餡は自家製で、あずきは北海道産のなかでも希産種とされる「しゅまり」を使う。一般的なあずきより濃い色と含まれるポリフェノールの多さが特徴だ。
県の天然記念物にヒントを得た「木の葉石」
店舗の入り口そばに、富山県の天然記念物である「木の葉石」が展示されている。城端町の山中で産出される特殊な植物化石で、大量の木の葉が重なるような特異な形をしている。これが、同店の代表的菓子である「木の葉石」のモチーフとなった。木の葉の重なる姿を模してスライスしたアーモンドを重ね、胡麻などとともに香り高く焼き上げたクッキーを考案したのである。菓子は第22回全国菓子博で内閣総理大臣賞を受賞し、新たな看板商品に加わった。また、店舗2階には昭和天皇も利用された料亭「吾妻楼」から移築した茶室を備え、茶室前のコーナーで菓子作り体験も実施する。開催は不定期で、コロナ禍で休業する場合も多い。事前に問い合わせ、予約をしたうえで訪れたい。
所蔵する木型1200点の一部を常設展示
また、同店は木型館を併設し、2012年(平成24)から一般公開している。創業時から代々受け継がれてきた菓子作りの道具をはじめ、落雁や干菓子、まんじゅう用などの菓子の木型約1200点を田村萬盛堂では所蔵しており、そのうち300点を木型館で常設展示している。木型の多くは落雁用で、落雁という菓銘の由来とされる後陽成天皇が詠んだ「白山の雪より高き菓子の名は四方の千里に落つる雁かな」という和歌の一文が、館内の一角に掲げられている。木型の材料は堅木で、花鳥風月を描いたものが多い。干支や家紋などもあり、日本の古典文様を学ぶうえでも参考になりそうだ。ほかに100年ほど前の洋菓子レシピなど、異色の展示物も目を引く。話好きで石集めが趣味という館長の菓子に関する解説を聞くのも楽しいひとときとなりそうだ。
スポット詳細
- 住所
- 富山県南砺市城端175 地図
- エリア
- 南砺・五箇山エリア
- 電話番号
- 0763620124
- 時間
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9:00-17:30
[木型館]10:00-16:00 - 休業日
- 火、水
- 料金
- [木型館入館料]200円
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 旅のお土産に城端の銘菓をどうぞ。菓子木型で和菓子作り体験(予約制)も愉しい
- 特におすすめは「木の葉石」。サクサクとした食感とアーモンドや胡麻の風味が美味しいお菓子です。旅の想い出づくりには、寛政年間から代々受け継ぐ菓子木型を使った和菓子作り体験(予約制)がおすすめ。デザイン性が豊かで、季節を感じさせる菓子木型で作る和菓子作り体験は、大人から子供までどなたでも楽しめます。観ても、作っても、食べても愉しい和菓子をどうぞ。
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- お土産に城端名物のがや焼
- 城端の大通り沿いにある和菓子屋さん。お土産に城端名物のがや焼を買いました。カヤの実を炒って、砂糖をまぶしたお菓子。噛むと堅いことは堅いんですが、すぐに壊れて、全体としてはサクサクいける。意外においしくいただきました。
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