松葉

名作マンガに描かれていたあのラーメンを味わう

トキワ荘商店街にあり、黄色い看板テントと赤い暖簾が目印

「豊島区立トキワ荘マンガミュージアム」から歩いて約3分。手塚治虫、石ノ森章太郎、藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄など日本を代表するマンガ家たちがかつてこの近くのアパート「トキワ荘」に暮らしていた頃、彼らの胃袋を満たしたのが松葉の料理だった。店の入り口には、藤子不二雄Ⓐの自伝的漫画作品『まんが道』のなかでこの店の登場するシーンが貼られている。創業は昭和20年代。その後、初代店主の息子さんがあとを継ぎ、今はその奥さんの山本さんが3代目店主となって店を切り盛りしている。まず食べたいのが「ラーメン」。藤子不二雄の作品によく出てくる「小池さん」が食べているラーメンのモデルといわれている。煮干しの出汁が利いたスープと醤油ダレのあっさり味で、懐かしい昭和のラーメンそのもの。それから名物の「炒飯」。大きめのチャーシューがゴロゴロ入っており、最後まで飽きさせない味だ。ほかにも「トキワ荘ラーメンライス」(700円)や「焼餃子」(400円)など、短冊に書かれたメニューの数は多くはないがそれで十分。昭和の味を守り続ける山本さんの明るくやさしい雰囲気が、この店の大きな魅力といえるだろう。

厚めのチャーシューやワカメ、茹で卵、メンマもたっぷり載った「ラーメン」600円