なごみの塔
古き良き沖縄の原風景が残る「うつぐみ」の島
島の心を表す「うつぐみ」という言葉
竹富島の玄関口である竹富東港から集落までは徒歩約10分。船の到着にあわせて出発する路線バスや、レンタサイクルや水牛車観光の送迎車に乗れば約5分で到着する。「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている集落は島のほぼ中央に位置し、白砂が敷き詰められた道と、島の言葉で「グック」と呼ばれるサンゴ石灰岩の石積み、亜熱帯の植物に囲まれた赤瓦屋根の民家が立ち並び、まるで絵はがきのような景観が残されている。竹富島には一致協力の心を表す「うつぐみ」という言葉があり、その精神に則って、島民たちによって美しい景観を継承していくための努力が続けられている。訪れる観光客は島の日常におじゃましている気持ちを忘れずに、ルールとマナーを守って楽しみたい。
集落のランドマーク「なごみの塔」
集落の中心部に位置する「なごみの塔」は、連絡用の放送台として1953年(昭和28)に建てられた高さ4.5mの鉄筋コンクリートの塔。2006年(平成18)には国の有形重要文化財に登録され、長らく展望塔として観光客の人気を集めていたが、老朽化のため2016年(平成28)からは塔の登り下りが禁止されている。塔のある小高い丘は、現在、赤山公園として整備されており、周辺にはカフェやお土産店、沖縄民謡「安里屋ユンタ」に歌われた美女、安里屋クマヤの生誕地や竹富島発祥の織物であるミンサーの民芸館などが点在しているので、集落の雰囲気を楽しみながらのんびり散策するのがおすすめだ。また、人が歩くスピードよりもゆったりと集落内をめぐる、竹富島名物の水牛車観光を楽しむものよいだろう。
竹富島らしい風景をいつまでも
「なごみの塔」から歩いて約3分のところにある西塘御嶽(にしとうおん)は、琉球王国時代に活躍した竹富島出身の偉人、西塘が祀られた御嶽。西塘は世界遺産に登録された首里城の園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)の建築や、八重山行政の礎を築いた人で、島の守護神として今も尊敬を集めている。御嶽の前の公民館には、1986年(昭和61)に制定された「竹富島憲章」が掲げられており、島の伝統文化と自然環境を後世まで守り抜く島民の決意が記されている。竹富島では2019年(令和元)9月から「うつぐみチケット」という任意の入島料(1人300円)を取り入れ、島を訪れる観光客への協力を呼びかけている。チケットは石垣港離島ターミナルと竹富東港かりゆし館に設置されている券売機のほか、竹富島内の観光事業所でも購入できる。また、一部の事業ではチケットを提示すると、割引などのサービスを受けることができる。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン